「はぁあああ?紅葉が婚約だと!?」

紅葉の失踪事件から4日目の朝、問題のパーティー会場を主催していた
大貴族から届いた封書をあけたコエンマは悲鳴をあげた。

美しい字が先日のパーティー会場にて、婚約発表を行いますとつづっていた。

「そんなっ……なんでこんなことに!?」

コエンマの後ろから手紙を覗き込んだぼたんも悲鳴をあげる。

「しかもっそれ今日ですよ!?どうしてっ…」

コエンマは眉をよせた後、握りしめた右こぶしを机にたたきつけた。

「クソっ……やられた!!」

「こっ…コエンマ様!?それって……」

「最初から仕組まれていたんだ」

苦々しく呟いたコエンマは、しばらく手紙を睨みつけていたが
フッと息をつくと、怒りに震える声を抑えたまま
人間界の少年を呼ぶようにぼたんに言いつけた。

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彷徨いアリス