三井さんにさんざん愚痴って相談して、婚約者と話し合うことに決めた。結婚するにしても、このままじゃダメだと思ったからだ。そして翌日、私は彼の部屋を訪ねた。
「なに。」
開口一番そう言って私をリビングへ通してから、すぐに「コーヒー」と、それだけ言ってテレビに視線を戻した彼。私は黙ったままコーヒーを入れて、それをテーブルに置いた。コーヒーに口を付ける彼を見ながら私はずっと気にしていることを話し始める。
最初は黙って聞いていた彼だった。でも——、
「結婚するんだから俺の言うとおりにしてればいいんだ。そりゃ付き合ってる頃は気も遣うだろ?なんで一緒に暮らすのに気を遣う必要があるの?それにおまえを抱くのに許可がいるのか?おまえ何様だ?」
だーっと話されて、思わず……は?ってなった。待って、こんな人だった?五年も付き合ってきて……こんな言い方されるの?私。
一瞬、何が起こったのか解らなくなって放心状態の私に突如、痛みが走った。なぜか、頬に……。
——え? うそ?
わたし……いま、ぶたれた?
目の前にいつもと違う彼が居た。そのまま乱暴に私に覆い被さってくる。怖くて、たまらない。 精一杯の力で彼を突き飛ばし、バックだけ持って私は部屋を飛び出した。
靴なんか履いてる暇なんてなかった。人目も気にせず走った。タクシーに乗り込んで家の前に着いたけど、彼が追い掛けて来そうで怖くて、どうしようもなくて、歩き回って公園の前に辿り着いた私は、とりあえずベンチに座ってみる。
……顔、腫れてるみたい。あつくて、痛い——。
『いつでも、かけて来ていいからな……』
——三井さんの優しい言葉を思い出す。
携帯を取り出した、けど……迷惑だよね。そこまで甘えちゃダメだ。どうしよう……どうしよう。
一人でいると、涙があふれた。三井さんに会いたい、と。どうしてだろう……自然とそんなことを思った自分がいた。
「……おっ?」
軽やかな声が聞こえた……。
振り向くとそこには、三井さんが居た——。
—
今日も何となくコンビニへ行った。ここのところ頻繁にコンビニを利用するようになってしまったせいで、店員に顔も覚えられ、緩い世間話なんかもするようになった。
俺がバスケットボールの選手だと分かってからはレジに行くたび「練習帰りですか?」だの「お疲れ様です」だのと声を掛けられる始末。ハハ、と浅く笑って店を出るが、毎日コンビニ弁当を食ってるアスリートだと思われかねないので、今後は顔見知りの店員がいない時間を狙って行くか、と一人、脳内作戦会議をする。
その帰り道、公園の横を通った。コンビニを利用するときは、決まってこのルートで帰宅する。
この前ココで話し込んだよな……あわよくば会えればいいな、なんて思ってこの道を通る俺って、女々しいよな……なんてそんなことを思いながら通り過ぎようとしたとき——公園に、人陰が見えた。目をこらすと、彼女だった。俺は思わず声をかける。
振り向いた彼女は泣いていた。急いで駆け寄って近づいたとき、びっくりした。あきらかに頬が腫れていたから。しかも、靴も履いてない状態だ。
「何があった!?」
彼女は俺にすがるように泣き崩れた。……とにかく、ここじゃまずい。あー、どうすっかな……。
「野郎ンとこ……戻んのか?」
そういう俺にブルブルと彼女は首を振る。だろうな……戻るわきゃねえか……。一応聞いてみただけだが、聞かないほうがよかったよな、と後悔の念に押しつぶされそうになる。
これだから、俺はモテないのだろう。まあ、宮城から言わせてみればって話だけどよ。
「と……! とりあえずこれ、履けよ」
言ったまま、俺のサンダルを履かせた。そして、仕方がないので自分の家に彼女を連れて帰ることにした。下心は無い、決して——。
自宅マンションに着き、リビングのソファに彼女を座らせて、アイスパックを冷蔵庫から出した。それで赤くなっている彼女の頬を冷やしてやる。
「痛むか?」
「……」
「聞かなくても痛てぇよな、真っ赤だもんよ」
「……っ」
彼女は小さく首を横に振る。ああ……痛々しくてかわいそ。服だって乱れてボタン取れてるしよ。
「……ンぁ、ちょっと待ってろ」
そう言ってクローゼットに向かった俺は、新しめなTシャツを取り出す。……風呂、入らせた方がいいよな……いや、シャワーの方がいいか。
決して、このあと弱っているとこにつけ込んで、ヤルとか……そーいうんじゃなくて!さすがに、あんな格好のままじゃって思っただけだ。
俺はリビングに戻って、頬を冷やしている彼女に言う。
「——とりあえず、シャワー浴びてこいよ。足の裏とかケガしてっし……で、コレ。着替えていいぜ……ちゃんと洗ってるヤツだから」
涙をいっぱいためてる彼女を浴室へ連れて行った。よかった、変な誤解は生まれなかったみたいだ。てか、今はそれどころじゃねーだろうな。
「……タオル、ここにあっから。」
そう言うと俺は浴室のドアを早々に閉めた。ドア越しに、まだすすり泣く声が聞こえる。……なんか、胸が痛くなる。こっちまで泣きそうだぜ。
しばらくすると、彼女が浴室から出てきた。
「やっぱ少し、大きすぎたか。」
ため息交じりにそう言って、彼女をソファに座らせた。救急箱を出してきて、すり切れた足の裏を消毒する。……裸足で、どんな思いで公園にいたんだよ?
「電話、くれれば良かったのによ……」
そう呟く俺に「迷惑かけちゃいけないと思った」と、ぽつり、小さな声で言った。
「今日は……ここ泊まればいい。もし、帰りたくなかったら明日も全然、いてくれて構わねーし」
これ以上は迷惑をかけられないと言う彼女に、いーって、と半ばごり押し気味に言った。つか、こんな姿でほっとけるわけねーだろうが……。
彼女をベッドに寝かせて、俺はリビングのソファで横になった。なんとなく携帯をいじっていたら宮城から着信が入る。
「……あ? 何か用か」
『三井サン?ねぇ、ご飯行かない?大サンとかと行くんだけど』
「ダイ? ああ、諸星か……いや、今日はパス」
『へっ? めずらしー……なんか用事あんの?』
「うっせーなぁ。俺はいつも忙しいの!じゃな」
『あっ、ちょ——』
無理やりに電話を切った。思わず出てしまう舌打ちは、きっと宮城に対してではなくて、彼女の——婚約者に対してだった。考えれば考える程に腹立たしい。彼女をこんな目に遭わせやがって、なァにが婚約者だ。ったくよ、ぶん殴ってやりてぇ……
一時間後、ふと気になって寝室をチラッと覗いた。彼女は疲れたのか、ぐっすりと眠っていて、ほっとした俺は胸を撫でおろす。今は、ゆっくり休んだらいい。俺は、そっとドアを閉めた。
—
……目が覚めた。ここ……どこ? そうだ、三井さんの家だ。昨日、泊めてもらったんだった。
ふと首を動かすと、枕元にブラウスが置いてあった。私の服だ。昨日取れてしまったボタンが縫いつけてある。——え、三井さんが付けてくれたんだ。器用だな、なんか意外。ふっと笑みが零れてしまい、それから胸がジンとなった。
服を着替えて寝室を出る。三井さんは私の気配で目が覚めたみたいだった。
「……はよ。眠れたか?」
めちゃくちゃ寝不足ですって言いたげな顔で聞いてくる三井さんに、私は思わず苦笑する。
「おかげさまで、よく眠れました」
三井さんの側まで寄って行き、丁寧にお礼を伝える私。三井さんは気怠そうにソファから起きあがって足を豪快に広げると、浅くソファに座り直した。
そして、そっとその長い腕を伸ばしてきて私の頬に触れた——。思いがけず……どきん、とする。
「——腫れ、引いたみたいだな。よかった」
にっ、と三井さんが口の端を吊り上げて笑う。あ、そっちか……。なんだ、びっくりした。何を勘違いしてたんだろ、わたし……。
「あの……昨日は本当に、ごめんなさい」
謝る私に彼は「気にすんな」と優しく笑う。三井さんは「座れよ」と私を横へ座るように促した。
私は、昨日のいきさつを、ちゃんと話そうと思った。でも、思い出すと悲しくて怖くて、涙が溢れて来てしまう。
「……ゆっくりで、いいからな?」
やんわりと肩を抱いて、三井さんが言う。時々、嗚咽が漏れるたびに背中をさすってくれる腕は、とても心を落ち着かせてくれた。
——あたたかい手。優しい言葉……。ゆっくり、すべて話し終えたとき、不意に三井さんが、私を包み込むようにそっと抱きしめた。
「つらかっただろ?」
……涙が、止まらない。でも、怖くない。それでいて安心した自分にも驚く。しばらくそのままでいたけど、三井さんがそっと身体を離して言う。
「ちょっと待ってろ。とりあえず、飯食おうぜ」
そう言いながら彼はキッチンへと向かった。私もあわてて後に付いていく。
「あー、お前は座ってろって。俺がやっから」
そう言い切って、私をキッチンから追い出してしまう。やがて、ご飯とスクランブルエッグとお味噌汁がテーブルの上に並んだ。どうも不思議な感覚だったが、それでも二人で向かい合って朝ご飯を食べた。なんだか、穏やかで幸せな気持ちだった。
三井さんは仕事で、どうしても出なくちゃいけないと支度を始めたから、私も帰る準備をしようとしたのだが、その様子を怪訝な顔で見てきた三井さんに「お前はここにいろ」と、強い口調で言われてしまう。
「帰るときは、ちゃんと送るからよ。」
次いで「それに靴、買ってくっから」と言って、そのあとに、しかたねーなって顔で、ふは、って笑ってた。
結局、私はその日も三井さんのところでお世話になったってオチ。
—
彼女を自宅に泊めて、俺の気持ちはさらに深いものになっていった。俺のそばにいればいい、素直にそう思った。だから帰るという彼女を止めた。それに、一人で帰すのは心配だったからだ。
テレビ番組の打ち合わせ後、とりあえず靴を買わなきゃな……と応急的に一足買いに向かったとき靴屋の中で偶然、宮城と諸星コンビに遭遇してしまう。
「あれ?三井じゃん。なにしてんの?」
「……いや、打ち合わせで出てきた」
「あー。三井サン番組の打ち合わせとか言ってたもんね」
「ああ……。……じゃあな」
「え! 何買ったのー?三井サン」
フルシカトで、そそくさと手に持っていた靴を隠し持ち、レジに向かう。しかし、こんなときに限って「ポイントカードはございますかぁ」だの「いま二足買って頂くと20%オフに〜」だの「クレジットカードを申し込んでいただくと…」なんて、説明やら勧誘に遭う始末。
普段はチームのイメージもあるので外では愛想を振り撒いている俺でも今日ばかりは「カード持ってねーし、クレカも作らねえ。急いで会計してくれ」なんて矢継ぎ早に言う。そのお陰で店員も静かになったので、まあ良かったっちゃあ良かったが。今日はキャップも被ってるし、顔バレもしねえだろうと勝手に自分で自分を納得させる。
さっさと会計を済ませ店を出る。目の端に呆然と俺を眺めている二人の間抜けヅラが見えた気がしたが、目配せすることもなく俺は急いで帰った。
マンションに着き、ドアを開けたらなんだかいい匂いが漂って来る。
「冷蔵庫にあるもので作っちゃったけど……」
そう言って彼女が申し訳なさそうに微笑む。見るとテーブルには夕食ができていて。それが無性にうれしかった。
着替えをすませて、彼女に買って来た靴を渡せば中を開けて「可愛い!」なんてお世辞にも素直に喜んでくれて安心した。
「センスいいね、三井さん」
「センスはいいんだ、センスは」
「え?」
「女心はよくわかんねーけど……」
そう面食らう俺に彼女は綺麗に笑って、「そんなことないよ、ありがとう」なんて言う。また彼女と同じテーブルにつき、一緒にご飯を食べた。
「あとで、コンビニいってもいい?」
出し抜けに、彼女が言う。朝食の材料がないと続けざま言うので、コンビニではなく近くのスーパーまで一緒に行くことにした。簡単な食材を買い込んで店を出たとき不意に横を見ると、彼女に笑顔が戻っていて、安心と同時に嬉しくなる。そして、公園の横を通り過ぎる間際、彼女が言った。
「三井さん、ありがとう。ここで三井さんが見つけてくれなかったら……私いまごろ、どうなってたか……」
「……ンなこと気にすんなよ、俺は——」
そう言い掛けたとき——公園から人影が現れた。
「名前!! どこへ行ってた!?」
「あ……」
「……ん? おい、その男誰だよ!?」
男が彼女を引っ張って、殴りかかろうとしたので俺は思わず大声で「触ンなっ!!」と制止した。そして気付けば俺は、男の胸ぐらを掴んでいた。
——不意に頭の片隅で高校時代の体育館での事件が蘇ってきて、俺は必死にその邪念を振り払ってから言った。
「女を殴っといて、何が婚約者だ!?笑わせんなっ!」
彼女を後ろへ庇って、野郎に近づけないようにすると、彼女が俺の腕をぎゅっと掴んで言った。
「……もう、い……や、だ。」
ぽつりと零した言葉の後、背後で、彼女が静かに泣き出した。
「あなたにはついて行けない。結婚、したくない……」
「は……?冗談だろ?何年つきあったと思ってるんだ?おまえ、周りの人間になんて言うんだよ?俺は言うぞ!?おまえに新しい男ができたって、会社にも親にも友達にも!」
俺は怒りが頂点に達しそうなのを必死で押さえ込む。ここで殴り合ったら、彼女が怯える。チームにも迷惑がかかる。だけど俺は、胸ぐらを掴んだままで言った。
「いい加減にしろよ。言えるもんなら言えよ」
「……は?」
「新しい男で結構だ。てめぇよりましだわ。女殴って、言うこと聞かせようって奴よりはな」
「……」
「周りがこいつを責めたって俺が守ってやるよ!それに、殴ったの訴えてもいいんだぞ?証拠は残してんだからな、テメェ、それわかって言ってんだろーな」
思いっきり凄んで言った、と……思う。さっき思い出した過去の負の遺産とは違って、無様な感じにはなっていないはず……いや、そう思いたい。
勢いに任せていたので、自分が巻き舌だったことくらいしか覚えてないが。たぶん、腰を抜かしてしまった奴の姿を見れば、ちゃんと、男らしくは出来たとは思う。うん。
いまここに水戸がいたら聞いてみたい。俺のこの行動はあの頃と違って——間違ってねえよな、って……。
「——名前、帰るぞ。」
思わず呼び捨てにしてしまったが、しれっと俺は彼女の肩を抱いた。彼女も抵抗することなく身を委ねてくれたので、それにはホッと安心する。
それでも彼女は、俺を見上げながら、何かを言いたそうだった。
「話は……帰ってからにしようぜ」
それにコクンとひとつ小さく肯いた彼女を見て、そのあとは何も言わないまま、とりあえずマンションへと戻った。
玄関に入り、鍵をかけたとたん、彼女の身体から力が抜けた。
「大丈夫、か?」
彼女は頼りなさげにウンと言った。そのままリビングへ連れて行き、とりあえずソファで落ち着かせる。隣に座り、そっと彼女を抱き寄せた。
「——もう大丈夫だ、安心しろ。」
—
——公園で、彼に会った。
殴られそうになったとき、とっさに三井さんが間に入って守ってくれた。強い、大きな背中を目の前にして、私の口から自然と漏れた言葉。
「あなたにはついて行けない。結婚、したくない……」
そう言った私に、彼は激高して自分勝手なことばっかり捲し立てて最後には脅しまでかけてきた。そのとき三井さんが言った言葉……こんな場面なのに、私は胸が高鳴った。大概、私の頭もバグってるとは思う。
三井さんのマンションに戻ると、一気に力が抜けた。三井さんは私をソファに座らせ、こんな私を優しく抱きしめてくれるのだ。
ここは安心できる……最初から、三井さんは……優しかった。
タクシーに乗り合わせたときも。本屋さんでも。そして、公園で私を見つけたときも——。
甘えていたくなる。でも、そんなの許されるの?それに、三井さんの気持ちだってある。
さっきのはその場のノリで、彼を黙らせたかっただけで、本当はそう、思ってはいないかも知れない。うん、たぶんそう、そうに決まってる。
「名前、さん——。あ、いや……名前?」
三井さんが、私を呼び捨てた。これで、二回目。さっき、初めて名前を呼ばれたときのことを思い出して、私は僅かに頬を赤らめる。
私は顔を上げた。あ……いつもの、優しい顔だ。
「——好きだ。」
——え?……ん? いま、なんて言ったの?私の聞き間違いでなかったら……好き≠チて聞こえた気がした。え……好きって、どう好きなの?頭がこんがらがってしまう。
彼女があの野郎について行けないと言った。ってことは、俺……言っても、いいよな?自分の気持ち——。
さっき、あいつに言ったことは本当の気持ちだったけど。彼女がどう受け止めているか気になる。今はこうして抱きしめてるけど、言っても、いいか……?よし。男、三井寿。俺は、決めた——。
「名前、さん——。あ、いや……名前?」
呼び捨てた俺を不思議そうに見ながらも顔をほんのりと赤らめている彼女に、思わず期待してしまう。
「——好きだ。」
そう言った俺をなお、不思議そうに見る彼女。
これは……頭がこんがらがってる、な。たぶん。
そう思った俺は、彼女をさらに引き寄せた。少ししてからゆっくりと彼女を引き離し、その唇を、そっと指でなぞった。そして、そのままそこへ、キスを落とした。
俺の腕をつかむ名前の指がかすかに震えている。さらに深くキスを繰り返したあと、唇を離して至近距離で言う。
「……俺の気持ち、わかったか?」
名前は、一瞬だけ目を見開いたが、すぐにくしゃと笑って頷いた。
「……名前は? どう思ってんの?」
名前は、そっと俺を引き寄せて……さっき俺がしたように、今度は俺の唇にキスをくれた。それでも名前は不安そうに聞く。
「——三井さん。本当に、私なんかでいいの?」
俺を見上げる名前。俺は彼女の唇を親指で優しくなぞりながら、ぽつぽつと話し出した。
「——俺、出会った頃から名前のこと、ずっと好きだったんだよ。まあ、一目惚れってやつだな」
「婚約破棄した、女だよ……」
「それがどーしたよ?おかげで俺の片思いは終わったしな」
「三井さん……」
「……寿でいい」
「……ひさし……。」
「——名前、お前が好きだ。」
俺はもう一度、はっきりとそう伝えた。
名前を引き寄せ、強く抱きしめてまた、甘く深いキスを、その無防備な唇へと落とした。
きみに想いを 塗り つける。
(あ……雨降って来たね)
(あー、だな。)
(なんか……いつも雨だね、わたしたち)
(おぅ。おかげさんで雨が好きになったぜ、俺)
(うん、わたしも……。)
※『 雨の音/當山みれい 』を題材に。
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