すいません。無理でした。
えー現在の説明をしますと、その次の日、私マーリンさんの前で
魔法の説明をされてる時に、魔力をかなり。本当にかなりね?
抑えて抑えて…出したんですよ。
そしたら小脇に抱えて走られて、メリダおばあちゃんの所のドアを
破る勢いで開けて、メリダおばあちゃん驚いたのもあるけど
スカートをはいてる女の子を小脇に抱えて走ってこの家まで
来るとは良い度胸だと言わんばかりに頭から角が生える勢いで
怒りに怒って、小一時間説教を食らった後の話である。
メリダ「こりゃ…お前さん」
『はい』
メリダ「今出来る限りの魔力を使って防御壁を作りな」
え?なんつった?
このばあさんなんつった?
『はい?』
メリダ「防御壁位作れるだろ?さ、やりな」
マーリン「そ、そんな何も教えなくてすぐに」
おだまり!と叫んだメリダの声にマーリンは委縮した
私はメリダの顔を見て深くうなずいた。
魔力を凝縮して、一つ二つ、三つと数えて行く
最初は四角形をイメージして、三角形、ひし形、五角形、六角形
昔勉強をしていた数学の授業の内容を思い出す
私は六角形が好きなので、六角形を四方に創り出すだけでなく
1つの濃さも強くしていく。一つ一つ念入りに。
布に沁み込む水の様に
メリダ「目をお開け。」
その声に目をあける
周りには青白く光る六角形が四方に広がる…六方二十面体の様な物体が自分の周りを包んでいた
マーリン「これは…!」
メリダ「お前、此処までの魔力を使った事は?」
『…おばあちゃん達にバレると思って一度も作ったことない。』
メリダ「下手な橋は渡らない主義なお前の事だ。それは正解だよ。」
…だが、
メリダ「この強度に加えてこの量かい…」
『濃度を下げたら二重にも出来るけど、これくらいが一番良いのかな』
顔色を窺っているとかなり深刻な状態らしい。
大分難易度を下げて、六角形だけの状態にしてみる
勿論強度も下げた。これが凄くしんどいのだが…
例えていうなら、つま先立ちで細い台の上に立っている感覚だ。
つま先という小さな面に触れるだけでもきついのに
さらに維持するのは考えるだけでも恐ろしい。
メリダ「そうなんだが…お前さんには難しそうだね。」
『きついですね。』
つい癖で敬語出るけど、最近は特に気にしないのかため息で終わらせてくれる。
最早飽きられているのではないのか。
メリダ「エル。あんたのその魔力、下手したらシンと同レベル、いや超える可能性があるよ。」
え?
「ええーーーーー!?」
『マジですか。』
メリダ「ああ。マジだよ。現にシンに同じことを
やらせようとすると恐らく数日かかるんじゃないかい?」
まぁしようとしたらしょっ引くけどね
そうメリダがシンの方を向いてにらみつけると
シンは察したのか私の後ろに隠れて震えだした
それに苦笑いをした私であるが、私も私で結構怖いんです。
本当に入れる穴があれば入りたい。
マーリン「魔術をやったことは?」
『今の所一度もないけど』
メリダ「嘘おっしゃい。あんたが魔法を使って森で遊んでいた事位お見通しさね。」
サラッと嘘ついたのバレてました。
いやー流石に無理でしたか。残念。
『あはは…』
メリダ「本当の事をおっしゃい。どれくらい出来るんだい?」
これは軽く言ってもバレるのは時間の問題だろう。
メリダさんを敵に回す事だけはしたくない。
『…わかりました。恐らくみた感じだけど、シンと同じ位の力は発揮できると思うよ。』
マーリン「独学で、か!」
メリダ「それで?」
おっと、詳しい事を聞きたいらしい。
『得意なのは今の所火、水、土、木を使った魔法位で
風と雷あと火は特に注意して遊んでるから
本気出して練習したことは一度もないよ。』
メリダ「…それで?」
『一番得意なのは水で、回復魔法も傷付いた動物に手出したけど
深い傷5p程度なら3分あれば全快可能な事が分かったよ。』
メリダ「…なるほど」
どうやら決意が固まったらしい。
メリダ「エル。あんたがどれくらい出来るかっていう事を簡単に説明するよ。」
はい
メリダ「今の所、国宝級は間違いないね。あの防御壁六角形一つだけでも値が付けれない代物だよ。
加えてその歳で、尚且つ私達が教えもしない独学で、シンの姿を見様見真似でシン以上の魔術を習得して
…お前さんたちの親御さんの顔が見てみたいよ。」
一体どんな人たちだったのかって?
多分親が驚くと思います。はい。
そう苦笑いをしていた私だが、ふと気づいた事があった。
『あの、おばあちゃん達に教えてもらう事って可能?』
メリダ「何を…まさかあんた!」
そう。魔術だけでなく、他の事、掟があるだろう。
『私は知らないからこそ掟を破る事が出来ると思うの。
でも世界はそんな事通用しないから、私が知れる範囲内だけでも
頭の中に入れて置いた方が良いかなって。…その顔見てるとそう思って。』
危ない橋は出来るだけ渡りたくはない。
出来れば、この世界の常識はある程度知識として叩き込んでおきたい
そう思っていたのだが、このおばあちゃん。断った。
断った
『嘘でしょ!?何で!普通に教えてくれるでしょ!?』
メリダ「いやさね。だってあんたに今教えるとろくな事しないだろ?」
あってます。事実です。
メリダ「加えてその魔力。下手な教育するとろくでもない事に発展しそうだ…
成人したら色々教えてあげるよ。」
そう言って母の様なおばあちゃんは私の頭を優しく撫でてくれた
その感触を私はずっと覚えている。
目を閉じて、感触を思い出す様に頭の中で繰り返す
そうして私は心を保てるのだ
『うん!』
今生きている時よりもずっと、昔から。