地面の硬さを確認して、安堵の息をはく。
蔵馬は相変わらず横抱きを崩さないが
確かにふらつきのある身体では走るどころか
歩くのままならないため、今は身を任すしか出来ない。
「あ、窓とか締めればよかった!!」
走り出した蔵馬に思いついたように叫べば
クスリと笑われた。
「彼らも強引に君を奪ったんだ。
――なら俺たちも強引に奪い返す道理はあるさお姫様♪」
「ッ……で、でも私がいないことに気付いて追ってきたら?」
色んな悪い予感がよぎるが、どれも稀有だといわんばかりに
蔵馬は心配しないでと微笑んだ。
「君を奪われるようなミスはもうしないよ。
――俺は元盗賊さ。大事な宝は誰にも渡さない」
囁かれた言葉に、うるさいほど鼓動が高鳴る。
顔が赤いのもすでにばれて居るだろうが
それでも見られたくなくて、ささやかな抵抗として顔をふせた。
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彷徨いアリス