ファン目線でのお話
[4/6]
毎週火曜日恒例の、朝早起きからのめざましテレビをつける通例儀式。
画面に映る梶くんの顔を眺めながら、私は早めの朝食をとっていた。
「それでは次に、ブックランキングの発表です。梶きゅん、お願いします」
司会の軽部さんの言葉が流れた時、私はコーヒーを飲む手を止めて、机の上に前のめりになった。画面に現れたランキング。一位のところははてなマークで覆い尽くされていた。
「それでは、1位の発表です。1位をとったのは!」
梶くんの明るい声がテレビから聞こえる。この瞬間、私の世界は少しゆっくりとスローモーションのように動き、そして、そのはてなマークから名前が現れた。
「1位は、黒沢晃さん5th写真集、pride.です。声優をしている黒沢さんの、5冊目となる写真集が、ついに一位を獲得。発売から1ヶ月と経たずに怒涛のように売れ、既に重版も確定しているこちらの写真集ですが、売り上げ部数も一位を獲得しました!」
「梶きゅんも、同じ声優として、黒沢さんの事はご存知で?」
軽部さん、お前知らねーのか梶くんとあっきーは切っても切れない固い絆で結ばれてんだよ。
思わずテレビに向かって切れそうになったのを抑え、私は携帯を握りしめた。すぐさまTwitterで、大騒ぎしたい気持ちもあったけれど、今はこの生放送で行われてる番組での、梶くんの率直な感想を聞きたかったからだ。
梶くんは軽部さんをちらりと見た後に、満面の笑みをカメラに向けた。
「晃さんとは僕がデビューした時からの仲で、いつもお世話になっている大尊敬している先輩です。晃さーーーん!!一位獲得おめでとうございますーーー!!」
その一言が聞きたかった!!!!!
私は机に突っ伏して、肩を震わせて泣き咽ぶ。そうだよ、私達ファンはあんたらのそれを見たかったんだ。
さしてテレビは次のニュースに移動する。もっとあっきーのこと言ってもいいんだよ?とは思うけど、そうとも言ってられない。私はすぐさまTwitterを開き、TLを確認した。
すでにあっきーにリプを送ってるフォロワーの子もいる。それを眺めて、私もあっきーのTwitterのホーム画面に行き、なんて書こうかと悩んだ。
まだあっきーはTwitterに反応していなかった。夜になったら何かしら言ってくれるだろう。
@あっきー、写真集一位獲得おめでとう!1ファンとしてとても嬉しいです。あっきーの願いが通じて、本当に良かった…!
書いた文を何度も読み返して、ツイートボタンを送る。見てくれるかどうかなんて分からないけど、それでも、この気持ちは伝えておきたかった。
壁に飾ってある写真集を見上げる。友達が家に来るたびに、神棚かよと突っ込まれるそれは、やはりある意味では神棚のようだった。
その日の夜、あっきーがついに写真集のことについて触れた。すぐさまリツイートされていくそのツイートは、同じ声優仲間たちにもリツイートされていき、ある意味お祭り騒ぎとなったのだ。
* 前へ | 次へ #
4/6ページ
LIST/MAIN/HOME