「今回は俺も怒りを覚える。
完全に俺たちは霊界側の都合に巻き込まれたんだ。
特に、紅葉は……あの男の都合のせいで
誘拐されて、薬漬けにされかけていた……」

先ほどまでの笑みが消え、悲痛な面持ちで蔵馬は
少女の震える手を、安心させるように握った。

「大丈夫。俺が必ずここから逃がすから……」

早くでようと手をひかれ、少女はよろける。

「まだ薬が残っているのか……」

蔵馬が少し考えたあと、ごめんと小さく呟いた。
少女が聞き返す間もなく、サッと抱き上げる。

「くくくっ蔵馬さん!?」

足の間に腕を通され、横抱きにされ少女は狼狽えたように叫ぶ。
重いからと暴れるも、その細い腕のどこにこんな力があるのか
ガッチリ掴まれ、多少暴れてもビクともしない。

「ここは3階か……地面まで少し遠いな」

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彷徨いアリス