だから、思い出せ


「何・・!?」
「見ろ、あの無様な姿を。もうあきらめろ!」
「・・・いや、まだあきらめない!!」
「!?」
「ゴールは俺が守る!!」

そして、立向居と円堂が入れ替わった。

「もう1点も入れさせない!何があっても!!」
「・・・守、その心意気に乗って、俺も・・・もうひと踏ん張りしてやるよ!」
「雪女・・・」

「俺はお前たちと勝負したかったんだ。キーパーの円堂と、DFの雪女と!!」
「「望むところだ!!」」

そして風丸がシュートを撃った!

「うおおおおおっ!!!」

すかさず雪女が足で受け止めるが、
威力に負けて跳ね飛ばされた。
しかしそれでわずかに威力が落ち、
円堂がなんとか受け止める。

「大丈夫か、雪女!!」
「あぁ、少し効いた、がな・・・」
「・・・風丸!なんでエイリア石なんかに手を出したんだ!」
「エイリア石なんかに取りつかれた奴の、末路を見たはずだろ!?」

「・・・俺は強くなりたかった。お前たちのように!」

「俺たちの・・・」
「・・・ように?」

そう言うと、守は黙り込んで、
風丸にボールを投げた。
その瞬間、雪女がこう叫んだ。

「甘ったれんな!!」
「!?」
「エイリア石で得た偽りの力なんて、強さに入るか!甘えてんじゃねえ!!」
「お前に、何が分かる!!」
「分かるさ!俺だって、兄ちゃんがうらやましかった!兄ちゃんみたいに強くなりたいと思った!」
「雪女・・・」
「だけど、それじゃ駄目だったんだ!!」
「黙れ、黙れ黙れ、黙れーーーーッ!!!」

その瞬間、強力なシュートが雪女の腹に直撃する。

「がは・・・っ」
「雪女!」

そして、雪女は地面に膝をついた。

「・・・いいぜ、気ィ済むまで蹴りやがれ。」
「!」
「いくらでも相手してやるぜ!」

「「お前の全てを受け止める!!」」

僅かにする吐き気を押さえながら、
俺は風丸にボールを渡した。

そして俺たちは、何度もシュートを受け続けた。

「う・・・」
「・・・」

しかし俺達にも限界というものはある。
ついには、守と俺は地面に倒れこんでしまった。

薄れ行く意識をとどめるのに必死で、体が動かせない。

・・・体が、痛い・・・


「立ちなさい!!みんな、立ち上がるのよ!」


夏未嬢の声が聞こえる・・・













雪姫、ばあちゃん・・・


今、この時だけでいいから・・・




俺に、もう一度力を貸してくれ・・・





その瞬間。

「雷門!雷門!」

秋ちゃんの応援の声が聞こえてきた。

そのうち、夏未嬢やリカの声、
外で見ていたギャラリーの声も混ざって、
大きな声になっていった。


「・・・!」


その声に押されるように、
一人、また一人と立ち上がって行く。

ほとんどのメンバーが立ち上がり、
これで立ち上がっていないのは俺達だけになった。

「円堂!」
「キャプテン!」
「雪女!」
「雪女先輩!」

「う・・・」
「・・・ん・・・」

その声で、遠ざかった意識が
一気にもとに戻る。

気のせいか、体の痛みも引いた気がした。

そして俺達も、ゆっくりとだが立ち上がった!


「まだ、まだッ・・・!!」
「終わって、ねーぞ・・・!」


「うあああああーーーっ!!」

そして風丸は、感情のままにダークフェニックスを撃った!

「ゴッドハンド!!」

ゴッドハンドで受け止めるが、威力が強すぎて、
円堂は徐々に徐々に後ずさりする。


「(最後の一回は、ここで使うべきだ!!)」


直観的にそう思い、俺は走り出した!

「助太刀、するぜ!」
「雪女!」

雪女は素早く円堂の後ろに回り、そして。

「サクリファイト!!」

背中から純白の美しい羽が生える。
しかし、いつもとは違う。

白いオーラが雪女の背中からにじみ出し、
円堂と雪女を包み込んだ。

「!?」
「これは、カオスの時の・・・」

そう言うと、雪女は目を閉じ、
円堂の背中に置いた手の力を強めた。

すると、そのオーラはじわじわと広がり、
円堂の指先から髪の先端、雪女の背中の羽の先端まで広がっていく。

「お前たちのつらい思いも、悲しみも受け止めるから!」



「「だから、思い出せーーーッ!!」」


そう言った瞬間、雪女の背中の羽が
バサッ、と大きく羽ばたいた。
背中のオーラが、4枚の羽を形どっているようで、
まるで雪女の背中に6枚の羽がついているようだ。

そしてまぶしく光を放ち、その光が収まると・・・


円堂の手には、しっかりとボールが受け止められていた。


「みんな、思い出せ!!」


円堂がボールを掲げると、ボールから緑色の光があふれ、
その光に当たると、エイリア石は砕けていく。

カゲトのも、染岡のも、宍戸のも、柚流のも、

もちろん、風丸のも。


「・・・円堂。」


その瞬間、今まで曇っていた空から、
太陽の光が降り注いだ。



そしてそれとほぼ同時に、
俺達二人は地面に倒れこんだ。


- 175 -

*前次#


ページ:





[ top ]

[ 表紙に戻る ]



ALICE+