「なっ!?」
真っ赤な顔で、信じられないとばかりに目を丸くする少年に
何を考えているのか予想がついてこっちまで赤くなり慌てて否定する。
「ちっ違う!!――アッ…あなたの服ずぶ濡れだし……そっそれに」
「なっ…なんだ」
なぜかお互い微妙な距離をとり、真っ赤な顔で睨みあう。
「たっ倒れていたから…どこかケガでもしているのかなって」
気まずくて視線をそらし、モゴモゴすれば彼はポカンとした後
はぁとため息をついて、めんどくさそうに呟いた。
「お前…言い方があるだろ」
「う…それは悪かった……です」
気まずくて、下を向いていればホラよと黒衣が顔に飛んできた。
「ぷはっ!!――なっなげないでくださいよ」
とりあえず、服を置いて彼の上半身に傷がないか確認する。
近づいてジッとみると、白い肌に赤みがさす。
口調とかは威圧的だけど、中身は意外と年相応の少年ぽいなとなんだか
不思議な母性本能がくすぐられるような気持ちになり、こっちまで熱がこもりそうだった。
「よく見れば古い傷が多い……どんな生活してたんですか?
――でも、まぁ…最近ついたような大きな傷はなくてよかった」
ホッとして、上半身裸だと寒いかなと気遣ってまた新しく大判タオルを出し
ハイと手渡し、脱げられた黒衣を律儀に室内に干していく。
彼はずっと不思議なものを見つめるような、ポカンと呆気にとられた顔をしていた。
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彷徨いアリス