君が流したユメナミダ。


新たな運命に


夜。病院で暇つぶしに裁縫箱を出して、さかんに何かを縫っていた。

コンコン

「誰?」
「サーレーでございますわ」
「久しぶりね。入って。」

ドサッ、と目の前に大量の資料が置かれた。

「ありがとう、コレが欲しかったのよ」
「頼まれたとおりやりましたわ、ファルファ様」
「お疲れ様、戻って良いわよ」

ペラ・・・

数枚めくって
イタリア語の文章を読んでいく。
「へぇ・・・アクシランファミリーの跡取り娘かぁ・・・男居なかったのかしら。それにアクシランってだっさい名前よね!私が雪乃消しちゃったから、跡取り居なくて大変じゃないの?」

「よし、明日まで仕上げるかな。」



また裁縫箱を開けて、続きを始めた。




朝、また制服に着替えて出かけた。もうキズも塞がったし、出てもOKって言ってたから。

「おっと、忘れ物」

かばんの中に、昨日作ってたものを入れる。カサ・・・と紙袋の擦れる音がした。



校門前



「あ、おはようツナ!」
「おはようファルファ」
「・・・」
「おはようなのな」
「そういえばいいもの作ったんだけど・・・お昼屋上来てくれる?」
「いいよ?」
「・・・あぁ」
「いいぜ!」



「・・・だから・・・時差を割り出すには・・・」
「・・・」
「こうなって・・・・赤道付近の国は・・・・」
「・・・」
「地球の・・・・」
「・・・」


お昼


「あ、ツナ」
「ファルファ、ここに居たんだ。」
「獄寺くんたちも一緒?」
「うん。」
「文句あるかよっ!」
「ないない」


カサ・・・と赤い袋と青い袋を取り出す。


「これ、プレゼント。」
「・・・?」



あけてみると、中から獄寺と山本にそっくりな人形が出てきた。



「暇に任せて作ったんだ・・・あ、ツナ・・・これ、ランボ・・・だっけ?に渡しておいてね♪」



黄色の紙袋を渡す。

やはり中には、人形が入っていた。



「ありがとう」

「・・・ありがとな」



ニコッと笑って、2人に笑い返して、「どういたしまして♪」と言った。

その笑顔に、鎖蝶のファンクラブが復活したとかしてないとか・・・


ボクシング部の前に、ファルファはいた。

「おぉ、鎖蝶か!ボクシング部に入らんか!?」
「・・・やめときます。あ、あとこれ・・・先輩に・・・」

黄色の袋と、ピンクの袋を取り出した。

「あ、ボクシング部の前に、鎖蝶はいた。

「おぉ、ファルファか!ボクシング部に入らんか!?」
「・・・やめときます。あ、あとこれ・・・先輩に・・・」

黄色の袋と、ピンクの袋を取り出した。

「あ、零くん!」
「なんだ、京子かぁ。」
「なに、それ?」
「あけたらわかるよ。」


カサ・・・・


「私そっくり・・・・」
「極限にそっくりだな!」
「病院で暇に任せて作ったんで」
「ありがとう!」
「礼を言うぞ!」
「じゃぁ、失礼します。バイバイ、京子」


学校後ろ


「・・・・護衛も監視も居ない、誰も居ないわよね・・・」

ふぅ、と一息ついて、髪をほどき、ツナの人形を眺めた。
鎖蝶はしばらく10年ほど修行に行こうかと思っているのだ。



「雪戦の私は冷酷すぎた。ツナがいってた「思い」って言うのを探そうかな・・・」
「本当にそれでいいのかい?」
「まったく・・・もうだめだなぁ、私。気配がっ・・・・わかんなくなって・・・・・」



嗚咽まじりの声で、そうつぶやいた。



「そうだっ、雲雀さん。これ・・・受け取ってください」



下を向いて、雲雀に紫の紙袋を渡した。



そういうと彼女は、猫並みのすばしっこさで帰っていった。



ジー・・・・

チャックを閉める音が響く。

「・・・コレでいいかな・・・」

昨日赤紫の紙袋を持って、
黒曜に行ったばかりだというのに。
小さめのボストンバッグにいろいろ詰め込んで、遠くに修行に行くため、用意をしたのだ。

「・・・こんな時間・・・」

学校に行く用意をした。

学校
「おはよう、ファルファ」
「・・・おはよう・・・」
「どうしたの?元気が無いけど・・・」
「あの・・・あとで屋上きてくれるかな・・・」

修行のことはツナにはまだ言っていない。
寂しくなるだろうから、後で言うことにしたのだ。

「夢野先生、僕今日でイタリアに帰ります。」
「まぁ、中間テストも終わったばかりなのに・・・」
「はい・・・10年くらいは日本には戻れないと思います」
「そんなに?じゃぁ今日、帰りの会で言ってくれるかしら?」
「・・・はい。」

好きな家庭科も、技術も、理科も、数学も、国語も、部活も・・・
その日は何も楽しくなくて。
ただ、涙が零れそうになるのを
我慢するのに必死だった。


帰りの会

「・・・今日で僕はイタリアに帰ります」
「・・・・!」

反応は人それぞれだ。
「よかった」と安心する人。
「え〜」と小さい声で残念がる人。
その反応に、私は反応できなかった。

屋上

「どうして・・・」
「ツナ?」
「どうして、行っちゃうの?」
「・・・私は、ツナやボスや兄貴を護りたい・・・・」
「・・・・」
「こんなこと言うなんてね・・・私も落ちぶれたな・・・・」
「ファルファ・・・・」
「私、ツナが言ってた「思い」を探しに行く。そして、強くなるから」
「・・・」
「私、ツナを愛してるから。
絶対、護るから」

ぎゅっと抱きしめて、ちっちゃくほっぺにキスをした。

「大好き」
「私も。だから、待ってて。
絶対、戻って来るから」

ちゅ

もう一回、優しくキス。

「ペア人形、持ってて。私、寂しくなったら、人形を見てツナのこと思い出すから」
「・・・うん」


涙でくしゃくしゃな顔にもう1回だけ。もう1回だけキスを落とした。

「あ、もう行かなきゃ・・・
ツナ、コレだけ約束して。」
「・・・何・・・?」
「私が戻ってくるまで死なないでね」

ぎゅっとツナを抱きしめてから、走って空港に急いだ。


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