これは夢だ
そう願いたかった
なのに何度も何度も
現実だと思い知らされる。
どうして私なのだろう?
どうして彼なのだろう?
私たちは何を犯したのだろう?
誰か罪すらも分からない私に教えて欲しい
何かをしてしまったのなら謝り償おう
なのに何もかも忘れてしまったら罪を償うにも
償えないではないか。
嗚呼、どうか夢だと言って
この現実が夢で
あの夢が現実なら
私はどれだけ救われ安堵し涙を流すのだろう
私が普通の女の子で無力でか弱いだけでいい。
もうそれだけで、十分じゃないか。
世界を崩壊させる事も可能な種族なんて力なんて
何もかも欲しい物は望まないから
どうかお願い。
この現実を夢だと言って
もう、胸が張り裂けそうなのだ。
『…なんでどうして私なの?』
鉄「…未夜さん」
『何で無いの憶えていたから忘れたら良いと思ったんだよなぁ
嗚呼そうじゃなきゃこんな感情持たねぇよなぁ!!!』
夢、これも夢、あれも、それも、全部夢。
そうすれば私は楽になれる?
そうすればあの子は笑って居られる?
ずっと
ずっと
じっと
この時を待っていたのではないのだろうか?
届きやしない、この場所から
観るだけで終われる【罪悪】に
それなら
どれだけ彼女は
少女は気持ちを押し殺したのだろう?
『…許せない許さない許す
言葉なんて思い浮かぶ方が侮辱的だろう』
少女は笑って居た
私の中で、笑って居た少女は
岡本都佑の方では無かったのだ
あの少女は
都佑に手を伸ばして笑ってくれた少女は
クロなんて名前を付けたのは
真っ黒だったからじゃなかった
服が真っ黒なだけで
髪色は真っ白でトパーズ色だったのだ
そう
少女は名前を付けられて嬉しそうに笑った
手を伸ばしてくれた右手首には
丸い産み印が印象的で
同じ姿なんて当たり前だったのだ
だって
だって私は
少女の別世界で生きる人間だったのだから
想い出せないのはきっと
少女が「想い出してはダメだ」
と強く願っているからだろう
薄狼が一度死ぬと別の世界で生まれ変わり
また元の場所に戻るのも、記憶があいまいなのも
全ての説明がつく
此れからどうするかって?
そんなの決まっている
『二人を取り戻す
何が何でも誰一人殺させて堪るものか』
若しも誰かが死んでしまったら
きっと少女が壊れてしまうから
私も
息が出来そうになさそうだから
***
この現実は夢だ。
そう言い聞かせたらきっと
今回も生きられると思っていた
然しそう願えばきっと生きられても
逃げただけになる。
それはそれで駄目だろう。
何度もこんな現実が待ち構えている
薄狼が何故生きているのか
未だに分からないが
こんな感情を何度も何度も周期も無く
突然来るものだがら
それがまた「必然」だから余計にたちが悪い