06



彼女は開口一番、渦巻く感情を抑えながら願いを吐き捨てた。





「あの人の所へ連れて行って」





それだけが彼女の平常心を保つための唯一の方法だった。

それだけが彼女の平常心を保つための唯一の盾だった。

それだけが彼女が彼女自身を生かす唯一の理由だった。



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