刀剣ショートストーリー
×××翡翠の約束 1
その男は、名を持たない刀を腰に下げ、青空に大きく拳を突き上げ意気込むと、その他大勢の一人として戦場を駆け出す。
大将首を獲れたことはない。
大将に存在を認知される様なこともない。
それでもただ直向きに己が大将のためと刀を振い続けた。
負け戦で、命辛々逃げたこともあった。
戦世の都合で大将が変わる事だってあった。
仕方がない事なのだ。
名のある名家に生まれたわけではない、農民の出なのだから。それでも己が身と、名の無き刀で、戦乱という時代を直走り続けていた。
本文