先に壊れた皇子様
「今度はお前だ!」
そしてデザームは吹雪にボールを渡す。
「・・・最初からそのつもりだ!!」
吹雪はアツヤに変わり、ゴールに向かって走り出す!
途中で来たDFをはじき飛ばし、ゴール前に立った。
そして、エターナルブリザードを撃った!
・・・が。
「ドリルスマッシャー!!」
デザームのドリルスマッシャーで止められてしまう。
「なんだ、今のは・・・?」
「ッ、もう一度だ!俺にもう一度ボールを回せ!!」
そしてまたアツヤにボールが渡り、
もう一度エターナルブリザードを撃ったが、
また止められてしまう。
「・・・そういうことか」
そしてまた、アツヤは走り出した。
その横に彰人が並ぶ。
「吹雪!お前何熱くなってんだ!!」
「うるせえ!!お前に・・・お前に何がわかる!!」
「バカ野郎、頭を冷やせ!」
「俺は完璧にならなきゃ、ここにいる意味がねーんだよ!!」
彰人を抜き、アツヤは4回目のエターナルブリザードを撃った!
しかし、デザームに軽々と片手で止められてしまった。
「そんな・・・バカな・・・」
「楽しみにしていたが、二人ともこの程度とはな・・・」
そう言うと、デザームはボールを投げ、
こう言い放った。
「お前はもう、必要ない」
そう言われたその瞬間、
吹雪はぐらっ、と揺れ・・・
ドサッ
地面に座りこんだ。
「士郎ッ・・・・!?」
その瞬間、雪女は彰人の意識を振り切り、
吹雪のもとに駆け寄った。
「士郎!士郎!?」
「吹雪!」
「吹雪さん!?」
「吹雪!!」
すかさず、みんなも駆け寄った。
・・・が、何の返事もしなかった・・・。
その瞬間、瞳子が目金に向かってこう言った。
「選手交代!目金くん、吹雪くんと代わりなさい。」
「は、はいっ!」
そして、柚流にもこう言った。
「霧留さん、雪女くんと代わりなさい!」
「はい!」
そう言われると、柚流はまず雪女のもとに駆け寄った。
「バトンタッチよ、スノーガール!ミーが仇を討ってあげるから、元気出しなさい!!」
「・・・あぁ・・・。」
そう言われた後、雪女は無言で吹雪を支え、肩を貸してベンチに座らせた。
そして隣に座り、自分の体で吹雪の体を支え、
そっと吹雪の背中を撫でた。
「・・・士郎・・・」
「吹雪、雪女。ここで見ていてくれ。俺たちみんなで、お前たちの分まで戦い抜く!」
そう円堂が言うと、雪女は青い目から
大粒の涙をこぼしてこう言った。
「頼む、守!あいつらを・・・あいつらを倒してくれ・・・・!!」
そう涙を流しながら言うと、
柚流が雪女の前に立ち、ポケットのハンカチで顔を荒く拭いた。
「絶対にみんなで仇を取ってあげるから、泣くんじゃないの!!」
「柚流・・・」
そういうと、柚流はそっと雪女の頭を撫でた。
そして、試合が再開した。
しかし、吹雪と雪女が抜けたせいで、
守りに徹するばかりになった雷門イレブンは、
次第と疲れが見え始めた。
その時、しびれを切らした柚流が
マキュアからボールを奪い、ゴールへ向かって走り出した!
「(ミーはキーパー以外なら何でもできる!だからこそ、今こそミーが動かなきゃ!!)」
ゼルやメトロンがボールを奪おうとするが・・・
「ウォーターマジック!!」
そう叫ぶと、柚流の周りに水のカーテンが出来る。
カーテンは結構厚く、柚流がどこにいるのか分からなくなった。
「なっ!?」
「どこから・・・」
「ここだよ!」
声がしたのは、2人の後ろ。
水に気を取られた隙に、柚流は素早く二人の後ろに回っていた。
そしてそのまま、ゴール前!
しかし・・・
「行かせない!!」
「きゃんっ!」
マキュアのタックルで、ボールを奪われてしまった。
それからも、単純なミスが増え、
バタフライドリームやツインブーストも効かなかった。
「・・・やはり、この程度か」
その時、デザームは交代を告げ、キーパーからFWに変わった。
そして、円堂に近づき、こう言い放った。
「あの男達が居ない今、興味があるのはお前だ」
「・・・俺・・・!?」
「宣言する!正義の鉄拳を破るのは、この私だ!!」
「なっ・・・」
そして、試合が再開した。
試合開始早々、デザームは素早いドリブルで一ノ瀬達を抜かし、
簡単にゴール前にたどり着いた。
そして・・・
「グングニル!!」
「正義の鉄拳!!」
しかし、正義の鉄拳はグングニルに敗れ、
先制点を取られてしまった!!
「守の・・・正義の鉄拳が・・・!!」
そして、そこで前半は終わった・・・。
そしてハーフタイム。
「まさか正義の鉄拳が負けるとは・・・」
「ここで止められたのは、キツイわね・・・」
鉄壁だった正義の鉄拳が破られたため、
みんなの中には、少し絶望的な空気が流れていた。
その時、綱海が大きな声でこう言った。
「正義の鉄拳が通用しないなら、俺たちが頑張ればいい話だ!!だろ?柚流!」
「もちろんよ!ミーだって全力でサポートするわ。」
「そ、そうっスよね!!」
「あぁ!」
その時、一ノ瀬がそうつぶやいた。
「・・・でも、点を取らなければ勝てない・・・」
「なぁーに言ってんの!!「取らなきゃ」じゃなくて「取る」のよ!」
「!」
「・・・チャンスがあれば、積極的にシュートを狙っていこう。」
「いい?よく聞いて!今GKのゼルが、デザームより劣っているとすれば、ミー達にも勝機はあるの!」
「必ず点を取ろう!そして・・・勝つんだ!!」
鬼道のその言葉に、みんな頷いた。
「・・・試合は、続けますか?」
「えぇ。この場面を乗り越えられれば、チームはもっと強くなる。エイリア学園を倒すために、もっと強くなってもらわないと」
その時、雪女はベンチから立ち上がり、
瞳子のもとへ向かった。
「監督!!」
「・・・何かしら、雪女くん」
「後半、俺を出してください」
「!」
「正義の鉄拳が破られた今、俺のサクリファイトで乗り切るしか無いと、俺は思っています」
「・・・その通りよ。後半はDFで行きなさい」
「ありがとうございます、監督」
そう言ったあと、俺は士郎のもとに駆け寄り、
一度だけぎゅっと抱きしめた。
「(・・・きっと、俺がなんとかしてみせる!!)」
「(そうでないと、俺はこの世界に居る意味がないんだ・・・)」
そう思い、抱きしめる力を少し強めた。
そして、後半が始まろうとしたその時、
デザームがこう言い放った。
「ここまでで、お前たちに対する興味はなくなった」
「・・・!?」
「これからは、お前たちを潰しにかかる」
そして、後半開始のホイッスルが鳴り響いた。
そしてリカが攻め上がるが、
素早くデザームにボールを奪われてしまった。
そしてDF陣を軽く蹴散らし、ゴール前に上がっていく。
「グングニル!!」
そしてまたグングニルを撃たれたが、雪女が素早く円堂の前に出た。
「何?」
「雪女!?」
そしてサクリファイトの体制になり、
サクリファイトを発動した!
天使が現れ、美しい羽が雪女の背中から2枚生え、
勢いのついたボールが胸に当たる。
「ぐうっ・・・!!」
胸にボールが当たった瞬間、雪女は苦しそうな顔をした。
「雪女!無茶するな!!」
「すまねぇな守、俺にはこのボールを止める力は残ってねぇ・・・」
「雪女!」
「だけど、お前が止めやすいように少しだけだが、弱めることは出来る!」
「!!」
「絶対に・・・止めろよ・・・!!」
そう雪女が叫んだ瞬間、
雪女は吹き飛ばされ、地面に背中から落ちた。
だが誰も知らないだろう。
叫んだ瞬間、雪女の体から
白いオーラが本当にわずかに出たのを。
「雪女・・・すまない!!」
その瞬間、円堂は吹っ切れたのか
目をカッと見開き、正義の鉄拳の体制になり、そして・・・
「正義の鉄拳!!」
その瞬間、パワーアップした正義の鉄拳が成功し、
グングニルを見事に止めた!
「何!?パワーアップしただと!?」
「守!!」
「雪女!!ありがとな!おかげで分かった!!」
「あぁ!」
「たとえ技がパワーアップしようと、我らから点を取らねば、お前に勝ち目は無い・・・!!」
「それはどうっスかねぇ?」
その瞬間、聞きなれた声が響いた。
「「「!?」」」
「狐狸!?」
声の主は狐狸だった。
しかも横に、オレンジ色のパーカーを着て、フードをかぶった少年を連れて。
「狐狸、なんでこんなところに!?」
「雪女さん、円堂さん、遅れてすまないっス!!」
「遅れ・・・?」
「雪女さん達が探してた炎のストライカーを、連れてきたっスよ!」
そう言うと、狐狸は少年に目くばせした。
すると、少年はフードを取る。
その少年は・・・豪炎寺だった。
「豪炎寺!!」
みんなの顔にわずかだか、笑顔が戻った。
「狐狸、どうして・・・!?」
「妖狐をなめてもらっちゃ、困るっス。わずかな記憶を頼りに、なんとか探し出したんスよ!」
そう言うと、狐狸は鼻を軽くこすった。
「待たせたな、円堂!!」
「いつもお前は遅いんだよ、豪炎寺!」
「豪炎寺!」
「豪炎寺!!」
「豪炎寺さんが・・・豪炎寺さんが・・・帰って来たっスーーー!!!」
「監督!」
「・・・10番、豪炎寺修也と目金欠流、選手交代!」
そう瞳子が言った瞬間、みんなが少し笑顔になった。
「豪炎寺!」
「雪女・・・」
「遅かったな」
「・・・あぁ。」
そして豪炎寺を交え、試合が再開した。
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