ごちゃ倉庫

09/05

◎いちゃいちゃしていい?


2015-12-15 10:07

いちゃいちゃしていい?






いちゃいちゃしていい?


ずっと秘めた思いがある。
誰にも言えない、秘密の思いが。

俺の名前は五十嵐優太。高校二年生。

俺には好きなやつがいる。
好きな人、じゃなくて好きな《やつ》
不毛すぎる片思い。

やつの名前は宮田新之助。通称しん。


「しん…」
新は俺の同級生。
並びに俺の親友である。

ハズなのだが…。

「んぁ?なんだよ」
「なんだよって…急にいなくなるから」
「別にいいだろ、どうだって。
どこにいようと…俺の勝手」

新は最近…どうも俺を引き離す。前は四六時中一緒にいたのに、ここ最近はわざと俺を裂けているようにも見える。

俺の事嫌いになったんだろうか。それともこの新への気持ちがばれてしまったんだろうか。

前よりも新は俺のそばにいなくなった。

前はいつもそばにいたのに。
新が隣にいたスペースが寒い。
からっぽで…寂しい。
新が…俺をさけ始めてからズキズキと胸も痛む。

嫌われてさけられる事態、なんて好きになった時から考えていたのに。

今、新にさけられて凄く胸がいたい。

さけはじめてから新は、俺の隣よりも女の子の傍にいることが多くなった。

まるで俺に対するあてつけみたいに。

新にほれている俺へ、諦めろと言っているように。


今も。
新は楽しそうにクラスメートの女の子と笑いながら談笑している。

新は高校生だし男だからやっぱり女の子の傍がいいんだろう。
俺、なんかよりも。

考えると心臓がちくりといたむ。麻酔のように鈍い痛みを伴いながら。


でも、俺は新が好きだから…。

だから俺は新の後を追うんだ。


女々しいかもしれないけど…
嫌いと直接言われるまでは、新の隣にずっといたい。

ずっと、新の後ろを追いかけていたい。

俺には必死に追うことでしか新を捕まえられないから…。

《好き》
《愛してる》
《側にいて》


言葉で縛ったら自由な新はきっと俺の隣からいなくなるだろう…。

ふわふわと、風船のように。
だから言えない。

すきも愛しているも。
側にいての言葉も。

ただ必死に傍にかけよることしか…
俺には出来ない。


「いくな、新」
「五十嵐…?」
ぎゅ、と新の服の裾を持つ俺。目を丸く驚愕する新。
…どうか新、俺が追えないところまでいかないで。

それが俺の願い。


言葉はいらない。
受け入れられなくても構わない。


欲しいのは、お前の傍。
軽々しい愛じゃなくて温もり。

「おそいんだよっ。ば〜か」

ワシワシと俺の頭を撫でる新。

大きな手。

にやりと笑う男らしい笑顔。
さけていたハズなのに、期限よさそうなえみ。

その笑みは後どれくらい見れるんだろうな…。



なぁ、新…


俺追いかけるから…。



おそいかもしんねーけど


精一杯お前の後を追うから。


だから行かないで…。

ずっと見えないところまでいかないで。



「困るんだ…」


独りになるとどうしようもなく、不安になるんだ…。


しん、お前が傍にいないと



「しん、お前がいないとっ…
俺は…」


俺は凄く泣き虫だ。

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