霊柩車もとい霊界タクシーに揺られながら10分くらいだろうか。
車で走っているというのに、森はいっこうに抜けない。
森の中といえ、車や馬車などの往来があるのか
比較的に舗装された道をまっすぐ進んでいるだけなのに……。

聞くとまだ屋敷の敷地内というのだから恐ろしい。

「まだ私がいなくなったことに気付いていないといいけど……」

万が一ここで捕まれば、私は今後こんなに逃げられる機会はそうそうない。

きっと警備も厳重になるだろうし、何より薬も増えるだろう。
コエンマもずっと私の拉致問題に関われるほど暇ではないことも分かっている。

そして私も、彼の手引きがなければ霊界から出ることは出来ない。
だからこそ、今回でどうやっても逃げなければ。

早く、お願い……せめて敷地から出てくれ!!

心臓が痛いほど脈打つ。緊張と興奮で精神が高ぶる。
成功への期待、失敗したらどうすればいいか分からない絶望。
感情が渦巻き、焦る私を高い音がスッと落ち着かせた。

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彷徨いアリス