Short short


※1話未満、ボツ供養。気が向いたら続くかも

19, 01, 04

フーゴ

even if

某曲より
フーゴ → 他に相手のいる主人公


街で偶然を装って彼女をカフェに誘うけれど、本当はずっと前から連れてきたかった。そうとは知らない彼女は、先日他の男から貰った指輪を嬉しそうに眺めていて、胸が痛くなる。

「貴方って人は……だらしがないですよ」

呆れた風に言ってみるが、腹の中は煮えくり返っていた。今すぐにその指輪を奪ってどこかに捨ててしまいたい。いっそ壊して二度と付けられないように、その目に触れないようにしたい。けれども、そうしたら彼女がどんな表情をするか想像できて、途端に身体が冷えていく。
いつもそうだ。僕が望んでいることは、彼女を悲しませることばかり。君を手の届かない所に閉じ込めてしまいたいけれど、それは叶わない。彼女があの男を想っている以上、彼から彼女を奪うことは、どうやったって出来やしない。
だから今だけは、この一杯のコーヒーが終わるまでは、君は僕のものでいて欲しいんだ。

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