旅館に着くと女は絶景が見える窓を開け、身を乗り出した。

嬉しそうな表情の彼女に近付く。
スラリと伸びた脚に程よい肉付きのお尻が俺の欲を掻き立てる。



だが、焦るのはまだ早い……。


笑顔の彼女を手招きするとまるで猫のようにしなやかに傍へと寄ってきた。
彼女を連れ立ってバルコニーへ。


そこには円形の露天風呂が。温泉の色は乳白色だ。

何ともエロい。

俺はすでに次起こるであろう出来事を想像し始めている。



女の顔が近い。
上目遣いで何かを訴えてくる。


ぽてっとした形の良い唇が男のそれに吸いつけられる。


ついばむ様なキス。
やがてそれは熱を帯び激しくなっていく。


「はぁ…はぁ…」

俺はキスに弱い。
下半身が己の存在を主張し始める。

もういいや、下着汚したくないし。
パンツも一緒にジャージを下ろす。


女の手が男自身に伸びる。
小さな白い手だ。

キスをしたまま、その手は前後に優しく動かされる。


されるがまま、というのも男として体裁が悪い。
彼女の上着を脱がせ、中に着ていたキャミソールとブラジャーはめんどくさいから上にずらすだけ。

手に程よく包み込まれる大きさの彼女の胸が露にされる。
男は身を屈め、向かって右側の乳房にむしゃぶりついた。


『はぁ…んっ』

(……っく!)
甘い嬌声を聞いただけで、俺は昇天しかけた。
何という破壊力――松本ルミ、恐るべし。


――ドンドン!
「一松兄さん、うんこ中?!それともAV鑑賞中?!」


(………ちっ、十四松)

イヤホンを外し、スマホの画面を閉じるとさっきまで張り詰めていた下半身の俺も一瞬にして萎えた。

一応水を流し、外に出ると相変わらずのアホ面の十四松がヘラヘラとこっちを見て笑っていた。

「ねぇねぇねぇ!うんこ?オナニー?」

『クソが長引いただけだ』
「そうかぁー!うんこかー!!」


これだからプライバシーのないこの家は。
発散する機会さえ与えてくれない訳で。




欲望はいかほどにも忠実





松本ルミ――
彼女は彼女に何処となく似ている。

例えばぽてっとした唇だとか、ふと此方(カメラ)を見る流し目の角度とか。

いつもの如くスマホでダラダラと夜のオカズ探しをしている時、偶然彼女の作品に出合った。
名字に“松”が付いてるため妙に惹かれたのだと思う。

企画自体は何処にでもあるような、ただ男優にされるがまま、善がって抱かれて中に一発ぶち込まれるような、どっちかと言うとあんまり面白くはない作品だった。
いつもならすぐ別の動画に手を付ける。


それなのに、俺はあろうことか、彼女で3回も抜いた。


この日を境に、今度は別の女では抜けなくなった。


彼女は彼女に何処となく似ている。
それは淡い高校生の頃の初恋だった。


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