「ありがとう」はいっぱいの愛で返すから!
(とにかく愛でたいオロチと鵺(ぬえ)の女の子の話)
(せ、せつあま?)
「鵺、饅頭を持ってきてやったぞ」
「わぁーい、あちき饅頭大好きー!」
「鵺、髪が崩れているぞ」
「直してくれてりがとう、オロチ」
「仕方のないやつだ」
「鵺、何かしてほしいことはあるか」
「・・・無いよ。」
「強いて言うなら、オロチにそばに居てほしい、かな」
「鵺」
「オロチ」
「・・・ごめんね、オロチ」
「あちきが封印されてなければ、もっとあちこちに行けるのにね」
「あちきは祠のあるこの洞窟から出られないもんね」
「見た目が恐ろしい」「縁起が悪い」
それだけで封印されたあちき。
でもあちきは、人間と仲良くしたかった。
だから頑張って人の姿に化けたのに。
「この鵺は人に化け、我々をたぶらかそうとしておるのじゃ!」
その言葉で、あちきは封印された。
逃げる暇すら与えられず。
「どうした、鵺」
「・・・なんでもないよ」
あちきを抱きしめるオロチのぬくもりに包まれながら、
あちきは自分の生まれを呪った。
あちきがもっと普通の妖怪だったなら
すねこすりや小豆洗いのように、ただただ無害な妖怪だったなら
オロチはきっとあちきなんかじゃなく、他の妖怪と幸せになれたはずなんだ。
・・・そう考えたら、何だか悲しくなってきちゃった・・・。
顔をわずかに曇らせた鵺に気付き、
オロチは、ぼそりとこう言った。
「・・・何を考えているかは知らないが」
「私は鵺といて、不幸だと考えたことはないぞ」
「私はお前と居たいから、ここに居るだけだ」
すっ、と頭を撫でられ、
そのやさしさに、鵺は涙を流した。
「ありがとう」はいっぱいの愛で返すから!
オロチさん口調わかんない。
とにかく大好きだから愛でたくてそばに居るっていう感じ。
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