こいのめばえ
そして天花の病室。
「・・・佐久間さん、か・・・」
なんだろ、この気持ち。
なんだかモヤモヤして、気持ち悪い。
「・・・ねぇぺぎか。この気持ちね、なんだか分かる?モヤモヤしてさ、でも何となくふわふわしてるの。・・・なんなんだろう、この気持ち。」
そう、天花はお気に入りの、ぺぎかのぬいぐるみに話しかけた。
「・・・遊びに来てくれるといいな。だって、なんだかまた会いたくなっちゃったんだもん。」
コンコン
「狽ヘっ、ど、どうぞ!」
ぼーっと考え事をしていると、
病室のドアがノックされた音がした。
「(ま、ままままさか、佐久間さん・・・!?)」
ガラッ
「天花ちゃん、点滴の時間よ」
「・・・なんだ、桜木さんか」
「なんだとは何ですかなんだとは」
むにぃ
「ほっへはひゃめへ、いひゃいいひゃい」
「あれ?天花ちゃん、顔赤くない?熱でもあるの・・・?」
「・・・別に、熱なんて・・・」
「あ、わかった!」
「狽ヨ!?」
「天花ちゃん、佐久間君に恋をしたのね?」
「こここここ、恋っ!?」
「図星ね」
「まぁ確かに佐久間君、超イケメンだしね。天花ちゃんが恋をするのも、分からないわけじゃないわ。」
「私の同僚も数人、佐久間君にやられたもの」
天花はもじもじしながら、ぺぎかのぬいぐるみに顔を埋めた。
そうして、悲しそうにこう呟いた。
「でも私、病弱だし、ペンギンが大好きだから・・・よく変人扱いされるし・・・」
「こんな私、好きになってくれるわけ無いよねぇ・・・」
「・・・」
桜木さんは、ムスッとすると、
天花の頭を、ぺしっと軽くはたいた。
「いった」
「馬鹿ねぇ、天花ちゃんは。」
「ひ、ひどい・・・」
「あなたはまだ若いし、可愛いのよ?だから、自分に自信持ちなさいよ」
「で、でもぉ〜・・・」
「ハァ・・・まったく、じれったい子だね。」
「・・・はい、治療おしまい」
「あ、ありがとう、桜木さん・・・」
「じゃあ、また後でね」
「う、うん。」
桜木さんは、天花の病室を出ようとしたが、
立ち止まってこう言った。
「少しヒント。彼、極度のペンギン好きらしいわよ」
「Σえ、ええっ!?」
「じゃあまた後でねー」
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