ファン目線でのお話
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今日はついにマモのライブ…!!このために仕事もたくさん頑張って節約もしてグッズのお金をたんまりとコツコツ積み上げてきた。散財だ!!!!

武道館に向かう途中の坂道で、いろんな人がチケットの譲り先を見つけたりグッズの交換をせがんでいる。今回はトレーディングのキーホルダーにシークレットが入っている。私はもちろんそのシークレットをお目当てに、今から大量のお金を注ぎ込む。

一緒に行く予定だったオタク友達はまだきていないし、先に物販並んじゃおうと言うことで、1人オタク達の中に紛れ込んだ。

イヤフォンから流れるのはマモの曲。ああああ早くライブ始まんないかな。ニヤニヤしそうな顔を必死に下を向くことで隠して、やっとたどり着いたレジ。

「こんにちは!ご注文どうぞ!」

アルバイトなのだろう可愛い女の子がとても素敵な笑顔で私にいった。

「このアクキー、10個ください」

1人10個まで。それは重々承知の上で、上限まで買い占めた。あの子の笑顔が固まったのは少し笑ってしまった。

さて、友達が来るまでに開封式をやってみようではないか。
武道館の近くにある喫茶店に入り、私は1人アイスコーヒーを飲みながらキーホルダーの袋を開けていった。
トレーディング特有の銀の包装をベリベリとめくり一つずつ出していく。

8個目を出していったところで友達から連絡が。今どこにいる?その返信に、近くの喫茶店の名前を指して、コーヒーに手を伸ばした。

とりあえず友達が来るまで後の二個は置いておこう。

「おーい!」
「お、やっほー」

ふー、と周りの人達を眺めていれば友達がお店に入ってきて手を振った。それに振り返して、荷物を退ける。他の人たちも同じようにグッズを眺めたりマモのお話をしたりしていて、私はこういうライブ前のお店とかが結構好きだったりする。

「今八個開け終わった」

机に並べてあるマモのアクキー達。途中で友達も買ってきたようで、彼女は鞄の中から同じくアクキー10個を取り出した。それを見て、私は財布の中からお金を出す。

「さんきゅー」
「はいよー1人10個までだしね」

私の最上の推しはマモ。この子の最上の推しはあっきー。お互いライブでは助け合ってきている大事な戦友なのだ。

「じゃあ開けていきます!」
「はーい」

友達が店員さんにコーヒーを頼んだのをチラ見して、いざ私は未知なる袋を開けていく。

19個開けた段階で、シークレット含む全10種類のうち9種類は出てきた。我ながら驚異的な運の良さだ。

「このマモめちゃ可愛いじゃん」
「やばいよね?7番やばい」

語彙力がもはやない。

マモの姿が象られた小さいアクキー。モデルのようなポーズから可愛いポーズ、さらには雅になってるマモまで。いろんなものが机に並べられたそれを上からほぅ…っと見つめた。

「雅守がシークレットかなと思ったけど違うんだね」
「ね、私もそう思ってた」

さて、残りはひとつ。

もはやどっちが買ってきたのかもわからないそれに手を伸ばして、ゴクリと唾を飲み込んだ。
あー緊張する。


「シークレット、シークレット!」
「シークレットこい!!」

2人で謎の言葉を掛け合いながらその袋を開ける。
中から出てきた裏の姿は、今までのどれとも違う形で、もしかしてシークレットでは?と思ったのも束の間。

そのアクキーをゆっくりと表に返すと、そこにいたのはマモではなかった。





「!!!!!?!?!!??」




友達が口を両手で覆いながら椅子をガタリと鳴らす。周りもうるさいし、それぐらいでは誰も見たりはしないけれど、まぁ落ち着けと言った。落ち着けないのも無理はないけど。


「なんで……???なんで………あっきー…………」


まるであっきーがアクキーにされてしまったかのような悲しい声。
どんな反応だよそれ、と笑いながらも私はそのシークレットを友達に渡した。

「……え??くれるの?いいの??なんで??」
「推しじゃん。まさかマモのグッズで他の人出てくるとは思わなかったけど」
「ありがとう…え、なんで??」
「知るか」

マモのライブのグッズのシークレット部門でなぜあっきーが出たのか。
疑問符しか浮かばなかったからTwitterを開いてみた。マモ シークレット。そう検索すれば、画像は出してこないものの、シークレットに疑問を呈してる人が多い。だよね?画像は載せられないのわかる。なんであっきー????

その疑問が晴らされるのは、ライブが開始して1時間ほどが経った後だった。













「今からゲスト呼ぶから!ゲスト!」

マモのその言葉を聞いて、もしかして?と思った。隣で同じようにペンライトを握ってる友達が、私の腕をぎゅっと握る。いやわかる。シークレットを引き当てた私達にしかわからないその共感。全員ががざわざわとしたその会場に、
SUPER★SOULのイントロが流れた。
爽やかな曲調に、マモがのるように言葉を紡いだ。


「一緒に歌ってくれるゲストはーー!!」


いつもなら、レッツゴー!っていうところで、マモはその名前を叫びながら、その本人が、舞台の下から飛び上がるように出てきた。



「あっきーーーー!!!」




現れた本人に、隣の友達だけじゃない私も、そして観客全員が、今日1番の叫び声をあげた。


「ああああああああああ!!!!!」


いや、友達のそれは雄叫びだ。


「それじゃあっきー歌ってね!」

一緒に踊りながら、Aメロの最初に入る直前にマモがあっきーの肩をポンと叩いて、あっきーが前に出てくる。

「なんのため生まれ落ちここにいるんだろうtell me」

やばくない?やばくね?なんでマモのライブのグッズのシークレットがあっきーなのかわかった。

周りの客を眺めればまさかここであっきーに会えるとは思ってなかった人達が涙を流している。マモのファンにはあっきーファンも多いから、わかる。すごくわかる。


「「エンジン全開で生きてるかい」」


しかも2人ともめっちゃ歌うまいからハモりが綺麗すぎる。あんなにキビキビ踊りながらよく音ずれないな。サビに入れば乱れないその踊りも。やっぱり仲良しなんだなとわかる2人のアイコンタクトも、何もかもが2人のファンの見たかったそれで。

Cメロに入る前の長い間奏で、マモがあっきーの肩に腕を回した。

「あっきーへの歓声が俺の時よりもすごい気がするんだけど!?」
「俺もそれ思った!」

その言葉にさらに観客のボルテージがマックス。全員がジャンプしながら叫んだ。友達の声がついに枯れたようだ。もう聞こえなくなったそれに、私は若干引きながら彼女を見た。

彼女は涙をボロボロこぼしながら首に回してるタオルで頬を拭っていた。なんだそれ、かっこいい。


最後はお互いにマイクを向け合いながら歌っていた。マモより少し背の低いあっきーが、マモを少し上目がちに見上げていたのが良かったのか、その時の歓声と言ったら……。是非これらDVDに入れてください。

最後にあっきーは一つウインクをこぼして、観客全員の声を奪って、そのステージから去っていった。

「あっきーありがとう!!」

マモの言葉に合わせるように、全員がその言葉を口にした。

「「「あっきーありがとううううう!!!!」」」

やっぱり好きだわぁ。その言葉が友達の方から聞こえた。かすっかすの小さい声。だけどそれは、戦った結晶なんだよな、うん。



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