「流石に人としてあそこで倒れている人が居たら放置できないでしょう?
――本当ならね、アナタ警察に通報されているんですよ」

ウッと言葉につまったのか気まずそうに彼は視線をそらし
だが……と言葉を濁していたのでまた畳みかける。

「それで…どうして倒れていたんですか?
――というか、そもそも…こっちに居ていいんですか?」

じとーっと冷めたチベットギツネの目で見つめると、彼は逆ギレのように声を荒げる。
「俺だって、好きであんな場所にいたと思うか!?」

まぁ、何かあって倒れていたんだろうとは予想つくけどさ。
嫌味の一つや二つくらい言いたくなるでしょ?

「怒るのはとりあえず後にしてください。とりあえず説明を。
じゃないと私が霊界に怒られるし……それにアナタがもし」

キッとにらみつければ、少女から睨まれたことにビクッとした少年が
なんだとすぐ睨み返したので、視線をそらさず釘をさす。

「アナタがもし霊界から脱走したのだとすれば、私は対処しなければならない」

威嚇するように、身体の周りでバチッと一度霊気を跳ねさせれば
彼は脱走ではないと鼻をならして、バカにしたように笑った。

「はぁ……わかりっました。――それならしばらくこっち居て下さい。
あ、行くところとかあるなら別ですけど」

視線をそらし、疲れたような私に彼は抗議と驚愕の混じった声をあげる。

「なっ…貴様は妖怪の俺を自分の家に匿うのか!?」

「家じゃないです〜。ツリーハウスです〜。
自宅に泊めるわけないじゃないですか!!こっちは離れみたいなもんですよ。
あ、でも問題起こしたら容赦なく追い出しますけどね。

あっあと……服ぬいでください」

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彷徨いアリス