幸せを噛み締める

「(·····あぁ、綺麗だ)」


狐のしっぽと耳を揺らして、フォクシーがダンスの練習をしているのをロディはずっと見ていた。

フォクシーの狐耳についているピアスやブレスレットが触れ合い、フォクシーのステップに合わせてシャラシャラと鈴のような音色を奏でる。その光景はとても幻想的で、いつまでも見ていたいと思ってしまうほどだった。


「·····ロディ?そんなに私を見つめてどうしたの?」


いつの間にか練習を終えていたフォクシーに声をかけられて、ロディはビクッと身体を震わせる。


「あー·····なんだ、お前のダンスが上手くなったなって思ってさ」

「ふふっ、そうでしょ!新しいステップを覚えたから次のステージはもっと盛り上げてみせるわ!」


得意げな表情を浮かべるフォクシーを見て、ロディも自然と笑みがこぼれた。
そのままロディはタオルで汗を拭くフォクシーに近づいて、彼女の肩に手を置いた。


「ん?何よロディ?」

「·····なぁ、フォクシー」


不思議そうな顔を浮かべているフォクシーに、ロディはそのまま顔を近づけていく。
そして唇を重ねようとした瞬間、フォクシーの手が伸びてきて彼の口を塞いだ。


「·····ちょっと待った」

「むぐっ!?」


突然の行動に驚いたロディだったが、フォクシーはすぐに手を離すと恥ずかしそうに頬を赤く染めながら言った。


「い·····いきなりキスしようとしないでよ、びっくりするじゃない」

「はは、すまねぇ·····でもお前が可愛すぎるのが悪いんだぜ」

「ふふっ·····人のせいにしないの」


そう言うと、フォクシーは呆れたように笑う。
それにムッとしたロディは、「俺の嫁さんにキスしたいって思うことは悪いことなのかよ?」と言う。
·····するとフォクシーはキョトンとして、それからクスリと笑ってこう返した。


「そうねぇ·····悪くはないわ。じゃあ私も·····私の旦那さんにキスしようかしら」


そう言って今度はフォクシーの方からロディに近づくと、優しく口づけをする。
フォクシーからの優しいキスを受けて、ロディは幸せそうな笑顔を浮かべた。


「·····フォクシー、愛してるぜ」

「えぇ、私もロディの事を愛してるわ」


2人は見つめ合うと再び口づけを交わして、互いに抱きしめ合った。

ロディの耳にシャラ、とフォクシーのピアスが揺れる音が聞こえてくる。

·····その音ははまるで、2人を祝福しているかのように思えた。


「(あぁ·····俺は幸せ者だな·····)」


愛する人と、愛する家族と一緒にいるだけでこんなにも幸せな気持ちになれるんだと思うと、ロディは改めて自分の幸運に感謝した。
·····そんな事を考えながら、ロディは再びフォクシーの身体を強く抱き締める。それに気づいたフォクシーもまた、強く彼を抱きしめ返すのだった。


――――――――――
ロディフォクはどうしてもらぶいちゃになってしまう·····
だがそれがいい·····!!!

20220315

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