比翼連理の如く

「·····荼毘は比翼連理って知ってる?」


あおぎが唐突に言ったその言葉に、あおぎの膝枕に収まっていた荼毘は面倒くさそうに答える。


「あー·····確か、仲のいい夫婦を指す言葉だろ?それがどうかしたかよ」

「片方の目と羽しかなくて、寄り添わないと飛べない鳥·····元は別の木だけど、絡み合ってくっついた木·····なんだか、私達みたいだなって思ってね」


あおぎはそう言うと、つぅ、と荼毘の頬に指を滑らせて微笑む。
かち、と荼毘の頬にある金具とあおぎの爪が軽く触れる音に、荼毘もまた表情を綻ばせた。


「·····お前は俺が居ないと生きていけねぇんだもんな?」


その手を掴んで指を絡ませ、ニヤッと笑った荼毘がそう言えば、あおぎもまた口元に笑みを浮かべてこう返す。


「そうねぇ·····だって荼毘も私がいないと生きていけないでしょう?」


その言葉に、荼毘は「はっ」と鼻で笑って返す。

お互い、依存しあって生きているこの二人は確かに、比翼連理と呼べるものだろう。

·····お互いの体に、お互いの心に、お互いの愛情に。
どちらかが欠けては生きられないほどに依存している二人にとっては、その言葉すら2人を表すには程遠いものなのだろうが。


「·····まぁ、それも悪くはねえけどな」


あおぎの膝の上で眠そうにする荼毘が小さく呟いたそんな言葉を、あおぎは聞き逃さなかった。

思わず荼毘を見つめれば、荼毘はチラッとそれに気づいて目を開けると、「なんだよ」と言いたげにあおぎを睨めつける。
すると、あおぎは嬉しそうな顔で笑いながらこう口にした。


「ふふっ·····ならどちらかが死ぬまで一緒にいてあげるわ」

「縁起でもねえこと言うんじゃねぇ」

「あははっ!ごめんなさいねぇ!」


ムスッとした顔をする荼毘を見てまた笑うあおぎだったが、荼毘は急に体を起こしてあおぎの顔を掴むと、思いきりキスをする。
急な事に驚いているあおぎをそのまま押し倒して、唇を離してからあおぎの首筋に手を当てた。


「俺の知らねぇところで死ぬなんて許さねぇからな」

「ふふっ·····もちろん、わかってるわよ·····それに私が死ぬ時は、私が荼毘に惚れたきっかけのあなたの青い炎で、って決めてるの。」


熱っぽく囁きかける荼毘に対し、あおぎは穏やかにそう答えてから両手を広げる。
それを見た荼毘はどこか満足気に笑ったあと、あおぎに覆いかぶさってもう一度深い口付けを交わした。

·····ちなみにその後あおぎが荼毘に「私が死んだらどうしたいの?」と聞いたところ、
荼毘は「お前の死体は誰にも渡すつもりはねぇから、俺の個性で塵も残さず焼いてやる」と返した。

その答えを聞いたあおぎは嬉しそうにニコッと笑うと、腕を伸ばして荼毘を抱き寄せて言う。


「·····それって凄く素敵!一つだけ悲しいのは、それを死んでる私が見られないって所かしら!」


キラキラと輝く瞳で告げられたそんな言葉に、荼毘は呆れながらも優しく微笑んで、あおぎの頭を撫でる。
そしてあおぎと二人で微睡みの中にゆっくりと沈む中、荼毘はボソッと呟いた。


「安心しろよ、例え死んだとしてもお前はずっと俺の物だ」

「それは嬉しいわね·····じゃあ私、荼毘に愛されてるって事でいいの?」

「·····じゃなかったらこんな事言わねぇよ」


そう言ってそっぽ向いた荼毘に対してあおぎはくすりと小さく笑うと、荼毘の背中へと手を回して抱き締める。

·····この2人きりの空間では、2人はいつまでも幸せそうだった。




―――――――――――
こういうだびあおが好きです·····!!!!!
依存しまくって共依存になってる2人がほんとすこ!!!!
本誌見てから共依存させたい欲が強くなった·····ほんと困る·····でも楽しいからいいか·····

20220527

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