イケメンに助けてみた
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まだ声優のお仕事を始めたばかりで、最近アニメにもたくさん出させて頂けるようになった。
私はまだまだ未熟で、慣れてきたと思っていたこのお仕事だったけれど、失敗を重ねて監督にも共演者の皆さんにも迷惑をかけてしまう。

「申し訳ありませんでした…!!」

頭を下げて謝るけど、嫌な顔をする人も多い。でも、そんな顔をさせているのは誰よりも私のせいなためそんな事も言ってられない。一度監督が休憩を言い渡し、皆さん思い思い散らばっていく。

「晃、俺トイレ行くからこれ持っててもらえる?」

「あ、はい。了解です」

そう言って、先輩の男性声優が収録部屋を出て行く。中に残されたのは私と黒沢さんの二人だけ。
黒沢さんは謝った時もそんな嫌な顔を見せずに大丈夫だと言って肩を叩いてくれて、それで幾分か心も落ち着いていた。

「あの、黒沢さん」

「ん?」

「先ほどはご迷惑をおかけしました」

「いや、別にそんな気にすることじゃねーって」

黒沢さんは台本を見ていた顔を上げて、私の目をじっと見つめる。

「まぁ隣座りなよ」

そう言ってぽんぽんと叩く黒沢さんお言葉に甘え、ソファーに座る。
泣きそうな顔でもしていたのだろうか、黒沢さんは私の方を見ずに前を向いて口を開いた。

「まぁなんつーかさ、新人ならこれが普通なんだって。雨宮ちゃん最近引っ張りだこだもんね、この仕事、慣れてきたって思ったでしょ?」

「…はい」

「まぁ普通の人間ならそう思うよ。慣れてきたって思った時が一番危ないんだってさ、人間って。俺もよく新人の頃は怒られてたからよーくわかる」

「黒沢さんが…?」

いつもスマートにこなすように見えていた黒沢さんのその言葉に、私は驚いた。


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