第六章(日常と蓮蓬篇迄の話)
第八章(バラガキ編〜死神編迄)
第十章(魂入れ替わり篇〜さらば真選組篇)
第九章(朝狼成人編)
土方と付き合い始めて数日後
都佑は未だに土方さんと苗字で呼んでしまう癖に悩む
神楽達と話す時では何とか「とうしろう?とし?とっしー?」
とギャク風味に笑いながら話せるが、いざ本人の前になると
真っ赤になり神楽や沖田の後ろに隠れたりする
落ち込む土方に、誰も居ないであろう夜の部屋の中
寝ている土方(寝たふり)に都佑は「トシ?」と声を出して笑う。
別に土方という苗字自体が気に入っているので
変えなくて良いとは思うが、都佑と呼んでくれている土方に
申し訳なく、なるべく声掛けをしようとは思っているのだが
どうしても最近避ける様になってしまい、彼から来ないと
どもり困るのだ。
「…好きだなぁ」そう寝顔を見ていると目を開けた土方に
驚きの余り術を使い背負い投げする都佑
勿論軽く打撲の土方を深夜都佑が回復しながら反省の声を上げることになる。
「無理に言わなくていい」そう言ってくれた土方に
都佑は少し申し訳なくて、「とし」と言うと土方は「なんだ?」と
少し照れそうになった口元を抑えて首を傾げ此方を見てくれる
それに都佑は嬉しくなり、名前を連呼する。
子供の様に笑う都佑に病の心配をする土方
特に具合は悪くない為そんなに心配しなくても大丈夫だし
そもそも傷が出来れば鞘を持ってさえしていれば回復用の剣を作り出せば良い事だ。
そういって眠りについた二人
更に時は過ぎ二日後、土方は一日丸々出てしまう上に
沖田や近藤迄出てしまうので心配になるが
「大丈夫ですよ!これでも新選組に居た身ですよ?」
そう笑い手を振って見送った都佑に
土方は軽く鼻でため息をついて満更でもないような顔で前を向いた
夜何時もの様に洗濯を畳んでいると外のベルが鳴る
ガタガタと言った音だが、声を出して返事をした後
外に居る人間が知り合いではないと察した都佑は
部屋に戻り急いで屋根裏に継承者鞘を隠し何時も使っている
鞘を持って部屋を出る
裸足だった事はどうでもいいが、兎に角一体誰が居るのか
そう不安を感じていた都佑の前に現れたのは
髪の色が白い朝狼だった
「この場で死んでもらう」
ぐっと腰を落とし鞘から赤い刀を出して交戦する
然し今日は生憎風呂に入る前の着物状態
鞘も入れる場所もない状態
身動きが取りにくいので着物を剥がしたいのだが
下は着ていない為どうしても脱げない状態で頭を悩ます
「何故私を狙う」そう鞘を置き交戦の間話を交わす
「夜と朝を持つとは愚か者以外の何物でもないからだ」
夜?朝?疑問符を浮かべる都佑に敵は知らないのかと目を少し開くと
くつくつと喉で笑いをこらえる
「夜狼と朝狼の紛い子である事を知らないのか!」
「…純血と聞いてるけど」「父は朝母は夜の血を持つ奴がお前だ」
「理由はっ!!」「その髪の色、夜の髪色は黒、朝は白を持つ」
前世の髪色ではなく、”今世の血によるもの”だった事を知らされた都佑
余りの衝撃に身体の動きが鈍り、敵に腹を拳で突かれ膝から倒れる
「真昼になれば夜狼も朝狼も全て居なくなる!
そうなれば誰がこの世界を統一するのだ!!」
「(夜狼が忌み子である私を消しに来たと言うのか
昼になると言う事は恐らく二人の子の血が確実に
力となり発揮される事だろうなぁ)」
都佑は薄れゆく意識の中状況を整理していた
パタリと倒れたのを見て簡単だったなぁと笑い
敵が俵担ぎし、屯所の外に出ようとした直後
背後から刀が振られる
「てめぇ何してやがる」そうギラついた土方に
目を細め、考えた後都佑を土方の方に投げ飛ばす
「夜と朝の忌み子よ、昼の様な暖かい光を灯さぬ事を願うぞ」
そう言って消える敵に沖田が背後から攻撃をするが
溶ける様に消えたので斬りつけた感覚が無く舌打ちする
意識が無い都佑を起こす土方、声が悲痛にも焦る
うんうんと唸りだす都佑に、とりあえずは安堵する。
一度屯所の方に帰り土方の仕事場にある布団を出して其処に寝かせると
都佑が目を覚まし、土方の身体に飛びついた
怖かった。そう素直に恐怖の言葉を言った都佑に
ぎゅっと抱きしめ、安心させた
落ち着いた後、状況説明をする。
隊士達が居なかったと言った都佑に隊士らも
都佑の方で物音も人影すらも見えなかったと言ったのだ
それに疑問を抱いた都佑
土方や沖田、近藤にお守りを渡していたのを思い出す
お守りには自分の血が染み込んだ布を入れている為
それに作用して夜狼の人間の術も出来たのではないかと推測
夜狼の情報が余りにも少な過ぎて少々困っていると
万事屋に頼もうと提案してきた山崎に都佑は反対するが
土方までも提案に呑んだ事に都佑は驚く
仕方なく次の日万事屋に向かい土方と一緒に
向かいに銀時と神楽ちゃんに一連の話をした
金は勿論払うし、下手すりゃ命迄も取られる可能性がある。
そんな物かと少し疑う銀時に都佑は首を横に振り手を握り
開く右手を見つめた
確かに前世にあった印が無い。それ即ち前世の身体ではない。
どうして今まで気付かなかったのか、父が里に帰らせようとしたのは
もしかしなくても両方の血を持つからこその恐ろしさなのだろうか?
不安しかない都佑に神楽は大丈夫と抱きしめる
それに都佑は少しだけ甘え、終えた後目の色を変える
「大丈夫だよね」そう笑った顔に少し安堵した皆
その後軽く話してトイレに行った都佑はトイレの中で目の色を変えた
「(この世界が銀魂なのはもう分かりきっている
然し朝狼の話等毛先も出なかった、なら私が生きているから?
違う、また別世界の話な気がする…もっと)」
とりあえず考えふけると時間が勿体無い。
土方らに隠し事をするのは野暮だが、事情の奥底は
自分が解決した方がいいと考えた都佑は
なるべく自分を出さないようにする。
すると一時間もしない内に咳き込み花を吐いた
カンパニュラの花をポロポロと幾つか出たのに
隠そうとした都佑に土方は無理矢理ではあるが
手を開かせて紫の花を手に取る
別名釣鐘草、感謝、共感、とある。
然し都佑は花言葉の裏をかいて胸を痛めた
思いを告げる、不変、後悔、不安の四文字が浮上した
当たっているのだ、当たり過ぎて寧ろ消して欲しい
都佑が意味を言わない事位想定済みだった土方は
一つだけ手に持ち知り合いの花屋に持ち込んでみる
「確かに彼女さんが言った通りの花言葉で間違いありません…が」
不変や後悔、不安の文字を知った土方は此間の事件を頭に浮かばせた
実家に帰らせた方が良い、そう決めた土方に都佑は断固反対する
こんな物意味が無いと、気になるのか花屋が土方の後ろを付いてきていた
それに都佑は咳き込みアネモネの花を零す
直ぐに花を手に握り潰し土方を睨み付ける
この場所に居てはいけない。そう感じるのだ
ヒヤシンスの紫色をした花が口から零れだす
眉間に皺が寄り、口を閉じる
帰れと言う土方に私は実家に帰るなら別れると言った。
それに勢いで別れると言った土方に都佑は目を開いて
寂しそうな顔をした
沖田が来てその場を見る
都佑の髪は浮き上がり目は赤く染まる
「…たも、貴方も?」「は?」
「あなたもママと同じなの?」
そう言った都佑の目から涙が零れ落ち花になる
名前を呼んだ沖田に都佑は振り向き部屋に帰る
「あんた、最低でさぁ」そう冷たい目で見た沖田に
土方は都佑の幸せをと想ったのだ。
花屋は都佑が零した花を取り胸を痛める
キンセンカ「別れの悲しみ」「悲嘆」「寂しさ」「失望」
「grief(悲嘆)」「despair(絶望)」「sorrow(悲しみ、悲哀)」
PP
都佑は荷物を纏めている頃沖田に止められる
何処かに行く当てはあるのかと、もちろんある訳がない。
然し確かに産まれた場所にはまだいったことがない。
それなら行って其処で暮らすのもいいかもしれない。
力が確実に自分の手になった時には君らの元に現れる
それ以外は人にも会うつもりはない。
そう言い切った都佑の目は冷たく、花を吐き続けている
辛そうな都佑に背中を摩ろうとすると都佑は手を弾く
ギッと睨んだ眼はまるで「お前も私を裏切る」
と言い切った悲しい目で。
「人を信用した私が馬鹿だった。私は私で居られる訳がない。
殺すべきだ。今すぐにでも息の根を止めて、夜に身を委ねればいい。」
そういった都佑の言葉は分からないが、確実に
ダメな方向に向かっていることは確かで、沖田は
「此処の人間を倒してから出ていけばいいでさぁ
皆お前を何処かに出そうと思っちゃいねぇでさぁ」
そう言った沖田に都佑は少しだけ目の色が揺らぐ
「今から一時間後道場にて待つ」
そう言った総悟に都佑は頷き荷物を纏める
勝てる確信があるのだろう。
それを打ち砕く為にありとあらゆる方法をしてやる
そう沖田は土方を連れて万事屋に向かう
頼み込まずとも神楽がすぐに出ていく準備をし始める
銀時は土方に一言「お前本当にそれでいいのか?」
勿論手放すつもりなんて鼻からない土方
その場の流れで言ってしまっただけで本当は
手元に置いておきたいのだ。
それに銀時は笑い協力してやると言って道場に上がり込んだ
東側の方に背を付け胡坐をかいて鞘を二つ肩に置き目を瞑っていた都佑
目を開けると殺気が道場に染み渡る
女子供容赦はしない、殺せる人の眼に銀時は想像以上の状態に少し疑問を浮かべた
「…何人増えようが、私を殺せば私はそれでいい。
やはり君は愚かだ、裏切らない人等いやしない事
分かっていただろう?」
そう少女を創り上げて目の前の優しそうな自分を一気に赤い刀で心臓を切り入れた
全員が目を開けて都佑の状況を見て息をのんだ
「さぁこれでやっと未夜として動けるなぁ。
久しぶりに血が欲しかった、君らを殺せば良いのかね?」
「おま、今なにを」
「嗚呼、都佑を殺した。大丈夫だよ?あいつは暫くすれば生き返る。
私達は心臓が消えて亡くならない限り永久に生き続ける。
都佑が傷ついたから私が敢えて都佑の意識を消したんだ。」
そうでもしないと土方らと本気で張り合えない
そういった後都佑は朝狼の方の刀を抜いた
青い刀は色も無い、深い青に全員でかかりあがる
斬るとは言ったが気絶させる程度の余裕がある未夜に
土方らは攻撃を休めずに切りかかるが術を使う未夜に
攻撃できる手段が殆どない
地面をえぐられ風で吹き飛ばされ、何も出来ない状態だった
そんな時に土方と銀時の肩にふわりと風が吹く
「もうやめて」ほぼ裸の幽霊状態の都佑が現れたのだ
「君がそんな事をするのなら、私が許さない。
私が君を止めて、朝狼の方の道を歩む!!」
「人を傷つける事すら恐れるお前が戯言を言うな!!」
斬りかかってくる未夜に都佑は銀時と土方の刀を使い
赤い光を帯びさせて受け止めさせる
風は重いが確かに形として押し返せる事に驚く
「ごめんね、二人とも力を貸して?
あの子昔から私がちょっとでも傷つくと
あんなになっちゃって収集がつかないの」
そういって助けを求める都佑に二人とそして周りの人間が
ラストをかけて未夜を止めた
第十一章(夜狼編)
第十二章(烙陽決戦篇と朝狼純血者編)
第十三章(銀ノ魂篇)
最終章(銀〜その後)