あれから数日が過ぎた。
なんと彼は台風が過ぎても、ずっとツリーハウスで寝泊まりしているようだった。

私はそんな彼に学校から帰ったあとに3食分まとめてだが
食事を運んだりしていくうちに、少しずつ打ち解けていく。

というより、彼はきっとガードを緩めたらちょろいなと思ったのは内緒。
なんだろうな、口数は相変わらず少ないが時々礼を述べたり
行儀よくしているし、少しずつ氷が溶けていくように
次第に私と雑談もしてくれるようになった。

「なるほど、霊界からよく分からないけど恩赦をもらってこっちに来たんだ」

「ああ。――俺にも理由はよく分からん」

あの時倒れていたのは、幽助にやられた時の傷を治すのに妖力をほぼ使い果たしたことと
霊界からなかば強引にこっちに連れてこられたせいだそうだ。
熱っぽいだるい身体でふらふらと人間界に来てみれば、台風接近で大嵐。

そこに私が運良く通りがかって、今にいたるとのこと。

「いいよ、もう悪いことはしてないなら。
霊界から恩赦をもらったってことは、きっと償ったんだろうし。
でも、霊界は時々クソなのは分かる」

彼が目をぱちくりした後、ハハッと年相応に笑った。

「霊界探偵の補佐だろ?いいのか?」

「いいさ。事実だしね。――もし霊界が良いところだったらさ
人間界の妖怪を野放しにしないし、そもそもが普通の人間を
霊界探偵になんて仕立てあげることもないよ」

時々思うんだ、自分達は使い捨てなのかなっと笑えば
少年は少し黙ったあと、お前には借りがあるから一度なら守ってやらんでもないと呟いたので
ありがとうと小さく力なく微笑んだ。

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彷徨いアリス