だからねぇ神様、お願いだから一人にしないで4
次の日、朝食を食べた都結は寝ていなさいと言われ、iPadらを駆使して絵を描いていた。もう家にいるのと変わらないのではと思うがな。仕方がないのだ。
「昨日の今日ですからね。」
『ウイスさん』
「駄目ですよ〜リキール様は勿論ですがビルス様も余りよろしくありません。」
一応距離は取っている。何なら朝食時ずっとリキールの方を見ていたのでリキールも視線を感じ取って耳を下げたまま食事を取っていた。母体に何かあったら責任など取れないリキールらからしたら今すぐにでも帰りたい気持ちだった。だが、帰れない。どうやら気付いたらあの場所に全員辿り着いていたらしい。
その前の記憶が無いのが気がかりだと言っていたくらいらしいし、なんならモヒイトらの方で全破壊神が集まって緊急会議を開いている状態だった。その中に大神官も出席している。都結も行こうと言うが、お前の出る幕ではないと天使らが抑えている状態で。この部屋にはウイスとサワア、それにコルンが居る上に外にも念の為カンパーリらが待機していた。都結が外に出れることは不可能であった。
「それに体調が良いとは言え、昨日の様に急変する可能性だってあるでしょう?」
『むう』
「こっちを向かれても許しませんよ。それに私が許した処でそっちの二人が許す訳ないでしょうが。」
『え、コルン様は分かるけどウイスさん駄目なの。』
「おや意外ですか?」
『うん。割とガチ目に意外かもしれない。』
「どっちですか。」
ですがウイスさんに関しましては我々よりも情報は多い方ではというのはコルンだ。確かに言えているは言えているし、実際ウイスのことも推していた時期だって持ち合わせている都結からしたら、まぁ分からなくもない疑問だったことだろう。が、だ。
『ウイスさんって割と放置して痛い目合せて覚えさせることしそうだなって』
「「あ〜〜〜」」
「何ですか二人して」
「だってするでしょう貴方。以前その類でマルカリータさんとひと悶着あったの忘れていませんからね?」
『え』
「詳細は彼のプライドに免じて省きますが、ちょっと揉めちゃいましてね。ウイスさんの方が放置してマルカリータさんが痛い目にあったことがあるんですよ。」
「アレは当然のことでしょう?何を今更そんな昔の話を掘り返してくるのですか。」
「こういう話都結さん好きそうですから。」
テンションを上げさせない話ではなかったのかとむすっとした顔のウイスにまぁそうですがとサワアが答える。
『まぁ悪口とかは嫌だけども、解釈的な観点とかだったら好きと言うか情報あって損はないですから。』
「私を騙そうと目論んでいるのですか?」
『理想は全天使を欺くことですねーーー無理かな?』
「何最初っから諦めてるんですか。」
「おや、でしたらコルンさんは許可出来ると?」
「そんなもの出来る訳ないでしょうが。」
『上げて落とすのが好きだなぁ〜〜〜〜解釈一致。』
「いらぬところで変な納得なさらないで下さい。意味が分かりかねます。」
『わかんなくていいんだよーーーー』
そう話を続ける都結が携帯を取ってSNSを見ていたらふと顔色が変わった。顔色自体が悪いほうではない、どうしました?と言った彼らに割とやばいかも、と話をする。
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「はぁ?ドラゴンボールが現実になってる?」
『そ、これ見て。』
「…これの何がまずいので?」
「あいや、確かに……ちょっと連絡しましょうか。電話繋げますよ。」
そうすぐにコルンが大神官に繋ぐ。どうしました?と声が聞こえてすみません会議中にと言ったコルンに周りの音が静まる。大神官が黙らせたのだろう。鶴の一声とも言える動きをしたのだろう。続けて話をしていると、都結が変わってと言うものだから変わらせれば、である。口調が一変する。何時もはふわふわして自信のない口調なのに、彼と話をするとなれば顔付きも声色も一変した。
『すみませんお仕事中お疲れ様です。』
「”いえいえ、貴方がそんな声色で話して来るとは珍しいものですね。何か問題が?”」
『ええ、今そっちに誰居ますか。』
「”天使というのであればそうですね…一応クスさんとコニックさんには出席させていますが。”」
『確かスマホ小さいのもありましたよね?私のお古でもあるやつ。クスにちょっと検索かけて貰っていいですか?クスいます?』
「”ええ音声を大きくして下さっていますから聞こえていますよ。”」
『ごめんね仕事中。あのね、ちょっとまずい情報出て来ちゃって検索して共有してもらいたいんだけど、クスさ、お姉さん確か私の
「”ええ存じていますよ。開きますか?”」
『お願いあとコニック』
「”はい”」
『お兄さん検索かけて”天使 破壊神 岐阜県”で検索してみ。ニュースの類出してごらん。多分テレビつけるよりもそっちの方が早いわこれえぐい』
わかりましたと淡々と言われたことを検索かけて、彼女らの手が止まる。やばいやばいとPLaudrでは話題になっていた。堂々一位をランクインしている。画像をも、だ。その言葉は
「…なんだこれ、俺達、か?」
「…これは面倒なことになりましたね。」
『コルン』
「今連絡取ってます。」
『流石対応神だわ』
「お褒めにつ…嗚呼白鳥さんですか。すみません都結さんの携帯をお借りしてます。こ…”
「”今何をなさられて?”」
『店長と話付けてる。”声入ってる”からね。』
「”わかりました”」
大神官は文字を書いてはビルスに手渡しする。其処にはこう書かれていた。
”今通話している者に声を知られてはなりませんので、黙っていてください”
クスやコニックに目を合わせてしまえばクスらが軽くカーテンらを閉めていく。この状態であればほぼコニックらが住んでいただろう家にビルスらが住み着いた方が早いか…いや、下手したら大神官らも例外ではないことになるだろう。
『ちょっとごめんね”律人”さん白鳥さんとも話をするね。』
「”ええ構いませんよ。嗚呼それでしたらいっそのこと”
『嗚呼その手があったか。そうだねそっち行こうじゃ通話きりまーす。』
所謂lineみたいなものだ。軽くタップをして通話に入る。こっちの方が気は楽だが、白鳥の方に何かがあってはいけない。全力で行かせて貰おう。
『嗚呼すいませんおつかれさまでーす』
「”おつかれさまでーす、随分と面倒事に巻き込まれてるね?”」
『ええ、白鳥さん今何してます?』
「”今?今”散歩ついでに”煙草買いに”行ってる”ところだよ。”」
『…嗚呼そうですか。ならいいけども。』
コルンの目が変わる。以前暗号系の話を問い詰めた処、一つこれだけは、とネタ晴らしをしたことがあった。
ー暗号?なんですかそれ。
ー超緊急用でね。ほら大神官様以外にも君らに名前渡してるでしょう?
ーええ
ーそれ偽造だからバレると我々捕まるんですよね。
ーなに危ない橋渡ってるんですか。
ー色々あってそっちの方が都合良いのよ。で、だ。万が一周りにお前らが本来の状態として周囲にバレた時の対策を考えていてね。
ーまた大規模な…それで?
ー海外の子と仲良くてな。暗号の類は色々あってね。こっちでは意味の分からない繋がり、都結の直感を丸暗記してしまおうとおもって。
ーそれ白鳥様に多大なるご迷惑及びご負担がかかりそうなのですが。
ーっははは、それくらい良いって!
君達がこの子を幸せにしてくれると断言してくれるならば。
「(ええしてみせます。この命に代えても。)」
最悪な終焉を覆すことだって、躊躇わないことだろう。
『え〜じゃあ買い物ついでにさ、頼まれてくれません?』
「”はー?何。何が欲しいの。”惑星”?”」
『”意味わかんない”んだけど笑う草しか生えない。あのね〜”電池”』
「”お前ま〜た適当に使って捨ててるだろ”」
『てへぺろ』
「”まぁ良いか。後は?”」
『後は”シャー芯”と嗚呼”定期券”買うの忘れないで。』
「”それ今お前が帰る時に忘れない用で言っただけだよな?俺分かってるからな???”」
『てへぺろ第二弾』
「”するな”捨てる”ぞ。”」
『あっあっおやめ下さいませ〜お客様〜命が助かるんです。やめろ私の命を救ってくれないんですか!”救いなどないのですか!”』
「”はっ”そんなのあるわけないだろう”?だって”神など何処にもいないのだから”だろ?”」
『えっ天才過ぎる結婚しよ。』
「”式場は此処か?”」
『あっすいません。”病院が来い”ですね。』
「”それ”メディカルチェック”行きでは?式場以前の問題かよ。”」
『すみません”健康診断”では対応しきれなくて…』
「”ちょおま、それ”精神科”行きじゃ待てよおいこら笑わせんな!”」
『そいじゃ”お買い物宜しくね”』
「”嗚呼また”帰る前に連絡する”ようにはするよ”」
『おっなしゃーーーす。』
「…あの、何の話を?」
『じゃあ話を続けようか。ちょっと待ってね。今文章書いてる。』
ペンと用紙を使ってサラサラと書き殴っていく言葉にぎょっとするが、しっと言った声に黙るしかない。暫くしてじゃあ説明しますねと都結が説明する。
『やっぱりそっちに行った子全員待機で。”陽射し”が強いから出ない方が良いよ。肌弱い奴いるでしょ。』
「”…嗚呼そうですね。”」
『後でゲームしたい』
「”何です?また攻略の類ですか?”」
『そ”乙女ゲー”でちょっと攻略難しくてさ。一発いけるからお兄さんの力かりたくて。』
「”はぁ……仕方がないですね。”カレー四人前”で手を打つことにしましょうか。”」
『えーーーー多いて。”分割”だとしても多いて”工藤”。せめて”三人”』
「”二人”」
『あーーーしゃーない。乗った。』
「ありがとうございます。では一度切りますね。」
『あーいおつかれでーす』
ぴっと音を立ててはぁーーーーーと声を出す。用紙に書き殴っている手は震えている。軽く抱きしめてやったウイスに、軽くお辞儀をする。
=これ不味いね。多分録音何処かにとられてる可能性高いわ。誰かトイレ行って。
「ちょっとトイレに。」
『いてら〜。いやだ無理乙女ゲー詰んだ。』
「全部攻略したらいい話でしょうが。」
一度サワアに席を外させる。用紙を持たせ、外にいる人間らに通達する為だ。
「…ふと思ったのですが都結さん。」
『あいなんでしょう。乙女ゲーはやらせんぞ。』
「いやそうではなく…それって攻略なのでしょう?」
『おう』
「でしたら”書いてしまえばいい”話なのでは?」
『あ』
天才か。そう言った都結にお力になれればとウイスが声を掛けた。
=ウイスさんマジで天才。お前が優勝だよ。
=おほほほほ、それはそれは。何を報酬で頂きましょうか。
=…あの執筆ですら笑い声必要になりますかね、これ。
そうカリカリと音を立てて文通ならぬ文字の交流をはかる。
『待ってこれ普通に方程式でるの草。誰だよ出したヤツ。』
「貴方が作ったゲームですよ。」
『おこなんだけどおこだよ。』
「まぁ律人さんが内容は作っていますし、ほらやりますよ。手伝って差し上げますから。」
『やだーーーーーーー』
「じゃあカレーだけ支払いを」
『もっとやなんだけど』
笑いながらもナイスと空欄に文字を入れる。それに丸をし、ありがとうございます。と礼を書いたコルン。
白鳥からの話はこう、だ。
”外に出て様子を見たが、ほぼ全員がお前らの事情を知っている状態になっている。先日の映画の件もあり、やけにコスプレの高い破壊神が目撃された情報がSNSでバズっている。出来れば今すぐ其処から離れた方が良いが、難しいなら今から車を飛ばして何人か連れていくがどうする?四人で行きたいが。”
”流石に四人は無理。せめて二人がいい。後その話は知ってる。もう情報取ったし今大神官様らが緊急会議してるからね。”
”流石”
”煩い。一応筆跡で基本行動するつもり。電車を使おうか悩んだけどどうしよう。”
”いや止めた方がいいだろこれは。この暗号を使っている時点でお察し。違わないだろう?命を捨て去るなんて嫌だろ。ましてやお前ではない、他の人間らが含まれた状態で、だ。”
”それもそうか。そうだね。救いなどは考えない方がいいか。それにしてもお前本当に白鳥だよな?なぁ、救いはないよな?”
”勿論俺だよ。白鳥だ。あり得る話に決まっている。信じていいよ。だって神は何処にも居ない。俺達人間、藻掻き足掻け動けるだけの人間しかこの場所に存在していない。誰もいないよ。安心して良い。”
”ソレは良かった。ただ病院用の薬が今手持ちに無いからね。こっちも動けないし。それだと帰りたくても帰れないね。”
”嗚呼帰ってくるとか考えない方が良いかもなこれ。精神チェックを常時して兎に角維持していた方が良い。最悪タルパでもなんでもかんでも頼ってしまえばいい。ま、最悪精神の停止も視野に入れとけよ。お前得意だろそういうの。”
”待って普通にきつくない?精神病棟直行では。まぁいいか。そいじゃ。”
”嗚呼。動くとしたら深夜の一時から三時の間に落ち合おう。”
”了解ご武運を”
”其方こそ”
=って感じですね。
=とりあえず頭のネジが別に付けられてるとだけは理解出来ましたね。
=これで通じるってもうどっちもどっちな気さえしてきましたね。
=とりあえず大神官様の方面も伝わってるからね。だってこれ大神官様の時に考えたものだし。
=良く貴方精神保ててますね。
=きついけど大分子供で救われてる。
=幸か不幸か、ってやつですか。
そういうことだ。大神官には外に出る人数制限の話をしていた。カレーはじっくり練って考えてから個々で動ける人間を采配したいという意味だ。一応二人行動を原則としたいし、出来るだけ同じ宇宙の人間がとも行かない方が良いという暗号も渡している。恐らく良い感じに動いてくれることだろう。
=目的地は?
=一応西か東か北か南に行こうと思ってる。
=あの全部なんですが
=皆私の感情読み取ってくれよな♡
=我々エスパーではないんですよ。
まぁ私と言えば、である。少なくとも天使が破壊神を連れていくならば行けることだろう。一つの場所に入ればきっと道は開けることだろう。今度こそきっと。そして私は
『(嗚呼選ばれし時が来たるとはこのことを指すのだろうか)』
この選択を間違えたら、もう二度とコルン様達とは出会えなくなってしまうことを、私は気付いてしまったのだ。