ごちゃ倉庫
◎ドライビングハニー。@出会い
2011-6-13 02:18
ドライビングハニー。@出会い
目が奪われる一目惚れみたいなことなんて本当にあるんだな……。
それは、俺が教習する生徒を学校のロビーで待っている時だった。
「…すいません、お兄さん…」
やけに顔のいい男が俺に声をかけてきた。
背は日本人にしては珍しいスラリとした八頭身。
サラサラとした漆黒のストレートの髪。
鼻が高く、こういったらなんか古い表現かもしれないけど甘いマスクをし、少したれめかかった目許。
長い長い足にデニムのズボンを着こなした、まるでメンズ雑誌の表紙からそのまま出てきたような…
凄いイケメンがいた
あまりの美貌に、俺は仕事中な事も忘れ、見惚れる。
うっとりとしてしまう美貌ってこういうのを言うんだろうな。
面食いな俺はついつい必要以上に男の顔を見続けてしまう。
「あの、お兄さん、ここの職場の人?」
「あ、あぁ…教官だが…」
「教官さん!へぇ〜、若いのに凄いんだ」
「…そんな事はないが……」
そうキラキラした瞳で見られると照れる。
俺・小向剛はこの自動車学校で教官をやっている。
主に実技担当で、生徒が車を一人で立派に乗れるよう練習し指導している。
最近では女の教官もたくさんいるし、指名制により教官を選べるシステムにもなっている。
俺はその教官の中ではわりと若い方。現在、28歳だ。
「あっそーだ!俺、受付行きたいんだ!今日から通うから」
「受付…か?受付ならすぐそこだが…
ほら、あそこに看板あるだろう」
俺は手を挙げ、受付のある看板の方を示す。
男は、ああ、あそこかぁ…と呟き、俺に礼を言う。
「ありがとう、教官さん。入ったら宜しくね…!俺教官さんみたいな人に会えるなら毎日楽しみかも」
男はそう言って、俺に笑いかけた。
ふわ…っと、軽く口端を挙げた、笑み
瞬間、ドキリ…と、胸が跳ねた。
嗚呼、どうやら…俺はまた……
「早く…免許取れるといいな…」
どうやら俺はまた、同性の生徒に恋してしまったらしい
しかも今度は一目惚れだ。
指導者、なのに…
俺は…。
「俺頑張りますね、んじゃー」
男は俺に一度頭を下げて、案内した方へ小走りにはしっていく。
彼とはまた会えるだろうか…
会えるといいな…
できれば俺が指導したい。
遠ざかっていく背中に、ひっそりとそんな事を思った。

