火のついた導火線

———体育祭まで、あと一週間を切ったころ。


琉音はマシュマロの訓練と同時に、先日発見した炎の使い方を何とかものにしようと模索していた。


今ではマシュマロをほとんど焦がしていた最初期より炎の制御ができるようになってきたのか、うまく焼ける数が少しずつ増えてきていた。


琉音
「·····体育祭まで、一週間·····」


琉音は焼いたマシュマロをつまみながら、少し休憩をしていた。


琉音
「·····ん、おいしい」


ほんのり焦げ目のついた表面は香ばしく、中はとろりと柔らかい。
数日前までは、こうして普通に食べられるものを一つ作るだけでも一苦労だった。

———今では、十個マシュマロを焼けば三分の一は綺麗なきつね色になる。

·····残りの三分の二は、言わずもがなだが。



炎を灯す。

一定の大きさに保つ。

必要に応じて、少しだけ強くする。


———そして、自分の意思で消す。


少しずつ、本当に少しずつではあるが·····琉音は確実に、炎を自分のものにしつつあった。

·····もちろん、まだ完璧とは言えない。

少しでも集中が乱れれば火は消えるし、焦れば途端に燃えて熱を持つ。

それでも———少なくとも、あの日のように炎に振り回されるだけではなくなっていた。



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