イケメンに助けてみた
[2/2]

「そうだよ、俺も新人の頃は怒られてた。ちなみに梶なんてメチャクチャ怒られたよ」

そう笑いながらいう黒沢さん。梶さんはよく黒沢さんと一緒にいて、大好きなんだなと新人の私でさえそう思うくらい梶さんの黒沢さん愛はすごい。

「そうやって失敗した時にさ、努力する人はもちろん成功すると思うけど、俺的にはね、こうやって先輩から助けてもらえるともっと成功できると思うのな」

黒沢さんはそう言うと台本を閉じて、私の顔を見つめながら笑う。

「なんか、救われた気がしない?俺は、先輩に救われたって思って、それに答えなきゃと思って、頑張って、んで、今こうやって仕事してるよ」

黒沢さんは本当に、後輩声優の間では優しくていい先輩で有名だ。いろんな人に好かれていて、先輩声優にも可愛がられている先輩。イケメンだという事でも有名で、確かに顔はかっこいいと思うけどどうしてこんなにも熱狂的なファンみたいに後輩に好かれているのか分かっていなかった。

けれど、今こうやっていると、なるほど、と思う。

黒沢さんが大好きな後輩声優はみんな、一度黒沢さんに救われたことがある人なんだ。

「だから、雨宮ちゃんも頑張れ。俺なんかでよかったらいつでも相談乗るし。助けてあげるし」

そう言ってウィンクをする黒沢さんは、まさしくヒーローだった。

「ありがとうございます、黒沢さん!!」

「いえいえ。収録、頑張ってな」

「はい!!」

私のヒーロー。そう言ってはおこがましいけれど、でも、黒沢さんに救われた私は密かに黒沢ファンの一員となった。


栞を挟む

* 前へ | 最後 #
2/2ページ

LIST/MAIN/HOME

© 2018 憂いにキエル。