「音……音が聞こえる」
「えっ?」
隣にすわった蔵馬とコエンマが首をかしげる。
「音?」
「何も聞こえんが……」
「そんなはずは…!!」
キーンッ
高い音がもう一度鳴った。
「ほら!!またっ」
これは笛の音だと気付き、伝えようとする前に
フワッと意識が浮くのを感じた。
キーン、キーン
音が身体の周りを囲むようにグルグル回り続ける。
<<目覚めなさい、私の子ネズミ>>
低い声が聞こえた。私を誘う甘い声。
その瞬間、テレビの電源を落としたように、自分の意識も真っ暗に落ちた。
同時に身体の力も抜けて、ガクッとタクシーの椅子に座り落ちる。
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彷徨いアリス