目が覚めたらそこは真っ白な部屋の中だった
外の景色が見えることは見えるが、部屋の中で
また部屋を隔離しているような部屋

私はよくわからないままきょろきょろしてから
ベットから出てみる


『・・・点滴?』

コンコンと音がしたのではーいと言ってみる


塚内「具合はどう・・って!こら、
まだベットから出ちゃだめだろう!」

『??そうなの?』

相澤「そうなのって・・・塚内さん、
この子現状分かっていませんよ」

大人二人ははぁとため息をついてとりあえず
座るように・・出来れば横になれと言われたが
私はそんなことは出来ずに座るだけ座ってみた

・・・動きたい

塚内「とりあえず、僕の名前は塚内直正
こちらは君を保護してくれたイレイザー・ヘッド」

『塚内・・さん、に、イレイザー・・??』

相澤「イレイザー・ヘッド、だ。
本名は相澤消太。よろしくね。」

そういって相澤は塚内刑事に座ってと言われて
椅子を出されたのでお礼をしてから座る


『ここは?』

塚内「此処は病院だよ。かなり衰弱していた状態だったんだけど
そんな状態ならもう大丈夫のようだね。」

『衰弱??』

相澤「身体が弱って仕方がない状態の事だ。
名前は?歳は?親はいるか?」

一気に質問されて少々頭が追いつかない
それに塚内刑事が一気に聞きすぎだと制する


『えーと・・歳も親もわかりません』

塚内「え?じゃあ、名前は?」

『名前・・・あ』

ふと頭の中に誰かが私を呼んでいる声が聞えた
それで思い出す名前


『岡本、都佑。』

塚内「岡本都佑ちゃんだね、
・・・・漢字は分かるかな?」

言われて何となくだが、これだ、
といった言葉が思い浮かんだ
それにいい名前だね、と言われた


塚内「(調べてみたらすぐに出そうな珍しい名前だな
苗字は別として、名前は珍しい・・)」

相澤「親は居ないんだな?」

『え?うん』

相澤「塚内さん。この子の面倒、
俺が見てもいいですか?」

塚内「え!?で、でも・・・」

相澤「ヒーロー特権、使わせてください」

ヒーロー特権
ヴィランの再犯率を防ぐ為に一時的に保護して
成人するまで見届ける後継人の許可が出る事がある特権


塚内「だけどこう言っちゃ悪いけど
相澤君は親になるには早いよ、それに
まだ未成年だ、お金はどうするんだい?」

相澤「貯めているお金を出せばいいだけです。
なんとなくですが興味が出ました。・・・
岡本都佑、だよな?」

『うん都佑だよ』

相澤「都佑、今日から俺が
お前の父親の代わりをするが構わないか?
嫌なら嫌って言ってくれて構わない。」

そう椅子から立って都佑の前で座って下から
目線を下げて都佑と同じ位置で話す
それにいいよ!と私は言った。


『相澤さんならいいですよ!・・それに
相澤さんいやだって言っても連れて帰る
つもりじゃなかったんですか?』

相澤「・・・くくくっ、塚内さん
俺、こいつ気に入りました。」

塚内「ああ、はいはい。全く・・・
犬猫じゃないって言っていた昨日の君に
聞かせてやりたい言葉だよ、」


そう大きなため息をついて
事情聴取を取らされた


性別は女
名前以外は全て覚えていない
つまり記憶喪失、というわけだ


その現実に私は少し不安になる
確かに居たであろう友や家族の事を
全て忘れて別の知らない人と一緒に
暮らしていいものだろうか?

本来は良くないのだが、
塚内さん曰く「都佑ちゃんのご家族が居れば
その時には帰っていいからね。とりあえず
それまでは相澤君にお世話になってもらいな」

だそうだ
・・・私の予想だが、それはないであろう。


何となくだが、この国には居ない気がする。
少なくとも、この県には。


そう思いながら私は塚内さんと別れて
相澤さんと二人っきりになったので
少々何をはなしていいのか分からなくなり
そこらへんでまた足をばたつかせる


相澤「こら、女の子がそういうことをするな」

『えー』

相澤「治るものも治らないだろう?
さっさとベットに入って寝ろ。今はそれがやる事だ」

『・・・ねぇ、相澤さん』

相澤「なんだ」

『私、お父さんもお母さんもいない気がするの』

相澤「・・どうしてそう言い切れる?」

『・・・・よくわかんない、わかんないけど』

相澤「今は記憶があいまいだから不安になっているだけだろう
何処かにはいるさ・・・きっとな」

その言葉に嘘はない気がして
私はそのままうんと言って
ベットの中にもぐり眠りの海に身をゆだねた