ごちゃ倉庫

09/05

◎無題


2015-12-15 10:18

なぁなぁ




あいつ…あいつは全て俺とは違う。

頭が良くて人気者で友達も一般いて。

なんで、俺となんているんだろう。



「雅[みやび]よそ見、しないで」
「はいはい」
「もっと、撫でて」
「はいはい」

言われた通り優しくやつのちょっと固めの、ツンツンしている銀髪を撫でてやれば、やつは嬉しそうに目を細める。

やつの名前は光善寺光一。
光という字が名前に二つもついているやつだ。

俺の名前は田村雅。
雅なんて女の子っぽい名前だけど、中身や外見は平凡ぼんぼん。

どこにでもいるようなやつだった。

それに引き返え……こいつ、光一は凄い人気者だ。

テストはいつも学年10番以内だし、スポーツをやらせれば、どんな球技も部活やっているやつよりも上手くこなす。

とにかく、漫画とかでいるような、美形で頭がよくてスポーツもできるようなやつ。


それが光一だった。


「雅〜」
「なぁに?」
「えーとね、俺雅のコト、好きだよ」
「…そう」

まるで、パタパタと尾をふり主人を待つ犬のように、俺を伺う光一。

俺も、好きだよ。

なんて。
言える訳、無い。

光一は、俺なんかよりも、ずっと凄い人間だから。


好き、なんてたやすく言えない。
そんな言葉で、しばっちゃ、いけない。




曖昧に光一の言葉に笑みを見せれば。
光一は少し顔を曇らせた。


「光一?」
「雅……」

ちゅ、ちゅ、っと顔中にキスを落としていく光一

光一のファンの子がみたら、きっと、憤死ものだろう。
「光一…」
「雅…」

なぁ。
いつまで光一は俺の事見てくれる?

なんで、俺なんか、好きなの?

頭を霞める思い。
でも結局、口にはできない。


弱い、俺だから。
お前の、言葉を、信じる勇気がない、俺だから。


「ね、雅」
「ん?なぁに?」
「覚えて、いて。俺は雅の為なら何だってできるから」

真剣な表情でいう光一。
トクン、と胸がなった。
心地好い、心音。


「光一……」
「好きだよ。雅」
「………うん……。」


ずっと、好きでいて。


弱い俺はそう願うしか、ない。

平凡でお前と釣り合う事ができない俺は。


ちゅ、っと音をたてて唇に光一はキスをする。


俺は堪らない気分でそれを受けていた。


2015-12-15 10:19

なぁなぁ2





おれの好きな人。
名前を、田村雅という。

大好きな、大好きなやつだ。

いつもおれの面倒みてくれるし、なにより優しい。


おれは、なんか、周りからかっこいいとか言われるんだけど、実際は全然ちがくて。


馬鹿だし、会話を理解するのが下手だし、アホなやつだった。


雅とあったのもたまたま、失敗して、泣いた時だ。


あの時は、まだ、誰も俺を理解してくれるヤツがいなくて。

俺は、初めて会った雅を睨みつけたんだ。

そしたら。
雅はそんな俺を嫌がりもせずに微笑んで。



『辛いの……?』

俺に、そう優しく尋ねた。


辛い。
そう、辛かった。

誰も、俺をみてくれなくて。俺じゃない、虚像の俺を作り上げていて。

凄く苦しかった。


それを吐露すれば、雅は優しく俺の頭を撫でて慰めてくれた。

『大丈夫だよ』
って。

その時思ったんだ。

俺を理解してくれるのは、こいつしかいないって

雅しか、いないって。


雅しか、俺にはいないって。


その時、俺は雅に恋をしたんだ。
雅は今まで俺に抱いてくれと懇願してきたやつと全く違った。

俺は雅を抱きたかった。
好きだった。

だから甘えたり、キスをねだったりするのに……


「はいはい、光は我が儘だな……」

雅は俺の気持ちが全く通じていないかのように、俺に接してきた。

まるで、ペットに対するかのように。


甘やかしもする。
チューしても怒らない。

でも、俺を、『男』としても見てくれない。

それどころか、きをぬけばすぐ、どこかへふわふわと消えてしまう。


ー雅、
俺の大事な、雅。


「雅……」

どうしたら、雅に俺の気持ちが伝わるんだろう。
どうしたら、雅が俺を好きになってくれるんだろう……


雅に甘えながら、今日もぼんやりとそんな事を思った。

←prev | next→
更新通知
#note#
更新通知
百万回の愛してるを君に