君が流したユメナミダ。


とある夢


・・・いつも通りの日常。


「よーし皆!今日も練習頑張るぞ!」
「「「「おー!」」」」


いつも通りの時間に、いつも通り練習が始まった。


「はあ、みんな今日も元気一杯だねぇ!さすがだと思うなぁ。」
「そうだね。ところで阿白ちゃん、一緒にタオル取りに行かない?」
「うん、いいよ!」


「みなさーん!休憩してくださーい!」
「ドリンクはあっちで、タオルはこっちだよ!」

みんな汗だらけになって・・・・頑張ってるんだなぁ。
私もマネージャーとして、頑張らなきゃ!

「阿白。」
「あ、士郎お兄ちゃん!」
「いつもお疲れ様。」
「士郎お兄ちゃんこそお疲れ様。はいタオル。」

そう言って、私はタオルを士郎お兄ちゃんに渡した。

「無理はしないでよ?」
「お兄ちゃんこそ!」
「おーい阿白ー!タオルくれよ!」
「はーい!」

そう言って、阿白は向こうにかけて行った。


「(なんだろう・・・胸騒ぎがする・・・。まるで、阿白が居なくなっちゃうみたいな・・・)」


そして夜。

「はぁ、疲れた〜。」

ドサッ

私は、部屋に入るなりベッドに倒れこんだ。
(だって疲れたんだもん!)

「あー、眠たい・・・でも・・・眠っちゃ・・・だ・・・め・・・」


私は、眠気に負けて
意識を手放した。



気が付くと、私は真っ暗な空間の中に居た。
誰も居ない、一筋の光も無い。

「暗いなあ・・・」

ポッ

「あれ・・・蒼い、炎?」

すると、一つ蒼い炎を見つけた。

(お・・・)

え・・・?
私を呼んだのは、誰・・・?

(おーい・・・)

「私を呼んだのは、君・・・?」

(好きだ・・・!)

「え?」

ぎゅうっ


暗くて顔は見えないけど、
きつく抱きしめられているのがわかる。

「へ!?」

(俺の元に、来てくれ・・・!お前が居ないのは・・・もう・・・耐えられねぇんだ・・・!!)

「・・・(コクン」

私は、そのとき何を思っていたのかわからなかったけど、
いつの間にか、その問に頷いていた。

ポオッ

蒼い炎が大きくなった。
さらに明るくなり、顔が少し見えた。

「(黒髪の、男の子・・・)」

(俺は・・・。)

(お前を、ずっと好きだった。)

(初めて、会ったときから。)

(俺の、運命の人、だったんだ。)

ちゅ

「煤I?」


唇に、ふにっとした、暖かいものが。
これって俗に言う・・・キキキ、キス!?

「ふぇ!?」

(待ってる。ずっと、待ってるからな。)


そこで、目が覚めた。



目が覚めて見たものは、いつも通りの部屋。
でも。

「唇にほんのり、感触が残ってる・・・」

唇に指を当てて、感触を確かめる。
あの生生しさは、夢じゃない。

「あの子は・・・誰なんだろう。名前が聞き取れなかったから・・・分からないや」


黒髪で、凛々しい声の男の子。
それしか分からないのに


どうしてこんなにも
胸が騒ぐんだろう。

「また、だね」

また、というのは、
実はこれが初めてじゃないから。

初めて彼が出る夢を見たのは、1ヶ月前ほど。
そして、なぜかは分からないけど、絶対に彼の名前を聞けない。

「不思議だね・・・」

初めて会ったときは、2人ともがちがちに緊張しちゃって、
全然話が出来なかったっけ。
1週間ほど経った頃に、やっと・・・ちょこっとづつ話しだせて。

だけど・・・

「運命の人」なんて言われたのは初めてだったし、
もちろんキスをされたのも、初めてだった。

そういえば前に1度、
「抱きついてもいいか?」って
言われたことがあったなぁ。
ちなみにその時、私はOKした。
なぜか、彼にならいいかなぁ。って思ったから・・・。


「なぁ。お前は、どこに居るんだ?」

(わかんないよ。もしかしたらだけど、君と違う世界かも。)

「違う世界?」

(うん。だって私のところには、「祓魔師」なんて居ないもん。「超次元サッカー」はあるけど)

「「超次元サッカー」?」

(うん。こうやってさ、サッカーボール蹴る時に、必殺技出すんだよ。私も一応出来るんだよー♪)

「へぇ、お前スゲェな。」

(それほどでもないよー。)

「なぁ・・・」

(ん?)

「お前は、兄弟とか家族とか居るのか?」

(お父さんとお母さん。それに、お兄ちゃんが、2人居たよ。)

「居た・・・?」

(みーんな、雪崩に巻き込まれちゃった。生き残ったのは、私と士郎お兄ちゃんだけ。)

「あ、すまねえ・・・辛いこと思い出させたな。」

(ふふ、別にいいよ。今は、仲間が居るし、君も居るから寂しくなんて無いよ。)

「なぁ、ところで・・・」

(なあに?)

「お前の名前、言ってくれないか?」

(変なの。・・・いいよ。私は・・・・。)


また、だ。


(わかったかなー?)

「あ、あぁ・・・」


・・・さ・・・

兄さ・・・


「兄さん!」
「買nッ」



「また、だ」
「・・・またって、何が?」
「狽ラ、別に。何もねぇよ・・・」
「変な兄さん。」

どうして、お前は
夢の中でしか会えない存在なんだ?


名前をちゃんと聞きたい

そのやわらかそうな体を抱きしめたい

唇にキスしてみたい

髪に触れてみたい

お前の声をいつまでも聞いていたい

そんな欲だけが
ドロドロと俺の心にのしかかる。


なぁ、どうして

俺を苦しめるんだ?


こんなにも会いたいのに。


初めて会ったとき、俺は
凄くドキドキしたことを憶えてる。

さらり、と流れる髪。
綺麗なオッドアイの瞳。


つまり、一目惚れだった訳だ。


(はじめまして)


ふわりと、声を聞くと
もっと心臓が張り裂けそうなくらいドキドキして。

この世に、こんなに綺麗な女の子がいたのか、
なんて考えたりもした。


だけど

結局は赤の他人同士で夢の話。

触れることは出来ない。
抱きしめることも出来ない。
キスすることも出来ない。

本当にこの世に居るのかも分からない。

あぁ

あいつがこの世界に居たらな、来たら・・・

なんて

いつも考えている。






会いたい。

嫌われたっていい


一度抱きしめて、キスしたい。


「なぁ。」

(・・・何?)

「・・・お前を抱きしめても・・・いいか?」


断られるのは承知の上だった。
気持ち悪がられるのも承知してた。


(いいよ?)

「え・・・?」

(んー、何て言うかね。君にだったら抱きしめられてもいいかなぁーって。)

「・・・!」


この瞬間

理性が負けた。


きつく、きつく抱きしめた。
離れないで欲しい、その思いをこめて。


(ふふ、あったかい。)


あいつの笑顔。

それを見た俺は

さらに壊れていった。


 (ただお前が愛しいだけに)



そしてある日。

「好きだ・・・!」

(え?)

俺は、あいつを思い切り抱きしめた。

(へ!?)

「俺の元に、来てくれ・・・!お前が居ないのは・・・もう・・・耐えられねぇんだ・・・!!」

(・・・(コクン))

「俺は・・・。」

「お前を、ずっと好きだった。」

「初めて、会ったときから。」

「俺の、運命の人、だったんだ。」


ちゅっ


本能かわからなかったけど、
いつの間にか、あいつの唇を奪っていた。

「(しまった・・・!)」

(狽モぇ!?)


時すでに遅し。


「待ってる。ずっと、待ってるからな。」


そういって、俺は目を覚ました。

いや、逃げた。

あいつが冷ややかな目をするんじゃないか。

そう思うと、とても辛かったから。

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