いやだ、帰りたくない、もう少し遊びたいと駄々をこねており
コチラも何とかなだめようとアレコレ声をかけているが聞きやしない。
どうしましょうかと従者の二人組に目をやれば
二人はアレを使うかと小さく目配せをした後に小型のパソコンを取り出した。
なんだろうと思って見ていると、エンターを押して動画を再生しだす。
「お兄様!!」
画面から出てきた美少年に思わず息を飲んだ。
確かに目の前の美少女もこの年にして相当の美形であることは間違いない。
その原理でいけば確かに血縁関係とおぼしき兄が美形でないわけなかった。
少し気が強そうなネコ目でピンク髪、青い瞳の妹とは正反対の
まだ幼さを少しだけ残す優しそうな色っぽいたれ目と、青い髪、ピンクの瞳。
声変わりをしはじめたばかりであろう少年ぽさを残している声と容貌から
私や幽助とさほど年齢が変わらなさそうに感じた。
「レティシアの兄、ロメオです。この度は妹が大変お世話になりました」
画面越しとはいえ、深々と頭を下げる少年に面食らいながらも
こちらもいえいえとんでもないですと何度も頭をさげる。
その様子に小さく笑みを返し、少年は妹に寂しいから早く帰ってくるようにお願いした。
そのお願いの効果が絶大すぎて、すぐに従者に荷物を持たせた少女は帰ると画面ごしに叫び返す。
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彷徨いアリス