ごちゃ倉庫
◎吸血鬼のなやみ。
2011-7-24 15:53
吸血鬼のなやみ。
僕たち、吸血コウモリは、仲間がなによりも大事です。
血の繋がりでしょうか。
仲間が血をすいそびれたときは自分がのんだぶんを吐き戻して口移しで血を分けてあげるし、血を分けてもらったコウモリは恩を覚えて、そのコウモリが血にうえたときは今度は自分が血を明け渡すのです。
最近のコウモリはそういったコウモリばかりではなくなりましたが。
でも困ったときはお互いさまです。
僕も、血を吸うのは下手ですが、お腹がすいているコウモリがいれば血をわけてあげました。
ある日、僕は仲間に血をあげすぎて、ボロボロになってしまいました。
どうやら僕は悪い仲間に目をつけられたようです。
彼等はロクに血を探したりはせず、僕に困っているから…といつも血をねだりにきていました。
小柄な僕が彼等に反抗できるわけなく…
いつも僕は口づけを奪われ血を奪われます。
彼等を助けなければよかったのでしょうか。
ここ最近は彼等に血を吸われすぎてロクに摂取できませんでした。
ぼんやりとする視界の中、僕はそっと目を閉じます。
昔…
僕が初めて、血を明け渡した同胞がいました。
彼は、僕を好きだと言ってくれ、いつか僕のピンチにはかけつけるといってくれました。
彼に…最後に彼に会いたい…
僕はそう思いながら…黒ずんでいく視界にすべてを委ねました。
*
次の瞬間、僕が目を覚ますと…僕はフカフカしたおふとんに包まれていました。
ふわふわでフカフカで。
温かなお日様のようです。
ここは天国なのでしょうか。
あんなにおなかが空いていたのに、今はおなかは満たされ、元気です。
こんなに元気なのはいついらいでしょうか。
手足を見てみると、血のが通い、肌の色がよくなっていました。
「おきたのか…」
「えっ…」
突然声がし、僕は急いで声の方へ振り返ります。
そこには、カッコイイ背が高い男がいました。
黒い濡れた髪に、黒い黒い瞳。
ス、と切れ長な瞳に、薄い唇。
どこか冷たく感じる表情のヒトが。
「あ、あの…」
「だいぶ元気になったな…」
くしゃ、と僕の頭に手をおき微笑みかけるそのヒト。先程の冷たそうな空気が一転、笑うと優しそうなヒトへと代わりました。
トキリ…となぜだが僕の心が大きく跳ねます。
「あ、あの…あなたは…」
「あぁ、俺はお前の花婿だ」
「は?」
はなむこ…?
花婿って…?
「あの…」
「安心しろ、お前が血がなくなれば俺がお前にやる。お前はただ俺に愛されていればいい…」
男はそういって、僕の顎を持ち上げ、チュ、と軽く唇を落としました。
「愛してる、我が花嫁」
「は…はぁ…」
甘く囁く彼
僕はただただ自体についていけず…
軽い返事しか返せませんでした……

