「あ、蔵馬!!アレもしかして……!?」

走り抜ける森の奥に人影が見えてきた。
その横に大きな……アレは霊柩車れいきゅうしゃ!?

「よくやったぞ蔵馬!!」

少しだけ息をきらした蔵馬が少女をおろして小さく笑む。

「ここまで手配して頂いたおかげです」

「コエンマ様!!」

1,2歩震えたがどうにか駆け出した足で抱きつけば
困ったような声で青年姿のコエンマが狼狽えた。

「ありがとうございます……もうっ帰れないかと」

小さく震える少女の頭を青年が優しくなでる。
見た目は若いが、やはり何百年も生きているだけあり
その笑みはまるで菩薩のように穏やかだった。

「怖かっただろう。さぁ、早く乗るんじゃ」

「はいっ」
涙を見られたくなくて、強引に涙をぬぐい乗り込む。

154(189)
back
彷徨いアリス