悪夢と言われてしまう夢を早くも観だしてから一週間経った
その日も万事屋さん宅に朝から遊びに行く予定があり
荷物を背負った後だった
『…嗚呼、楽しんでる。』
他より客観性が発達してしまっている脳思考は
案外簡単に落ちていくもので、最近特に悩みを
うんうんと貯め込んでいくのだが、気が付けば
誰かに話したり愚痴を言っていたりしていたのだ
人と話すのが好きなのは元からで
万事屋で空いている時間にと此間銀さんが
適当に江戸の話をしている会話に上手く
私の話も聞いてくれた事があって
其処から彼とは少しだけ笑える仲になった
今では軽く叩いて遊べる位打ち解けれている
それは自分でもとても良い傾向であった事は確かだ
でも、私はこのままで良いのだろうか?
迷惑をかけているのでは、なんて直ぐに察知する私に
沖田でさえも「んなこたぁねぇでさぁ」と頭を優しく
撫でてくれる様な劇的変化に何も感じなくなっていた
空を観ても何かをしても、ぽっかりと空いた穴になっていた
それは確かに感じた事のある感情で、
これの名前を私は確かに知っている
でも、今は楽しみたい。
『あははっ、私も腐って転生したって
魂が記憶がありゃ普通の女の子だなぁ』
この世界に産み落とされた時には
怒りや憎しみしかなかった
悲しくて辛くてどうしようも無い闇に自分を委ねていた
それが今では光の中でずっと息をしている
この時間がどうか続けば良いなんて思ってしまう位
正直仕事するよりものんびり生きていたい
そっちの方が、記憶の強い今は未来が見えている
然し切腹は免れないので、辞める時はかなり困るのだが
今は養生中なのだし、斬る事は忘れていたい
『…この感情が全て、別の人であれば
私はその人の幸せを願えられるのに。』
他人を思い遣っている自分が好きだ。
だから銀さん達と居る時だって距離を置く
少しだけ後ろに引いて彼らを立てている時が
正直一番自分らしいと感じるし、とても楽しくなる。
土方さん達とはまた違う感覚で遊ぶことが出来る
彼らはとてもかけがえのない人達として私の中に刻まれていた
なのに何が不安なのだろう。
それとも退屈をしているのかもしれない
『嗚呼、まぁ斬り込みはしてたしなぁ』
一番隊みたいな動きはしなかったが、私もそれなりに動いていた
今は養生している上に男装なんてしなくなったおかげで
かなり幼い身体つきになってしまったが
「都佑ちゃんの名前ってどんな意味があるの?」
そうふと女からというよりかは其処まで優しい都佑に
元々名前の意味があるのかと聞くと驚いた顔で
なぜそんなことが分かるのかと言った都佑に当たったと
お妙は少し嬉しそうにした
「知らない都や場所でも人想いで優しく思いやりのある人
笑顔が絶えず人を幸せに出来る子でありますように。」
その意味を話す都佑はとても寂しそうで嬉しそうに目を輝かす
それにお妙はそのままではないかと都佑にいうと
何処か寂しそうに礼を言った。
そして帰ってからというものの
都佑は都佑でお妙がなんだか前世の母に
似ているような気がしてならなかった