Novel - Carla | Kerry

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短編:其処までだとは思っていませんでした。

act 31.



時系列はすこ〜〜〜し戻り、メルが覚醒した直後から。

泣き止んでダリの言う事を聞くと言うことが判明した後
ロビンがそう言えばと声を上げた

「そのワンピースってどういう仕組みなんですかね?」

その一言にダリがメルを見てチェルーシルを唱えるが
全く発動しないのに疑問を浮かべ
モモノキやエイト…何ならオリアスの家系魔術を使ってまでしても
一つたりともワンピースが変化しないのに段々青ざめる一同

「まさか…ずっとこのままとか?」

「いやぁ〜〜〜」

「安名先生…ご自身で脱げますかね?」

そう心配をしだしたのは以外にもモモノキ
一人で食事がままならないと言うことは
まさか風呂の入り方すら覚えていないのではと考えたのだ。

それにはまさかぁ〜と全員が首を横に振ったが…
メルの『おふろ?』と言った言葉にぴしりと固まる。

「…ダリ先生、よろしければ私がご一緒に入りますよ?」

「…ん〜〜〜〜それは大変ありがたいお誘いではあるんだけどねぇ〜」

僕が居ないで泣きだした彼女が果たして全裸で
モモノキと一緒に何事もなく終わるかと考えて
普通にそうは問屋が降りないと思ったのだ。

ああ勿論いやらしいことじゃないからね?
単純に彼女が全裸で暴走されたら
色々こっちが気が気でないのだ。


そりゃあもう、黒歴史も良い所だ。

「ですがかと言ってダリ先生がという訳にも…」

「いやそりゃそうだよ何言ってんの」

『ん〜?メルのスカートの話してるの?』

そう飛び掛かって来たメルにそうだよーと言ってダリは聞く

「メルちゃん、君お風呂って自分で入れる?」

『ん?お風呂…おふろ、うん?はいれる??』

「…どうします?」

「お願いしようかな…」

そう頭を抱えたダリにモモノキは苦笑いして答え
メルの目線に合わせるように
そっとしゃがみ声を少し和らげて答える

「メルちゃん、私と一緒にお風呂入ろうか」

『…ダリは?』

「僕捕まりたくないよ???」

『ならやだ入らない』

どうやら捕まえたいようだ。
そうかそうか〜〜〜いやだなぁ〜〜
僕の悪魔人生ここで終わるのやだなぁ〜〜〜

そう笑うダリに周りも苦笑いだ

「それにしてもあんなに飛び回っていたのに元気ですよね。」

「ほんとね。子供になったのか分からないけど凄い元気。」

「メルちゃんのスカート見えるかと心配してたんだけど」

そう言った者に気付いたメルが大丈夫だよ!とニコリ笑って
ダリの膝から飛び降り前に出てくるりと回る

『メルのスカートの中は
まっくろくろすけなのだぁ〜〜!!』

「わ゙ーーーーーー!!!!」

「だめだめだめだめだめだめ!!!!!!」

「メルちゃん降ろして降ろして
降ろして降ろしてええええ!!!!」

そうメルがバッとワンピースの下を掴んで上に一気に上げる
それには男女問わず阿鼻叫喚。
そりゃあ普段顔を赤らめず驚かない悪魔も顔は真っ赤である。

急いでモモノキが上げたワンピースを下げて抱き着く
勿論男性陣もバッと目を背けたり瞑ったりした

「みみみみみみみ見てないですよね!?!?!?」

「見てない見てない見てない見てない!!!!」

『??????』

どーして驚いてるの?そう不思議そうにするのに
モモノキは大きくため息を吐いた後メルに言う

「駄目ですよ!人にそんなははっははは破廉恥な」

『はれんち?』

「“メル”、さっきやったのは二度としないって誓ってくれる?」

『…約束?それともお願い?』

お願い。そう言ったダリにうーんと分からなさそうにした後
とりあえずという分からないがまぁ話は聞こうと首を縦に頷いたメルに
ホッと周りは安堵で胸を降ろした。

「ごーめん、ついでにモモノキ先生申し訳ないけど」

「分かっています。彼女に教育しておきますので…」

『んぇ???』

では一度彼女をお預かりしますね。
そう言って手を握ったモモノキによろしくとダリは答える。

「何かあればすぐに連絡頂戴。駆け付けるから。」

「分かりました。ほらメルさん行きましょう。」

『う゛〜〜〜ダリ…やだ、置いてかないで』

そう嫌がりだすメルにダリは後で迎えに行くからと言うも
メルは嫌だと首を横に振りその場に強く足を踏み込んで駄々を捏ねる。

『やだ…やだも、魔樹もそうやって、
メル置いてったもん…みんな、みんなそうだもん。』

「メルさん……」

「ん〜でも僕流石に捕まりたくないしなぁ〜」

…あれ、ちょっと待てよ?

「(そういや…彼女、人間って言い聞かせてたけど
モモノキ先生に伝えてないのでは?)」

メルの背中に翼の管すらついていないことを知っているのは
ダリを含めて三人。バラムとエイトだけだ。
メルがモモノキととても仲が良く、
話をしているのであれば話は別だが…

いや、だとしてもこの状況。
大体ではあるが、泣きだして風呂にならず
そのまま全裸でダリの元に帰ってくる可能性が非常に高い。

「ん゛〜〜〜〜〜」

「暫くはタオルで身体を拭くだけでもいいんじゃないですかね?」

「そうだねぇ…そうするか。」

「ひとまずメル先生の部屋に衣服を取りに行きますので。」

「ごめんねお願い。」

はいはい解散するよーそう手を叩いたダリにメルがパッとダリの傍に寄る



「あ、モモノキ先生、僕の部屋って場所分かる?」

「え?…あ」

そう言えばそう言ったモモノキにダリは
今から行く?と誘う。
場所が分かってからメルの衣服を渡しに行くのであれば話が早いからだ。
それにコクリと頷いたモモノキはダリの隣を歩き出す


『んーー………』

そうもじもじ。歩き始めて数分。
メルはダリとモモノキの後ろでテトテトと翼を出しながら歩いていた

「…ダリ先生」

「うん、メル?どうしたの」

『…なんでもないよ。メル歩いてるから。』

嘘だ。確実に何でもなくはない。
寂しそうにトボトボと後ろを歩かれていい気分ではない。
ダリは足を止めてメルの目の前でしゃがみ教えて?と手を取り聞く

暫く考えた後、あのねぇとダリの目を見ずに言う

『メル…思った、ことある、けど…』

「いいよ?教えてごらん?」

怒らないから。そう言ったダリにほんと?とメルが涙目で聞いてくる。
うんうん。そう言ったダリにあのねと言って


『メルの…お手手、繋いで、歩いて欲しいの。』

「…え?それだけ?」

怒られると思う意味が分からない。
何故怒られると思ったのだろうか?
たった手を繋ぐだけで嫌がるなんてーーー


「(…拒絶されるのを酷く拒んでいると言うことは)」

昔、そうされたから。
それにはダリも思い当たる節がある。
彼女の母親の件だ。

もう魔関署に居るだろうが、彼女が虐待をしていたら
まぁこうなるのは思い浮かぶ。

それには腹が立ったが、彼女の前でするのは良くない。
ダリはニコリと笑い良いよ♪と言って手を広げた

「はいどうぞ♪」

それにぴくりと身体を揺らせた後、メルが少しだけダリから遠ざかる
目を見て、大丈夫かと。本当か?と不安げに。
ただ身体を震わせて。

…手を広げたのがまずかったか?
叩かれていたのを思い出させてしまったか。

すっと手を下に下げると、落ち着いて来たのか震えも少し止まり
そっと手を、小指をチョンと触れた後、握ってきた。

「よし、あるこっか」

そう言ったダリにコクリと頷いた後メルがモモノキの方を見る。
それに私?と目を丸くしたモモノキにダリが聞く

「モモノキ先生、メルちゃんの手握ってくれませんか?」

「ええ…もちろん」

そうメルに微笑んだモモノキにダリはホッと息を吐いた
メルが嬉しそうに目をキラキラさせたのだ。

ふわりと手を握ったモモノキやメルの歩幅に合わせて歩き出す
下を向いて、ダリの手を見てはモモノキの手を見て歩くメル
翼が揺れた後、スッと縮こまった。


『…ぎゅって、して?』

ごめん。ごめんなさい。そう言ったメルに
ダリとモモノキはお互い目を合わせた後メルに向かって良いよと言ってぎゅっと手を握る
するとメルがバッと顔を上げて二人の顔を見た後手を見た。


そのまま前を向いた後、すっと後ろを振り返る
誰かが居た様には感じないが…付けているのだろうか?

「メルさん?どうしました?」

『…なんでもないよ。』

ほらまた。君は酷く寂しそうに微笑む。
もう今すぐにでも泣きそうな程、悲しそうに眉を下げて。


まるで二度と叶わない願いを振り切るように。


「…寂しい?」

そう聞いたダリにメルはごめんねと答えいう。

『ダリとモモの手、違うのに、違うのに思い出しちゃったから。』

お願いしちゃった。ごめんね。
そう言ったのに良いんだよとダリは答える。

「君がやりたいように僕達にお願いしてよ。」

僕達が君にお願いばっかは、ちょっと嫌だから。
そう言ったダリにメルはこくりと頷いた。

『一度だけ、ママとパパがこうやって手繋いで歩いてくれた』

その時を思い出したくて…ほんの少しだけ。
パパとママでいてほしい。
ごめんね、そう聞こえない程に小さな声で言うお願いに
勿論とダリは答えた。


「そんなのお安い御用さ♪ね!モモノキ先生♪」

「っ!えぇ、確かに手を繋いで歩いていると親子みたいですよね」

「ははっ!メルちゃんが僕達の子供かぁ〜元気で良い子だよね♪」

ふふっと笑うモモノキとダリにメルは目をキラキラさせる。
それに内心ダリは安堵していた。
生まれたばかりの幼い幼い純粋な心を持っている彼女。

外側が必死に守ってきたのも頷けるものだ。
こんなにも、一つ一つのことで左右されるその純粋な心。
大事に大事にしてあげないといけないものだ。

「メルさんは好きな物とかあるんですか?」

『メル今が好き〜!』

「あはは、食べ物とかのことだよ。」

そう笑って答えるダリに食べ物?と首を傾げる。

『さっきのご飯美味しかった!!』

「あ〜あっさりめで美味しかったよね。」

「ご馳走になって申し訳ないです…」

「いやいや、ロビン先生も腕に寄りをかけて作ったって言ってたし。」

寧ろ食べてくれて彼は嬉しそうだったよ。
そう言ったダリにモモノキは救われる。

ホッと話をしている二人の姿を下から見てメルは嬉しくてニコリと笑う
するとふと後ろを振り返る。もうこれで4回位だ。

…一体君の瞳には何が映っているんだい?

『(ママとパパが…こうやって笑って話していたらいいのに)』

そうメルは思っていた。
何時も喧嘩して仲が悪かった二人。
メルの為に喧嘩していた灰色の世界。

それが彼らと手を繋いだ瞬間色濃く戻ってくる。
ふと後ろには昔繋いだ記憶が遠ざかって行っている。

このまま歩いてしまえば、忘れてしまわないか不安で不安で仕方がない。
でもこの手が何よりも温かくて、今の色が何よりも綺麗で。
こっちの方が良いとさえ思ってしまう自分が。


何よりも嫌で仕方がない。


だから、ごめんなさい。

願ってごめんなさい。

そう痛みを強く想うことで、報われる気がして。


でもふわりと温かい色が声が上から降りて来るの。
大丈夫だよ。怖くないよ。そう言って和らげてくれる。

痛い筈なのに、痛いと思ってしまわないといけないのに。


綺麗に拭い去ってくれるから。


『(此処に居たい)』

好きだ。温かい。そう思ってしまう気持ちを。
どうか忘れてしまえばいいのにとさえ思った自分を殺したかった。



+++++++++++++++


「此処が僕の部屋ね。女子寮はあそこから出て左に曲がれば戻れるから。」

「分かりました。では」

離れる手。するりと抜ける感覚を。メルは憶えているよ。


ーごめんね。

そう言って頬に頭に撫でる黒髪
ふわりと青い空が目の前を覆って風が肌を髪を撫でてくれる。

優しい時間。

…二度と叶わない時間。


「メル?」

『…なんでもないよ。』

言えなくてごめんね。













































































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