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「改めて、よろしくなまえ。」
「よろしくお願いします、ハンジ班長。」
「そんな堅苦しくならなくていいよ、一緒に頑張ろうね。」

ちょっと変わった“ハンジさん”の班に配属が決まった。歓迎会の夜、アルコールも入り新兵たちの緊張もほぐれた頃。顔の赤いハンジがモブリットを連れてなまえの前に座った。

「なまえはなんで調査兵団を希望したの?」
「うーん。地域住民と関わるの苦手だし、巨人見てみたいし、選択肢が残ってなかったんですよね。」

今日のランチを選んだ理由でも答えるかのように、さらりと言ってのけるなまえに一瞬間をおいてハンジが笑い出した

「ハハハハッ!なにそれ!人間より巨人の方がマシなの?すごい大物新人が来たよモブリット!」
「落ち着いてください、ハンジさん!」

いい気分のハンジに肩をバシバシ叩かれている
モブリットも若干顔が赤く声も大きい。人間と関わるより巨人を見てみたいなまえに興味津々のハンジは前のめりになって巨人に興味があるのか質問攻めにしている。

なまえ自身、いままで巨人を見たことはない。しかし巨人についての知識は同期の誰よりも持っている自信がある。訓練兵団の資料室にある文献や調査報告書はすべて目を通したが
一番の謎である巨人の発生源はほぼゼロといっていいほど情報がない。生殖器がないのであれば、どう増えているのか。分裂で増えると仮定しても、項を切れば蒸発するのであれば、この100年で、もう少し個体数が減っていてもいいはずでは。誰かの意図があり、巨人を作っているのではないか。

「巨人の存在で利を得ている者がいるのでは、そんな仮説に行きつきました。」

モブリットがハッとし、ハンジに目を向けると
真剣な顔つき、だが微笑み頷いていた。

「うん、うん。すごくいい仮説だよなまえ
。巨人の発生源には謎ばかり、意図的に隠されているんじゃないかと考えたこともあるくらいだ…」

巨人の存在は壁内人類にとって脅威であり、行動領域が制限されている最大の原因であることは明らか。巨人の存在を解明していくことが人類の存続に繋がる希望。

「巨人の謎を解明しましょう、ハンジさん。」
「…うんうん!そうだよね、なまえ!調査兵団の使命は巨人の駆逐だけじゃない!」

なんでそれがわからないのか、あの堅物は。と団長のキースを睨むハンジの様子に焦るモブリット。

「ハンジ、あまり睨むと後が面倒だぞ。」

背後から聞こえら声に振り向けば金髪碧眼の大きな体、エルヴィン分隊長が苦笑している。その横には入団式時同様の不機嫌な顔の男。

「歓迎するよなまえ。ハンジの下は大変だろうがモブリットと上手くやってくれ。」
「はい、よろしくお願いします。」






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