異質と違失の境界線上で
それは暑苦しくなる夏のある日、緊急要請が出されて現場に向かっていた頃
煩いやつが呼んできた
「へい!イレイザー!乗れ!!」
乗れとバイクを走らせようとエンジンを吹かせている
同期のプレゼント・マイクこと山田ひざしが俺の名前を呼んだ
と、言ってもヒーロー名だがな。
「嗚呼、ありがとよ」
マイク「礼にはおよばねーぜ!!
走って行ってもちけーけどこっちの方が
早い!飛ばすぞー!!レッツ!」
GOoooooo!!!!
と言いながら煩い大きな声で叫ぶマイクを放っておいて
教師として勤めている雄英高校から飛び出したプロヒーロー
俺の名前は相澤消太
雄英高校二年生のプロヒーローになる
金の卵の育成をしている教師だ
第一章第一話:異質と違失の境界線上で
マイク「お、塚内刑事じゃねーか」
相澤「ご無沙汰しております。塚内さん」
塚内「嗚呼、マイク君に相澤君!
よかった、実は今目の前にいる子を説得してほしいんだけど」
そう警察が何人か見ている中奥の草むらの中に居たのは
相澤「・・・子供?」
マイク「一体どういうことだ?」
塚内「それが僕にもよくわからなくてね、
何も喋ってくれないし僕もついさっき来たばかりで」
何度もの事件を解決している塚内刑事でさえも
骨が折れている状態らしく、今の状態がかれこれ
一時間も立っているらしい
近寄ろうとすると怒って威嚇するような顔をして
かみつこうとするらしい。全くどこの野犬だ。
そう半信半疑のまま近づこうとした、が
『ぐぐぐぐ・・・・』
相澤「(成程、確かに威嚇している)」
それ処か警戒をフルに使い、自身を守らんばかりに
身体を固く、誰にも触れさせまいと
過剰に反応出来る様に戦闘準備万端らしい。
然し、そのまま続けば幼い身体だ
すぐに意識は無になる。
マイク「へい、リスナー大人しくこっちにおいでー?」
『・・・・』
ぷいっとそっぽを向いた子はやせ細っていて
よく見ると目はぱっちりしていて女の子に見えた
真っ白なタオルケット一枚で丸まっている所
誰かに捨てられたのだろうか
それにしてはいささかおかしい点がいくつかあるが
問題はそっちではなくて、
これをどうやって納得させて警察に出すかの話だ。
相澤「塚内さん、この子の個性は?」
塚内「それが、全く分からなくてね・・・
恐らく無個性だと思うけど」
マイク「ウーム、俺に懐きそうにねーし今回は活躍出来そうにねーな」
そう困り顔のマイクに塚内はそうですか。
と少々困っていた
それに相澤はゆっくりと足を近づけた
マイク「ちょ、イレイザー!あぶねーって!」
相澤「大人が子供相手に何で危ないと言えるんだ。
・・・怯えているだけだろう。きっと、ほら」
そういって相澤はゴーグルを顔から外して首に垂らし
右手を少女の前に差し出す
思っていた通り少女は酷く怯えていた
大人が数人囲んでしかも一般人数名見に来ている
それに加えて人がまた増えてきたら威嚇もする。
成るべく優しくゆっくりと近づく
大丈夫だ、もう大丈夫だ。
そう言い聞かせながら言うと少女の顔がゆるんだ
相澤「(・・・お、来るか?)」
『・・・んー、ほ、んと?』
相澤「え?」
『だ、いじょ、ぶ、って、ほんと?』
かなり声の高いでもやわらかい声に
一度分からず聞き返してしまったが、
今度は意味が分かった
その言葉に嗚呼、と言って答えをやる
それと同時に頭を撫でてやると少し
眠たそうな顔で手を取る少女
相澤「もう、大丈夫だ」
『・・・うん』
それと同時に緊張が取れたのか少女が俺の身体にもたれかかってきた
そのまま優しく壊れない様にゆっくりと姫抱きにして保護をする
マイクには黙ってもらい、
そのまま今から病院についていくことになった
俺一人でいいと言ったんだが、
気になると言って聞かなかったし、
家の帰りはどうすると言われてしまい、
時間もなかったので仕方がなく承諾した。
+++
塚内「今日はもうこれで大丈夫です。
いやいや、君達二人に頼んでよかったよ。」
マイク「ソーリ―!俺は何にも出来なかったけどな!」
相澤「あの子、どうするつもりですか?」
病院に搬送してそのままガラス越しに眠っている
少女を見ながら相澤は喋る
真っ黒な髪の毛が胸ほどまで伸びている
年齢は13、4と言ったところか
塚内「嗚呼、一応事情聴取してみて親御さんが居るなら
戻してあげるようにするけど・・・」
マイク「どう見てもその線はなさそうだがなぁー」
塚内「それなんだよね。あの状態になるって
よほどの事がない限りないだろうし・・
それに相澤君を見てすぐに懐いたしね」
相澤「いや、犬猫じゃないんですから・・」
確かに相澤が来て数分で少女は強い警戒を
一瞬で解いて手を取って気絶した
それは少しは信頼してみたのかと疑うようなもので
相澤「(でももう意識が朦朧(もうろう)としていたのかもしれない)」
塚内「君さえ良ければ明日も見てくれないかな?
多分君が居てくれたら少しでも話してくれる気がするんだ」
相澤「・・分かりました。明日また此処に来ます。」
マイク「学校と校長には俺から伝えておくぜ!!」
相澤「すまん、頼んだ。」
それだけ言って俺はそのままその場を後にした
此処にこれ以上居ても特にないし時間の無駄だ
マイクの服を捕まえてずるずると家路に帰る
また、と塚内さんにお辞儀をしてそのまま家
までマイクのバイクに乗せてもらい、帰った