「お前はバカなのか?」
「ハハッ☆……よく言われる〜」
水滴のついたタオルを顔に投げられたのでよける。
そう、結局この人をゴミ捨て場に放置もできず
家まで連れてきてしまった。
正確には家、というか……敷地にあるツリーハウスなんだけど。
子供の頃に作れなかった秘密基地を作りたいと
私の弟が生まれる直前に、急に少年心と大人の財力を発揮して
作った父と私の小さな隠れ家。
ちなみに、ツリーハウスと言っても木の部分もフェイク。
しかも夏はともかく、冬のために床暖房は入っている徹底ぶり。
最初は母もあまりいい顔をしていなかったが、一度アメリカのツリーハウス専門雑誌や
ツリーハウスだけを紹介する番組で紹介された後から許してくれるようになった。
ようはミーハーだ。意外と価値があることに後から気づいたパターン。
それで取り壊せとも言えなくなり、黙認するようになった。
私が小さかった頃はよくここで父と遊んだなぁ。
今でも弟や家族とケンカをしてはここに逃げたり、のんびりしたい時は
こちらで過ごすことも多い。
今回もまさか、ここが役に立つとはとジーンとしながら
怖いほど殺気を放つ彼に気づいて、ため息をついて説明する。
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彷徨いアリス