Only the gentle are ever really strong.
(優しさこそ、本当の強さだ。)
操子さんが敵連合に最初からいた理由
――関覚 操子(かんかく あやこ)。
元・個性対応服飾デザイナー兼縫製士。
雄英サポート科服飾コースを首席で卒業した実績(実は相澤のひとつ上の先輩)がある彼女がなぜ今、ヴィランとして活動し
現在、死柄木弔率いる敵連合にいるのかというと·····
卒業後勤めたブラックのアパレルメーカーにてひどいパワハラや虐めを受け、
限界を迎えた際に自分を虐めてきた社員を全員個性で自殺させ集団自殺事件を起こす。
とっくのとうに終電など無くなった深夜のオフィスに、蛍光灯の白い光とミシンの音だけが響いている。
カタカタカタカタ·····
机の上には大量の服。
貼られた付箋には、修正依頼・再提出・クレーム・追加発注、などなど·····
操子は何も言わず縫い続けている。
上司
「まだ終わってないの?」
操子
「·····」
上司
「雄英卒なんだからこのくらいできるでしょ」
操子
「·····」
上司
「雄英卒のくせに仕事遅いよね」
――その瞬間。
チク
まち針が指に刺さり、血が一滴布に落ちる。
この布はもう使えないだろう。
操子
「·····」
操子
「もう」
操子
「いいわ」
スっと立ち上がるその瞬間、個性が漏れる。
操子の個性は、感覚操作。
近くの社員が「·····?」となっている次の瞬間、
フロア内に響き渡る悲鳴。
社員
「痛い痛い痛い痛い!!」
別の社員
「息が!!息が出来ない!!」
別の社員
「頭が!!頭が!!」
操子はただ歩く。
コツ
コツ
コツ
通り過ぎるだけで
社員が崩れ落ちる。呼吸できなくなる。激痛でのたうつ。
オフィスがさながら地獄になった。
操子
「·····静かにして」
「頭が痛いの」
誰かが「止めろ!!」と叫ぶ。
「警察!!」
「ヒーロー呼べ!!」
操子
「·····」
「雄英卒のくせに」
「雄英卒なのに」
「雄英卒なんだから」
操子
「そんなに雄英が好きなら」
「雄英に頼めばいいじゃない」
そして、オフィス内の全員が崩れる。
このあとニュースで「集団自殺」みたいな扱いになったりするが、操子本人は「·····仕事辞めよ」くらいのテンションで帰る。
·····その後ヴィランになり、表立って自分の個性に合った服を作りづらいヴィランに対して体形・個性に合ったオーダーメイドの服や、異形個性・特殊体型・個性耐性服を作ることで生計を立てていたのである。
その服作りの腕や雄英出身者であること、
“壊れてもなお人に合わせる技術を捨ててないこと”がオール・フォー・ワンの目に留まり、
敵連合の裏方兼、衣装係として敵連合に身を置くことになる。
操子
「オールマイトと戦う日があれば、どうぞご用命を」
「貴方という悪のカリスマに相応しいオートクチュールのスーツをお仕立てしますわ」
AFO
「·····気に入った」
操子
「·····逃げ回るの面倒だったから助かったわ·····」
倫理はヴィランになるときに雄英卒の名誉と共に投げ捨てたけど、世話焼きな性格と雄英で培われた技術と服飾の才能は残ってるので
それをフル活用して今日も敵連合のみんなの面倒を見ている、苦労人お姉さん。
なお林間合宿では敵連合の人員が増えて胃を痛めることが多くなった。
操子「若いころにブラックのアパレルメーカーで毎日デスマーチしてる頃の方がマシだった·····」
·····がんばれ操子さん、黒霧が胃薬を持ってきてくれたぞ。
操子
「·····なんで私、またブラック企業にいるの?」
黒霧
「偶然ですね」
操子
「私一人っ子だったし、独身で子供もいないはずなんだけど!?」
黒霧
「そうですね」
操子
「なんで私こんな子育てしてるの?」
黒霧
「私も似たようなものです」
·····頑張れ操子さん。
なお操子さん、相澤達のひとつ上の先輩なので
白雲の脳無である黒霧と(苦労人気質なこともあり)なぜか気が合う。
ほとんど会話したことないのにね。
黒霧
「お茶をどうぞ」
操子
「ありがとう」
(少し沈黙)
操子
「·····前から思ってたけど」
「なんかあなた、懐かしい感じがするのよね」
黒霧
「そうですか?」
操子
「雄英にいた誰かに似てる気がする」
黒霧
「·····光栄です」
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Immature love says: “I love you because I need you.”
(未熟な愛は言う、「愛してるよ、君が必要だから」と。)
Mature love says: “I need you because I love you.”
(成熟した愛は言う、「君が必要だよ、愛してるから」と。)
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