清く正しく憎らし

気を失っている未夜を抱き上げて帰還しようと
名乗り出たのは意外にも土方だった

トッシーとして行動していた頃の記憶が少々残っている
特にアニメオタクになった時や、未夜が
土方と一緒に屯所に帰った時の姿は鮮明に残っている

何時もは冷酷で、眉間に皺が良く寄って
あの手この手で自分を隠していた未夜が
トッシーとしてどうしようもない時になった途端

未夜は表情を変え、優しく笑ってくれたのだ


その笑顔が、今思えば心痛む様な笑顔だった


土方「…っ」

すやすやと眠る未夜に土方はかなり救われた事に罪悪感を抱いていた


あの笑顔が、本当の未夜の表情であれば
どれだけ彼女は今迄押し殺してきたのだろう?
何故そうしなければならなかったのだろう?

ぱっちりと開いた目や二人きりで行動していた頃の
頼もしさから少しかけ離れたおっちょこちょいの行動
笑顔が絶えず笑ってばかりの姿を

何故彼女は「知らなくて良い」と言ったのだろう。









眠っている未夜を姫抱きで帰る土方
未夜がトッシーと一緒に居た二人きりの時
初めてテンションが高く目をキラキラして
呼吸を合わせてくれていたのを思い出した
人想いの優しい子なのに眼をギラつかせ人を
なるべく寄せ付けない様にしていた未夜に
なんだか申し訳ない気持ちと感謝
己のふがいなさを感じながら粛清した