ひび割れの音は確実に
次の日。
今日は、みんなで特訓をしていた。
守がようやく「正義の鉄拳」をマスターしたため、
なんとなくチームの中に安心感みたいな空気が流れていた。
「・・・にしても、今日も暑いよな」
「さすが沖縄よね。」
「さっきキーホルダーの温度計見たら、30度近くあったぜ!」
「言うなよなー、さらに暑くなるだろ・・・」
そんな話を土門と秋ちゃんとしていると・・・
ヒュゥゥゥ・・・・ドォオオン!!!
「「「!?」」」
「黒い・・・ボール・・・!?」
空から黒いボールが降ってきてきた。
そして・・・デザームたちが現れた。
みんなが驚いて声も出ない中、
デザームがこう言った。
「我々はパワーアップし、イプシロン改となった。」
「イプシロン・・・改?」
「我々は雷門に勝負を挑む!」
「なっ・・・!?」
「・・・ジェネシスの命令か!」
「命令ではない。デザーム様、そして我々イプシロン改の意志だ」
「・・・もう一度、楽しみたいのだ」
「「「!?」」」
「実力同士がぶつかり合うギリギリのあの緊張感を!高揚感を・・・」
「・・・」
「あの気持ちを抱きながら、お前たち雷門を倒す!!・・・これ以上の理由があると思うか・・・?」
「そんなお前らの都合だけで戦えるかよ!」
「断れば、この周辺の学校を1つ2つ壊すだけだ」
ゼルがそう言い放ったので、試合に応じるしかなかった・・・。
「(このチームに勝てなければ、ジェネシスも倒せないってことかよ・・・!!)」
「(くそっ、冗談が過ぎるぜ・・・!!)」
《雪女》
「兄ちゃん・・・?」
《大丈夫、なのか?》
「・・・大丈夫じゃ、ねーかもな」
《雪女、入れ替わろう》
「それは無しだって、前から言ってんだろ・・・」
《雪女、それは自分の顔を見てから言え。》
「・・・自分の、顔・・・」
そう言われて、雪女は持っていた
猫型のコンパクトで自分の顔を見た。
鏡の中の雪女は、まるで別人のような顔をしていた。
生気のあまり感じられない、病的に白い肌。
魂でも抜けたような顔。
「・・・俺、どうしたんだろう」
《考えすぎなんだよ、自分で全部しょい込んで》
「・・・」
《お前の心の中当ててやろうか?「俺と兄ちゃんが入れ替わったら、兄ちゃんが余計罰を受けてしまうかもしれない・・・」だろ?》
「な、んで」
《俺を何だと思ってんだ。お前の兄貴だぞ?・・・もう死んでるけど》
「・・・そうだよ!俺のせいで兄ちゃんを苦しめるわけにはいかないんだ!」
《お前は小さいころから変わってねーな》
「ッ・・・」
《心配すんな。俺は“あいつ”を連れ戻したら天界に戻る》
「あいつ・・・?」
《それに、俺が罰に耐えたらいい話だ。》
「でも、兄ちゃん・・・」
《心の崩れかけてるお前を、放っては置けないんだ》
「え?」
《・・・何でもない。》
「そうか・・・」
《雪女、少しだけお前は眠ってろ。》
「眠ってて、いいのか?」
《あぁ。この時だけでいい。》
《心配事も、わだかまりも・・・何もかも忘れて眠れ・・・》
《眠っている間に、俺がなんとかしてやる。》
「すまねぇ・・・兄ちゃん・・・」
そう言うと、雪女は糸が切れたように
地面に倒れこんだ。
そして、その数秒後に起き上がった雪女は、彰人の顔になっていた。
その時。
「ガードボーイ!」
「ん?」
柚流が円堂に声をかけた。
「貴方たちが良ければだけど・・・条介とミーを試合に混ぜて欲しいの」
「えっ!?」
「エイリア学園なんかに、大きい顔させられないから、ミー達が力を貸すわ!」
柚流がそう言うと、瞳子がこう言った。
「・・・いいわ。あなたたちの才能を見込んで、イナズマキャラバンに誘おうと思っていたの」
「「そう来なきゃ!」」
そして二人はユニフォームに着替えた。
「よろしくな、綱海、柚流!」
「ああ!」
「こちらこそよろしくね!」
「いいかみんな!今日こそあいつらと決着をつけるんだ!!」
「「「おーーーっ!!」」」
そして、
試合開始の合図のホイッスルが鳴った。
試合早々、イプシロン改は素早く攻め上がる!
「通さへん!」
そこにリカが立ちふさがった。
しかし、リカを軽く避けてどんどん攻め上がる。
塔子と一ノ瀬もボールを奪おうとするが、
メトロンのメテオシャワーではじかれた。
そしてボールはマキュアに渡る。
「嬢ちゃん、前の試合で懲りなかったのか?」
マキュアの前に彰人が立ちふさがったが、
マキュアはパスを回してやり過ごした。
「パスだと!?正々堂々とやりやがれ!」
「ふんっ」
「落ち着けよ綱海!」
「あ、あぁ・・・」
そしてそのまま、ゼル、マキュア、メトロンはゴール前に上がり、
ガイアブレイクを放った!
「今です、円堂さん!」
「いくぜ・・・じいちゃん!究極奥義!!」
「正義の鉄拳!!!」
そして正義の鉄拳が成功し、
ガイアブレイクをはじき飛ばした!
「なっ・・・!?」
それを見ている立向居を見て、
彰人は声をかけた。
「気にすんな、誰でも一度は通る道だ」
「・・・えっ?」
立向居の問いに答えず、
彰人は自分のポジションに戻って行った。
そして、試合再開。
「円堂に負けちゃいられねーぞ!」
「ああ!」
ここぞとばかりに、土門や一ノ瀬や小暮が守る!
そして、リカがローズスプラッシュを撃ったが、
デザームのワームホールで止められてしまった。
その時、彰人と吹雪を指さして
デザームが叫んだ。
「・・・お前たちだ!お前たちが撃ってこい!!」
「「!?」」
そしてデザームは、彰人に向けてボールを投げた。
彰人はそれを足で止める。
「吹雪、雪女、気にするな!お前たちは自分のプレーをすればいいんだ!」
鬼道がそう言うと、彰人は少し気味の悪い笑いを浮かべ、こう言った。
「・・・俺は、売られた喧嘩は買うタチなんだよなぁ・・・」
そう言って、軽く舌舐めずりをすると、
ゴールに向かって走り出した。
「待て、雪女!!(様子がおかしい・・!?)」
「そんなに撃ってきてほしいなら、やってやるよ!」
そして、彰人はアイスバードの体制になった。
とたんに冷たい風が、彰人の周りに吹き荒れる。
「アイスバード改!!」
ボールを蹴ると同時に、
彰人の後ろから氷で出来た鳥が飛び立ち、
ボールをくわえてゴールへ一直線に!!
止めようとしたDFを弾き飛ばし、
ゴールへ飛び込もうとしたその瞬間。
「ワームホール!!」
ボールと鳥は吸い込まれ、
鳥は消えて、ボールはデザームの横に落ちた。
「な・・・!?」
「・・・少しは威力が上がっているが、この程度か」
そう言った瞬間、彰人は糸が切れたように
その場に座り込んだ。
「あ・・・」
「大丈夫か!?」
土門が近寄り、座り込んだ彰人に手を差し伸べる。
「・・・立てるか?」
「あぁ・・・」
彰人は土門に立たせてもらい、
少しふらつきながら自分のポジションに戻った。
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