ごちゃ倉庫

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◎夢ネタ

夢ネタ

==受けは、紋章を無理やり受けこまれた、敵国を倒すために育てられた青年。
紋章は、マナビスの紋章とキファラの紋章を宿している。

マナビスの紋章を宿すものは、“リシド”の血が流れる人々にとって絶対的存在であり、その力が強いものであればあるほどその紋章の力に惹かれてしまう。
当然、傷つけることはできないことはおろか、愛されようと時に仲間同士で争いが起こるほどである。
その紋章は貴重な紋章であり、見つかれば国で大切に保護される決まりがある。
また、マナビスの紋章をもつものも、リシドのものの精で生きる。
長期間精を得なければ、飢餓感で力を暴走させ意識を失ってしまう。


〜〜〜
 この世界で、一番頭が良く強靭な肉体を持つものはリシドで、この世界はリシド人によって支配されている。
リシド人は特殊な力・紋章を宿すものが多く、通常の人間には持ち得ない自然のチカラ・魔の力を使えるものが数多くいる。
リシド人は、その通常の人間には持ち得ない力で世界を支配し、人の世の頂点に君臨している。この世で敵のいないリシド人は、リシドの為だけの世界を作ろうとしている凶悪な人間だ。

そう教えられたのに…
 僕を抱きしめて眠る、この男は本当にリシド人なのだろうか…。
目の前には、ハッと息を呑んでしまいそうな綺麗な男。彼はリシドの血が流れるこの国の王。
そして、僕は敵国の兵士の一人だった。
戦地で瀕死だった僕を、この男は助け介抱してくれたのだ。

こんなに優しくされたのは初めてで、僕はすぐに男のことが好きになった。
この男にならば殺されてもいいと思うくらい、僕は彼が好きで好きでたまらなかった。

だから、この国にきてすぐに彼に告白し、困惑していた彼を無理やり襲った。
最後でもいい、斬られてもいいからこの男に抱かれたいーと。

 幸いなことに、初めて抱かれたあとも彼は僕を殺さずに側に置いてくれた。夜よく悪夢を見てしまうと話してからは、僕を同じ寝床に誘い、抱きしめて寝てくれるようになった。
好きだよといえば、微笑んで頭を撫でてくれる。

 その笑顔で僕は胸がいっぱいになって…
だからこそ、彼に告げることができないのだ。
この紋章は仮初のものであり、もっとちゃんとした適合者がいるのだと。

この国では神のように崇められるマナビスの紋章を複製する技術を開発したのがこの国の敵国の科学者だった。
他人の紋章を移す作業というのは禁忌であり、認められていない非合法のもので、宿しても紋章に体がついていけず大半は命を落としてしまう。
幸い僕の体は拒否反応が酷かっただけで、命を落とすことはなかったが、通常マナビスの紋章者が宿すであろう自然のチカラが一切使えなかった。
僕が知る限り他に3人、マナビスを紋章を宿されたものがいたが皆僕と違い優秀な人間だった。

だから、リシド人との戦争に実験のように駆り出されたのも僕が最初で、一番最初にこの男にあえたから男は僕を大切にしてくれるのだ。

きっと、これから本物の紋章持ちがきたら何も持たぬ僕なんてすぐ捨てられる。
この輝かしい男と違って、僕は美しくも可愛くもない、地味ななにもないものなのだから……。


「ん…、キファ?」
寝ぼけた声で僕を呼ぶ声に、キュンと胸が高鳴る。
僕はそっと彼の口づけて、「はい」と小さく返事をした。

「おはよう、リイチさま」
「さまづけじゃなくていいって言ってるだろう?
昨日の約束もう忘れたのかい?」
「で、でも…」
「約束が守れない子は、お仕置きしちゃおうか」

ニッコリと微笑む彼に、僕の顔は真っ赤になる。
昨日名前呼びを強要され、呼べるようになるまでひたすら抱かれて……途中から我を忘れたように彼の名前を呼んだんだっけ。

あんなにして僕はヘロヘロになったのに…眼の前にいる彼は起きがけなのに元気だった。

「お、お仕置き…」
「真っ赤だね…、思い出しちゃったの?キファ」
彼は僕の耳朶にキスを落とし囁いた。

「う、うん…。あの…だから、お仕置きして…」
どんな風に扱ってもいいから、捨てないでー。
僕を愛してくれなくてもいいから…他の人を好きになってもいいから…ーー。

そう願いを込めて彼の服を握りしめていると
「キファは、何に怖がっているんだろうね…。俺じゃまだ君の怖さを取り除いてあげられないのかな。君を幸せにできなんだろうか」
彼は少し残念そうに、そうつぶやいた。

幸せです、僕はあなたに会えてとても幸せなんです。
幸せだから、怖いんです。今ある幸せがなくなってしまうことが…

「愛しているよ、キファ」
そっと彼が僕の額にキスをする。
僕たちがベッドから抜け出すのは、それからしばらくしてのことだった。





**
キファー
紋章を無理矢理施された青年。
紋章を埋め込まれたときは激痛で死にかけた。
基本的に他人の紋章を持つことは禁忌であり、人体に大きな影響を及ぼす。そのため、禁忌を犯したものは罪人として扱われ投獄される。
リイチに好きな人が出来たら、何も言わずに出ていくつもり。(のちにお仕置きされる)



リイチ
リシドの血を強く惹く王様。
キファラの紋章持ちを長く探していた。
キファラには一目惚れ。
キファーが思っている以上に溺愛しており、キファーが逃げ出さないよう・マナビスの紋章に惹かれたものに奪われないように目を光らせている。

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百万回の愛してるを君に