生気を失った瞳で見つめる少女の、柔らかな頬を撫でる。

「君のおかげで…こんなにもうまく事が運んだ」

ありがとうと微笑むも、少女はそのまま何も返さない。
その様子に笑顔を絶やさなかった青年は、端正な顔を崩し舌打ちをした。

「薬と洗脳が効きすぎたか?」

ペチペチと少女の頬を叩いたり、目の前で手を振って見せるが
少女はイスに腰かけたまま動かない。

「あーあ。泣き叫ばれるのもキツイけど無反応だと面白味がない。
意識がハッキリしてた頃の君は、すごく可愛かったのに」

拗ねた顔で口をとがらせるも、少女はハイとしか答えない。
その様子に青年は少し苛立ったが、すぐに当時を思い出したのか
ニヤッと美しい顔を歪ませた。クツクツと肩を揺らして笑う。

「幼い顔が恐怖で歪むのは少し加虐心かぎゃくしんが煽られたよ。
あの時のことを思い出すと興奮してきた♪」

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彷徨いアリス