咲いて一度枯れて二度

元になんて戻れる訳が無いのだ

それは一度外してしまった
知恵の輪みたいな物の様に

執念に近いものでやり遂げた物は
もう二度と戻らない


戻す事はどんな物よりも難しいのだ。




神楽ちゃん達を救出した後
私は兄が絶望した顔を観ながら
後ろにたっていた土方さん達を観る


『あの日小籠ちゃんはあの人に言葉を伝えたかった
それは掟に背く物を知っていながらも
小籠ちゃんは伝えたかった』

「何を…」

『たった二文字なのに小籠ちゃんは心を押し殺した
私がもしも其処に居たら
小籠ちゃんの身代わりになろうと行動する位』

それ程小籠ちゃんは純粋無垢で
可愛らしい天使の様な子だったのだ

その天使を黒く染めたのは
紛れもない兄であり


私も含まれているのだろう。


『ねぇ時計と電車と知恵の輪の
共通点って知ってる?』

神楽「銀ちゃん、知恵の輪って何アルカ?」

紀伊「こういう鉄の物を二つ三つ繋げて
知恵を使って輪から外す物だよ兎ちゃん」

そう銀時の言葉を遮って答えた紀伊の手から
神楽の手に投げ飛ばされた物は

知恵の輪だった


新八「えーっと、電車は走るし時計も
動くけど知恵の輪は動かないですよね?」

銀「壊れるってわけでもねぇし
っつーか共通点がわかんね…おい待て」

気が付いたのか銀時の表情が一気に青ざめ
真剣な表情になる
それと同時に土方も気付いたのか都佑を観て
表情が強張った

ニコリと笑った都佑の後ろの木は大きく揺らいだ


『答えを教えて?』

銀「こんなこと、正解とは思いたくねぇが…これしかねぇ」


時計は、時を意味するのではなく
時計そのものを意味する。

銀「時計は電池が切れたりでもすりゃあ
時間は止まる、動いたとしても、時間はズレる」

土方「電車も同じで、必ず止まるが戻る事はねぇし
知恵の輪は…何だ?」


沖田「外れると戻らねぇ」


時計は止まると時間は進まない
電車は止まるが後ろに戻らない
知恵の輪は外れると元に戻すことが難しい


三つ共「戻らない」事を意味していた

二度と

戻らない


『幾ら時計に電池を入れても
電車の折り返しに向かっても
輪を戻そうとしても、戻らないんだよ』












+++

咲いて
(小籠として産まれて)
恋を知って

一度枯れて
(都佑として産まれて)
愛情を突き放して

二度
(もう一度小籠として産まれる)
全てに耳を閉じて











「折角だから遊んでいけ」

そう言った紀伊兄に
私はどうしようかと悩んでいた

銀「あーらら?可愛らしくなったなぁ?おいおい」

紀伊「小籠は昔から可愛い」

神楽「馬鹿兄貴ネ」

色とフリルがあるかないかでかなり違う
髪色や姿形は都佑のままだが
雰囲気が全く違う。

オドオドしながら呼吸をあわせ
胸を両手で軽く抑えて落ち着かせようとしていた

『ふぐぅ・・・神楽ちゃん達にまた何かしそうだもん、
紀伊兄がそんな笑顔見せたのは100と5年前の話だよ、
私信用出来ない』

ムッとしつつも土方の後ろに隠れ
左の下ろしている髪の毛を弄る

紀伊「まぁソイツの命は取るつもりだが」

土方「なんでだよ!」

総悟「奇遇ですねぃ都佑の兄貴
俺もずっとこの土方さんの命狙ってんでぃ」

『こぉらぁ!そこ!組むなぁ!!』

腕を上げたり降ったり指したり忙しくする都佑に
紀伊はクックっと喉で笑う


紀伊「仮に俺がお前の全てを壊すとしても
お前が傷付いた時にお前以外の人間を消すだけだよ」

『・・・だから信用出来ないんじゃない』

そういいながらも、遊びたいのは事実だ
何せ此処は夢の中で稀に見た事のある庭だったのだ
里の中でもかなり広い屋敷に招かれた都佑一行

何かありそうな気はするのだが
余り突き放すのも引ける

最近里の服も着れなかったのもあり
少々・・・いや、かなり嬉しかったりする

銀「何かありゃ飛んでくりゃいいじゃねぇか
折角だから神楽と遊んでくりゃいい」

神楽「此処はとっても面白そうな所アル!
都佑!案内シテヨ!」

そう引っ張る神楽に対して都佑は土方を見る
すると優しい目で「行ってこい」と言われた

『・・・こっちだよ、神楽ちゃん!』

ほんの少しだけなら




土方「・・・これでいいんだろ?」

紀伊「嗚呼、お前は案外面白いヤツだな。
人が変わった・・・いや、別人なのか」

総悟「都佑が小籠ってどういう事でィ」














小籠は狼族の中でもトップに近いほどの術者であった事。
他種族の人間に会い恋をして愛情を欲しがってしまった事。
それが禁忌で災いになる事。
そしてその人間を殺そうと夜狼が薄暮前に殺したこと

人間が庇った事。
その人間が土方の高祖父で在る事。
そして未夜が別世界で銀魂と言ったアニメを見ていた事。
未夜が其処でも土方に惹かれた事を話した

『…よく人の惚れ話をそんな軽々しく話せるねぇ///』
照れながらも土方に惚れていたことは全く訂正しない未夜

他人事ですから。そういった朝狼の長に
全くだわ。と棒読みで返した。