『お、丁度良い処に!原田さんおはようございます!』
原田「お、おお…はざっす」
都佑が本格的に成人期に突入した後
案外素直に里には帰らず真選組の仕事を片付けていた
身長も高く無くなり小さい身体になったのを
数週間前に聞いたばかりだった隊士達は
その身軽さに驚き「小動物」と名付ける程であった
特に180もある原田からすると148しかない都佑は
見つけるのも少し苦労する位でもあった
なんせ彼女は出会った当初よりも小さくとにかくすばしっこい
『あの黒い本取ってほしいんですけど…』
原田「あ、嗚呼…此れですか?」
そう原田が高い場所に手を取り本を彼女の手に渡すと
嬉しそうに目を輝かせて身体を曲げて礼を言い
直ぐに立ち去っていった
原田「リス…だよな」
山崎「都佑さんって本当可愛らしい一面あるのに
笑って問答無用で容赦なく叩きのめしてくるんで怖いって
一部の隊士が言ってましたけどねー」
原田「ありゃリスだろ…」
ちょこまか動き、食堂では黙々と食事をとっていたのを先日思い出した原田
近くで近藤ら上の人間が都佑の近くで食事をとっていたのを観ていると…
土方の隣で黙々と何も喋らずに口の中にかきこんでいた。
目の前に座っていた沖田が心配する程らしく
首を傾げながら水を少量飲み飯を噛んでいるのかわからないペースで喉に流し込んでいた
時々入れ過ぎて口から少しだけ食べ物が出ていたのを軽く
人差し指を使い、もぐもぐと口を動かしていた
両頬の膨らみがなんだか「ハムスターみてぇでぃ」
と嫌味たらしく言った沖田に対して都佑は
ご飯を水で流し込んだ後にさらりと『そりゃ違う』と否定した
『私リスとか子犬とか良く友達に言われてたよ?
あ、でも口に含んでる処はハムスターって言われたかー』
土方「喋るか食うかどっちかにしろ」
最後まで喋らず食事と判断したのかすぐに口の中に含んだ都佑に
土方は軽く指摘するが綺麗にスルーしてがっついていた
数分もせずに食事は終わったのか『ご馳走様』との声に
近くに居た原田や他の隊士はそのスピードに驚いていると
それに反応したのか土方が「此れ位で驚くんじゃねぇぞ」
と冷や汗を流しながら軽く引いていた
土方「此間昼飯食いに行った時の麺類は此れより速いからな」
近藤「え?都佑ちゃん人間?」
『ぷはぁー、ん?前から此れ位で食べますよ?
余り食べる事が好きではなかったので時間短縮してた
感覚が中々抜けなくて今少々困ってたりして…あっいっけね(棒)』
さらっと困っていたりする事も時々会話中に
ボロを出すことが出て来たのも隊士達はかなり
凄い速度で都佑のキャラが変わって行っていた
その後は最後棒読みで言った後綺麗に食器を片付けて
そのまま風呂に行った彼女である。
沖田の嫌味も全く効かなくなったらしく
彼は彼で満更でもない様な顔をしているのだが
不満の声を土方に挙げていた事は都佑が知らない事だ
それでも都佑が少しでも土方ら上の人間だけでなく
原田達や他の隊士達に心を開いていっている事を感じることが多い
彼女はそんな風に感じている訳ではなく、自然に
感情のままに行動しているのだが
そんな自然な姿が嬉しいと感じているのは
恐らく原田達だけではないだろう。
山崎の情報によると土方副長の喫煙量は少しだけではあるが
確実に減っているらしい(一日2本吸わなくなった位)
怒る事も少なくなって大分丸くなったとも原田達は感じている
それも都佑がかなりおっちょこちょいだったという理由もあるだろう
つい先ほどの様に原田や他の隊士で身長が高い者に
高い場所にあるものを取らせたり
何もない処でこけそうになったり、と
お転婆娘で土方曰く「放っておけねぇ」とのこと
原田達も薄々感じては居るのだが
どうしても都佑は『一人でやり遂げたい!』と意気込む事が多い
出来ない時は出来ない時でかなり動揺しながらも
上の人間(大体が土方)に許可を取りに行き『…すいません』
とかなりしょげながら謝り助けを求めたりする。
土方も頭ごなしに怒鳴る事は無く
寧ろ都佑が『次どうすればいいのか』と相談を持ち掛け
それに乗り会話をする事もあるらしい。
何事にも一生懸命に取り組み励み他人を想いやり
笑顔が絶えず好奇心の強い優しい人
それこそが岡本都佑であるのだ。
そう此処数週間で原田や山崎が知った出来事であり
都佑への意識が急激に変わったと言う事だった
そんなことを直接本人に言った隊士が居たらしく
それに『照れるからやめて』とはにかんで答えたらしい
勿論その背後に土方が居て軽く小言になりそうだったのを
都佑が背中を押しながら『はいはいお仕事行きましょうねー』
と言って子供をあやすように部屋に戻した事には
隊士が後日礼を言っていた処を原田本人が目撃した
兎に角、都佑は屯所内では人気者と呼ばれても過言では無かった
その本人は、正直不満も何もない事に不満を抱いていたりしていた
OOO
『むぅ…皆何かお花咲いてないかなぁー
たるんどる!ってやつじゃねぇのかなぁー』
土方「お前の方が確実に花の飛ぶ量が桁違いだがな」
『あれ?私そんなにお花飛ばしてます?
土方さんそんなにお花好きなら物理的に出しましょうか?』
土方「何でそうなんだよ!っつか仕事しろ!
花をどうやって物理て、きに…」
土方の近くに席を置き机の前で『むむむっ』と
両手を胸の前でくっつけて少しかがみ気味で居る
手を少し放すと花が出て・・・・花?
土方「何で花ぁあああああああ!?」
『仕方がないからお花出してやりましたぜぃ?』
土方「何で出るんだよ!お前なんなんだよ!!」
『妖精さんですかね!しらねぇよ!コノヤロー!!』
そういって笑いはしゃぎながら都佑は
土方の傍でちょこまかと動き回って逃げていた
成人期を迎えて宴を開こうとしていた矢先の話である
そんな時に近藤さんから都佑に「客が来ておる」と言われ
土方さんと両手を掴み恋人繋ぎ的な状態のまま
向かい合ってお互い力を入れていた処だった
『ほい!誰で…』
土方「うぉおっ!?」
都佑は後ろから見えた人に力を抜き
そのまま土方さんを避けてころがせた
勿論驚き怒る土方で在ったのだが
今回はそうはいかなかった
「はーい?元気してるー?」
『なっ!ちょっ!どうして此処に!?』
「お前の情報を聞きつけて来たんだよー
おお!大きくなったな!特に胸g」
『フォぁあああアター!!』
急に来た男性に思いっきり足で頭を蹴りそのまま
手に変えて術を使い空高くに飛ばし上げる
それを観ながら「あらあらー」とのほほんとした
女性が近藤の後ろからやって来た
「お久しぶりね、全く何も返事も聞かないから
ありとあらゆる手を使ってやってきたのよ?」
そういった女性にイマイチ理解できていない
土方は近藤に説明を要求すると
意外にも本人が説明をしてくれた
「初めまして、私都佑の親です」
『正確には羽黒未夜の方な!!』
++++
「えー改めまして、岡本都佑の父親です。」
「同じく母親です。」
『何しに来たん?嗚呼?言葉によっちゃぁ目の前で殺す』