君が流したユメナミダ。


守れなかった


「・・・アスカがおらへんと、ベッドが何か広う感じるわぁ・・・」

夜、シオンはベッドの上でごろごろとくつろいでいたが、
シオンはアスカがいなくて寂しいようだ。

「一護のとこに行ってみよ・・・」

重たい体をサイコキノで起こしてベッドから立ち上がり一護の部屋へと向かった。

コンコン

「一護おるか?」

問いかけるが返事がない。
留守なのかな、と諦めて
部屋へ戻ろうとした時・・・

「シオン?どうした?」
「あっ、一護(お風呂だったんか・・・後で入ろ。)」

肩にタオルをかけ髪を濡らした
一護が階段を登ってくる

「うん。アスカがおらんでちょっと寂しかったから。」
「そうか。まぁ入れよ」

ニッと笑ってシオンを部屋の中に入れる

「おおきに//」

今さらながら緊張する。
どことなくギクシャクした雰囲気の中・・・

「へックシュ!!」

くしゃみをする一護

「大丈夫か?髪の毛ちゃんと乾かさへんからやで〜・・・」

そう言いながらシオンは一護の肩からタオルを取り・・・

「ちゃんと拭かんと風邪引くで?」

そう言って、シオンは一護の髪の毛を
ワシャワシャと拭いた。

「わっ・・・!!//おい!!」
「ええからええから♪」

恥ずかしさから最初のうちは少し抵抗していたものの、
一護はすぐに大人しくなった。
そんな一護に少し嬉しさを感じながら頭を拭き続けていると一護がシオンの腕をパッと掴んだ


「い、一護?」
「・・・」

顔を上げた一護の表情が真剣で、
思ったより自分との距離が近くて
シオンは顔が一気に真っ赤になる。

「あっ、えっと・・・すまへん///」

とっさに掴まれている腕を離そうとするがそれはできなかった

「シオン・・・」
「えっ・・・//」

徐々に近づいてくる一護の顔…

「(ひゃぁ〜っ///)」


唇が触れ合うまであとちょっとだったその時・・・



「きゃああああっ!!!!」


シオンが悲鳴を上げた。


「ど、どうした!?」
「痛い・・・!胸が・・・!」

まるでナイフで心臓を直に刺されるような痛み・・・

シオンにはこの痛みに覚えがあった。


「管狐!この痛みは管狐が死んだときの痛みや!うちの守りの管狐が何かにやられた!」
「何だと!?」
「痛い・・・痛い・・!!!」

胸を押さえて苦しむシオン。
するとピピピとどこからか音が鳴ったと同時に・・・

「一護っ!!」

ピシャン!!と大きな音を立てて押し入れからルキアが登場


「狽、おっ!てめぇ、いつからそこに居やがった!ていうかソレ遊子のパジャマじゃ・・・」
「話はすべて後だ!!指令だ!!」

“指令”

その言葉に2人のの表情がいっきに引き締まる。

「(来てもうたな・・・!)」
「指令・・・!?虚が出るってコトか!?場所は!?」
「「時間も場所も今・・・・ここ/だ/で!!!」」

ルキアは手袋をはめ一護を死神化させ、
シオンは胸の痛みをこらえて、死神姿になり、黒月を抜いた。

「なッ・・・!!!」

壁から虚が姿を表す。

「シオン、頭だ!頭を狙え!!」
「わかってるで!!」

ガッ!!

言われた通り、シオンは、虚の頭を狙って、黒月を振り降ろしたが・・・
胸の痛みで、十分な力が出なかった。

「あかへん、しくじった!(浅い・・・!!)」

グオォオオぉ・・・!!

虚は雄叫びを上げて出てきた穴から
逃げて行った。

「逃がしたか・・・!!追うぞ!!」
「行くで一護!」
「・・・まてよ!!」

ルキアとシオンは足を止め一護の方へ振り返る

「・・・どういうことだ・・・?」

少し悩んだ表情をして、一護は言った。

「今のは・・・今のは井上の兄貴だった・・・!!」


「「・・・」」

微妙な空気が流れる中で、
シオンは口を開いた。

「背後から一撃で頭を割るのが虚退治のセオリーと教えたやろ?戦いに於けるダメージを減らす為に・・・ってな。でもそれにはもう一つの大きな理由があったんや。」
「・・・一撃で倒すのは虚の正体を決して見ぬようにするためだ」
「なぜなら、虚というのは全て・・・元は人間の魂だったものだからや!」


「ど、どういうコトだ!!フツーの人間って!!聞いてねーぞそんなコト!!あいつらバケモンだろ!?倒さなきゃいけねーモンなんだろ!?」
「そうだ!!でも“今は”もうバケモノだ!!倒さねばならない!!」
「“今は”ってことはやっぱり俺が今まで斬ってたのは・・・!!」
「ストーップ!!」
「「!?」」

「口論してる暇なんてないで!!織姫やアスカが―死ぬで」











アスカ・・・とうとう始まったで・・・
すぐに行くから、それまで何とか織姫を守っといてな・・・

絶対に、みんなを傷つけはさせへん!




シオン達が織姫宅へ向かっている中、
当の織姫達はというと・・・

「しかし・・・来たばっかりの転入生と早くも仲良くなるとは・・・一護のヤツも意外とやるなあ・・・」
「意外やろ?だけどな、一護もあんなコワモテしとっても意外とフレンドリーなんやで!」
「へぇー!」

恋バナで盛り上がる3人。アスカも虚のことなどすっかり忘れ、恋愛相談に夢中である

「(織姫もお姉ちゃんも一護のどこがいいのかねぇ・・・)まぁ・・・確かにカッコいいし、ええ奴やけど」

ボソリと呟くアスカ。その時。


バスッ!!・・・ボフッ・・・

「何?今の・・・音・・・」
「・・・ぬいぐるみ?」

音のした方へ目を向ければ
熊のぬいぐるみが倒れている。

「ああっ!!エンラクが落ちてきた!!大丈夫!?エンラク!!」
「なんだヌイグルミか・・・ビックリした」
「ホンマになぁ・・・(っていうか“エンラク”って、どんだけ笑点好きなんやなw)」

そのとき、アスカは朝感じた妙な霊圧を、
ぬいぐr・・・エンラクから感じた。

「・・・!!(ダメ!!)」
「織姫ッ!!エンラクに近づいちゃアカン!!」
「えっ?どうし―」

ドンッ!!

織姫の胸が貫かれる。
そして周りに血が飛び散る。

「織姫ッ!!」
「ちょっ、ちょっと!!何!?どうしたの織姫!!」
 
何が起きたのかわからないたつき

「ちくしょう・・・!!!」


守れへんかった・・・!!


「何が・・・」
「ッ!!たつき危ない!!」

ゴトン!!

「うッ・・・痛ったぁ・・・」
「アスカ!?」

たつきを庇い、アスカは肩に傷を負う

「な、何だよ!?なんで血が・・・一体何が起きt「たつき、しゃがんで!」
「!?」

とっさに体をしゃがめるたつき。
なんとか虚の攻撃を避けることができたが、その攻撃は変わりにアスカが直撃する

「くッ・・・!!」
「な、何!?何がどうなってるの!?このでっかいオバケみたいなの・・・何?)」

目の前で起こる事態に隅っこで震える織姫。

「(あたしの体、あんなとこにある・・・あたし一体どうなっちゃったの・・・?・・・死んだのかなあたし・・・)」


「(頭がくらくらする・・・この鎖・・・何だろ・・・?すごく・・・苦しい・・・)」

織姫は心臓辺りから出ている鎖に、
手をかける。

「(ち・・・ちぎっちゃいたい・・・)」

「ぐっ・・・あ・・・・」

ギリギリと首を締められるアスカ

「お前・・・俺が見えるんだな」
「見え・・・てっ・・・・何か・・・悪・・いか・・・?」
「アスカちゃん!!(何ぼーっとしてるんだろあたし・・・助けなきゃ!!)」

ドンッ!!

「えい!!」


織姫は虚の腕に突進し、アスカの首から腕を外させる。


「きゃああああああっ!」

アスカも、シオンと同様に
胸に痛みが走った。

「うちの管狐が・・・やられたな・・・ダメージは・・・半分あの子が吸ってくれてたからやな・・・」

胸の痛みに耐えながら、頑張って立ち続けるアスカ。

「はぁっ・・・はぁ・・・」

(あかんッ・・・・)

「アスカちゃん大丈夫!?逃げて!!今のうちに!!たつきちゃんも!!」
「あっ・・・ぁ・・・」

ガタガタと震えながら、ただ呆然とするたつき

「たつきちゃん!!どうしたの!!聞こえないの!?」
「ムダだよ織姫・・・」
「!!」」
「彼女達には俺達の声はおろか・・・姿を見ることもできないよ・・・」


(早く・・・早ようせんと・・・)


声を出そうとするが、痛みで声が出ない。
ネックレスに触ろうともがくが思うようにいかない。

「─どうして、あたしの名前・・・知ってるの・・・?」

(動け!うちの身体!!)

早くせんと織姫が・・・お姉ちゃん・・・ルキア・・・

「俺の声も忘れたのか・・・悲しいな織姫!!」

鋭い爪が織姫に向かって振り下ろされる

「早う来いやバカ苺!!」

ドンッ!!

いつまでたってもこない痛みに、
恐る恐る目を開ける織姫
目を開けた先に見えたのは・・・

「黒崎・・・くん・・・?」
「遅いでバカ苺」
「うるせェよ」

一護はニッと口角を上げアスカを見る。
 
「アスカ!!」

シオンはアスカに駆け寄り、
安心か、痛みからかフラリと倒れるアスカの身体を支える。

「お姉ちゃん・・・かんにんな。織姫守れへんかった・・・」
「ううん。アスカはよう頑張ったで・・・もう喋るのはやめ。ヒーリングしてあげるから・・・」

ふわっと微笑むシオンに、アスカは涙を浮かべながらも、嬉しそうに笑った。

「後は一護に任せよう」

そう言って、アスカのヒーリングをしながらシオンは一護に目を向けた。


「邪魔する気か!」
「悪ィが、それが俺(死神)の仕事なんでね。井上を殺したけりゃ・・・先に俺を殺すんだな!!」

ズキン・・・

「(何ショック受けてんのうち・・・一護が織姫を護るのは仕事なのに・・・)」

シオンはくすっと笑った。

「・・・最悪やね、うち。(一護のことになると。)


なかなか攻撃をしてこない虚。チラリと辺りを見回せば気を失っているたつきと、その奥にもう1人・・・

(誰だ・・・?)

「井上!?そんなバカな!!井上は俺の後ろに・・・」

くるりと振り返ればそこには確かに
織姫がいる。

「あ・・・!!やっぱり!!黒崎くんだ!!」
「どうして・・・お前、どうして俺の姿が見えて・・・」
「え?えっと・・・?どうしてって・・・」
 
何て答えたらいいのかわからない織姫の変わりに虚が口を開く

「決まっているだろう。そいつが魂だからだ!!残念だったな。織姫はもう・・・死んだ!!」

そう言うと同時に虚は、
一護に向かって尻尾を振り下ろす。

ガッ!!

なんとか斬魄刀でギリギリ受け止めるが一護は吹き飛ばされてしまった

「一護!!」
「くそッ・・・」
「どうした?・・・威勢のいいセリフを吐いた割りには・・・随分と動きが鈍いじゃないか・・・」
「チッ」
「そんなに織姫の魂が体から抜けてたいたことがショックか・・・?なァ!?黒崎一護!!」
「!!」

虚の口から出た粘液が一護の手に付着し、ジュッ・・・っと音をたてる

「ッぅア・・・っ!?」

とっさに斬魄刀から手を放し、自分の手に目を向ける一護

「!!一護危ない!!」

シオンの叫びも虚しく地面に叩きつけられる一護

「一護・・・!一護に何すんねん!」

キッと虚を睨み付けるシオン。

「黒崎く・・・!」

しかし、シオンの言葉など無視して、一護のもとへ行こうとした織姫を捕まえる虚

「は、放してよ!!放して!黒崎くんが・・・」

自分を捕まえている虚の手に噛みつく織姫
 
「織姫。本当に、本当に俺を忘れてしまったのかい?俺だよ・・・!!織姫!!」
「お、お兄ちゃん・・・!?」


呆然とする織姫。

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